ライスのアニメ感想:#194 serial experiments lain (9)
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terry_rice88
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承前
※視聴した時の第一印象。

実在の科学理論、技術から作中で独自発展する科学技術、というのは手垢の付いた展開方法だけど、いまだにこういう風に実際の風景と絡めて、現実と虚構を物語と画面レベルの両方で混ぜるって言うのにおいては稀有な作品なんだなあ・・・。
2012-12-02 12:47:31
シャフトも、結構写真とか使ってるけど実際問題、演出上の遊びとかが主で、物語と関わりない所で形成されている、いわば雰囲気作りみたいなものだから話の脈が通ってない。その差はでかい。
2012-12-02 12:50:31以下、本編感想。

serial experiments lain:Layer:9「Protocol」端的に言うとラスボス登場回か。もう少し噛み砕いて言うと、作品世界の根幹の解説回で、玲音の家庭はやはり作られたもの、ナイツが接触してきたのもワイヤード上のデータだから、という面が大きいのか。なるほど。
2012-12-02 21:24:20
かのロズウェル事件をきっかけにMJ12に名を連ねていたヴァネヴァー・ブッシュの提唱するMemex、ジョン・C・リリーの脳を生体PCと捉える考え、それらから発展したテッド・ネルソンの掲げるザナドゥ計画、いわゆるハイパーテキストプロジェクトが成立した現代社会がlain世界なのね。
2012-12-02 21:28:34
つまり我々が利用しているwwwが発展しなかった世界でまた別のネットワークが発展した世界なのかあ。いや、今回専門用語が多すぎて、さすがに調べたんだけど。なるほど、玲音たちの使うPCそのものが今現在、私達が使ってるそれとは全く違うもので、より高度なものであるということは理解できた。
2012-12-02 21:31:21
初回からの作品世界に対する違和感はつまりそういうことなのね。作品世界の人々の認識の差だったと。玲音も他の人々も肉体と精神がワイヤードという世界に乗る事が出来るって設定なのか。ただ完全にというわけではなくて、今の所、部分的に具現化視していると。ただ一人、玲音は完全に具現化してると。
2012-12-02 21:35:16
でも、玲音はその特殊な存在からして、ワイヤードと現実の狭間に生きる存在っぽく。どちらにも行き来が出来る上に実体をも持つプログラムでもあり、世界を改変できてしまう存在でもあるということなんだろうか。そういう危険な存在であるから抑止力でナイツが存在する、みたいな関係性でいいのかな?
2012-12-02 21:38:14
今回、クラブに通いつめる子供の取り巻きの太郎がナイツの一員だと判明したわけだけど、彼女を監視していたわけではなくて、眺めていたって感覚が強いか。どちらにしろ二重人格化しつつある玲音の不安定な感じが全体を左右しているようにも感じるな。だから神にすがるという冒頭のモノローグにも繋がる
2012-12-02 21:42:58
で、その神が何なのかというところで出てくるのが、橘総研の一研究員だった英利政美であると。初回で自殺した千砂のように現実での肉体を失い、精神がワイヤードに残存する人物だったと。彼が開発していた第七プロコトルが物語の鍵なんだろうなあ。凄く構築された設定で理解に苦労するけど面白いな。
2012-12-02 21:47:22
で、その第七プロコトルに組み込まれていたのが地球の脳波とも言われている「シューマン共鳴」。難しいけど、それを使う事でwww上のネットワーク世界でいうところweb2.0の世界を作る事であって、人間の肉体が必要なくなる進化の道筋みたいなものって言う事、なんだよな。まあ、危険ではある。
2012-12-02 21:50:13
まあ、言わんとするところとしては早すぎる技術はなんたらってことか。ただ第七プロコトルそのものが玲音の可能性があるし、彼女の家庭は仕組まれたものである事からも、ラスボスである所の英利との邂逅は物語において風雲急を告げるものであるよなあ。それらをザッピングして語っていく語り口は中々。
2012-12-02 21:53:05
玲音にとってはワイヤードにおける自分と学校に通ってありす達と楽しく過ごす自分、どっちが重要なのか、あるいは人間なのかプログラムなのかという所で「少女」が揺れ動く話なんだろうなあ。翻って考えると、やっぱりロボット少女ものともいえるんだろうか、この話。なんにせよ変わった切り口の話だ。
2012-12-02 21:56:40
さて、神、もとい英利政美との邂逅でさらに物語がどのように動くのかが、見所だなあ。電脳世界と現実世界の少女は何を思うのか。そして何かの終末が近づく。非常に世紀末的ではあるけど、玲音はそこをどのように突破するのか。というところで今回は以上。ありがとうございました。ではまた次回です。
2012-12-02 22:04:54前回

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