NHKハートネットTV『Our Voices結婚・パートナーのあり方(1)“僕と彼”との結婚式・オランダ』感想＆出演者の中村崇士さんとの対話

島田 暁 @Akira_Shimada

NHKハートネットTV『Our Voices結婚・パートナーのあり方(1)“僕と彼”との結婚式・オランダ』を観ました。2008年の『ハートをつなごう』出演でゲイをカミングアウトした中村さんが、その後、離島に住めなくなったのは番組の放送が一因。当時危惧した僕としては複雑でした。→

島田 暁 @Akira_Shimada

→今夜ハートネットTVでオランダでの同性結婚式が放送された中村さんが、08年に出演した『ハートをつなごう』を見て書いた当時の感想。コメント欄では議論も。久々に読み返し基本的に僕の意見は変わってません→「カミングアウト教」の信者じゃないから http://t.co/jTvGAt5O

島田 暁 @Akira_Shimada

→今夜放送されたハートネットTVは、たとえ同性婚が制度としては可能になっているオランダにおいても、周囲に同性同士の結婚を「理屈ではない所で理解させること」には各々の当事者に苦労が付きまとうのだという側面が丁寧に描かれていて、単純な夢物語に回収されていなくて見ごたえがありました。→

島田 暁 @Akira_Shimada

→こういう番組を「当事者として」観るときに気付くのは、人生の変転の原因が単純に「ゲイであること」一点のみで語られていないかどうかということ。人間は様々な要因が絡まり合ってその時々の行動を選択すると思うので、もしゲイ・アイデンティティに全てを負わせる描き方だとしたら、それは大嘘。→

島田 暁 @Akira_Shimada

→2008年に今夜と同一人物が登場して放送された『ハートをつなごう』では、はっきり言って「ゲイであること」一点に人生が集約されているかのように感じさせる物語の単純化が行われており、その表現の暴力性とリスクを、当時、ブログで批判しました→ http://t.co/jTvGAt5O

島田 暁 @Akira_Shimada

→恐らく同じスタッフが継続して4年ぶりにオランダでの中村さんを取材しに行き今夜のハートネットTVの放送があったようですが、中村さんが再び番組に出演出来る状況になれたことが良かったと思ったのと同時に、かなり奇跡的なことであるのではないかという事実には、慄然とせざるを得なかったです→

島田 暁 @Akira_Shimada

→制作側には耳の痛い意見でしょうが、奇跡的であるということはすなわち、「リスクの方に転ぶ可能性が相当に大きかったのだ」ということでもありますから、その事実から逃げずに、二度と「単純な物語にセクシュアルマイノリティ当事者を回収させずに」今後の番組作りを行って欲しいと切に思いました。

島田 暁 @Akira_Shimada

→その点を指摘したくなったこと以外は、今夜放送されたハートネットTVは重要な示唆に満ち、しかも「生きていく葛藤と喜び」の両面が描かれ、本当に見応えのある内容だと感じました。どうか今後も「リブ推進の方向性での物語の単純化に、人の人生を回収させない(安易に当てはめない)番組作り」を。

島田 暁 @Akira_Shimada

→なぜ僕が口を酸っぱくして「リブ推進の方向に人の人生を安易に当てはめるな」と警告するかというと、光ばかりが描かれ影が想像されない表現は「プロパガンダ」でしかなく、宗教団体や国が人々を動員する表現と大差なくなり、それらと同じようなリスクが生じるから。NHKなら尚更気をつけて欲しい。

島田 暁 @Akira_Shimada

→プロパガンダは一時的に人を感情的に動員できますが、受け手の主体性や思考力を信頼して行われる表現ではない。従って、そういうもので動員される受け手として「セクシュアルマイノリティ」が想像されてるのならば、それこそ差別だと僕は感じてたので、かつてはたくさんNHKに噛み付きましたっけw

島田 暁 @Akira_Shimada

【YouTubeプレイバック】08年11/3開催パフナイト『テレビに虹はどこまで映る？～NHKディレクターと話そう』。2008年頃からNHKが活発にゲイ/レズビアン、LGBTシリーズを放送し始めた当初に制作者と視聴者で議論した会の映像です http://t.co/pzJwx2dI

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ぬっくん @marimononukkunn

@Akira_Shimada 彼の「生き辛い」ということばの重みが心に響きました。でも、オランダに辿りつけたことも彼の力だと思います。日本に居場所がなかったということは本当に考えなければいけない問題ですね。

島田 暁 @Akira_Shimada

そうですね。あと、メディアでの露出は必然的に「描ける人」が出てくるわけで、「描くことが出来ない人がその背後に何倍も居る可能性」が常にあり、実際にそうなのです。そのことへの想像力を持った上でマスメディア表現の影響や、その後のフォローを考えたいです。 @marimononukkunn

ぬっくん @marimononukkunn

@Akira_Shimada すごく参考になりました。ただ、彼には世間にカミングアウトするということも必要だったのかもしれませんね。

中村崇士 yasugibushi @the_yasugibushi

@Akira_Shimada 島田さんの番組の感想（批評）を嬉しく拝読いたしました。性的少数者としての物語に回収されてしまう…というのは、最も厳しいご指摘で、かつ精確なものです。性的少数者だから…ということが物語になるという「数十年単位の時代遅れ」も覚悟していますが。

島田 暁 @Akira_Shimada

オランダからありがとうございます！今夜の番組は教わることがたくさんありました。結果的に08年の放送があって今の中村さんがある。そのことに敬意を表します。時代が遅れてる/進んでるの評価も軸をずらせば一概には語れないかもと今日の番組からも感じました @the_yasugibushi

中村崇士 yasugibushi @the_yasugibushi

@Akira_Shimada 頭の上を舞っているチラチラした星々のようにプロパガンダがあるならば、まさに島田さんのおっしゃる通りですよね。星を見ない人なんてゴマンといるわけですから。しかもその星が幻覚のようなものだとしたら。硬いものにぶつかったときに見える星なのかもしれません。

中村崇士 yasugibushi @the_yasugibushi

@Akira_Shimada そして、だからこそ、星は願いをかなえるんでしょうね。僕はそのことを東洋思想の文脈で、卒論として書きました。目をつぶっていても見えてしまう星も含めて。

島田 暁 @Akira_Shimada

僕は星を物凄く強い気持ちで望遠鏡を使ってまでも観たいと切実に願う人がかなり多くいると想定し、その人たちが覗いた時に明るいだけでなく暗かったり爆発してたり様々な色や形や年齢の星がある、そういった世界の多面性を覗かせてくれるものを求めがちなのです。 @the_yasugibushi

中村崇士 yasugibushi @the_yasugibushi

@Akira_Shimada 島田さんの批評で一番感動的だったのは「当時危惧した僕としては」という部分。つまり島田さんは全身当事者で見てくださっているということです。僕は島を出ざるを得なかった。辛い決断でした。

島田 暁 @Akira_Shimada

都会ではない「小さな地域コミュ二ティ」で暮らしている同性愛者の友人が男女を問わず僕には居て、その人たちの普段の暮らしぶりを聞いてもいたので、なおさらリアルに「大変なんじゃないか」と当時から感じてたのです。本当に辛い決断だったかと思います。 @the_yasugibushi

中村崇士 yasugibushi @the_yasugibushi

@Akira_Shimada 島田さんがご指摘の通り「時代遅れ」という言い方にはいつも語弊がありますね。しかしながら、何か、「記号的なズラしかた」ということを考えてもいるんです。あれよあれよという間に日本でも同性結婚ができてました。となりのおじいさんカップルも元気です、みたいな。

島田 暁 @Akira_Shimada

「記号的なズラし方」は、いろいろ入り組んだ事情を鑑みるとなかなか想像し難いですし、日本は今まさに右傾化に引き戻ろうとしておりまして（苦笑）。あと、「結婚」を正統な生き方だと思う人と思わない人、両方が尊重される社会が僕にとっての「その先」です。 @the_yasugibushi

島田 暁 @Akira_Shimada

中村さんの今の立ち位置からこそ見えてくる方法論って、きっとあるでしょう。なにか思いついたらご連絡くださいませ！（笑）。僕は日本社会のにっちもさっちも行かなそうな、もつれた糸を解く作業に引き続き取り組み続けますが、疲れたら相談させてください（苦笑） @the_yasugibushi

島田 暁 @Akira_Shimada

【YouTubeプレイバック】08年11/3開催パフナイト『テレビに虹はどこまで映る？～NHKディレクターと話そう』。2008年頃からNHKが活発にゲイ/レズビアン、LGBTシリーズを放送し始めた当初に制作者と視聴者で議論した会の映像です http://t.co/pzJwx2dI

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