2012年12月11日

リガンドとエンベロープ:わいたんべ先生による解説

まとめてみました。 関連まとめ http://togetter.com/li/419442
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Y Tambe @y_tambe

「エンベロープ=ドレスコード」の喩えが広まってることに危機感。

2012-12-11 10:19:51
Y Tambe @y_tambe

ドレスコードに該当するのは、ウイルス表面のリガンドであって、エンベロープじゃない。

2012-12-11 10:20:33
Y Tambe @y_tambe

エンベロープを持つウイルスの場合:HIVの場合は、エンベロープの表面にあるgp120というスパイクタンパク質であり、インフルエンザの場合はエンベロープ表面にあるHA(ヘマグルチニン)というスパイクタンパク質(続

2012-12-11 10:22:00
Y Tambe @y_tambe

エンベロープを持たないウイルスの場合:例えば、アデノウイルスはこんな感じ http://t.co/n6Gw5ORp このアンテナみたいにせり出したスパイクがリガンド。

2012-12-11 10:24:57
Y Tambe @y_tambe

エンベロープを持たないウイルスの場合:ノロウイルスの場合は、このような突起は持たないけど、カプシドそのものがリガンドとしての機能を持つ。それが小腸の上皮細胞の受容体に結合するのが重要。 http://t.co/aLlRAAwR

2012-12-11 10:27:45
Y Tambe @y_tambe

エンベロープを持たないウイルスの多くは、確かにエンドサイトーシス(細胞膜が凹んでいって、外のものを飲み込む機能)で取り込まれるけど、その場合も、効率よく細胞に侵入するためには、まず最初に細胞膜にくっついていないといけない。だから、エンベロープの有無に関わらず、吸着の過程は大事。

2012-12-11 10:31:00
Y Tambe @y_tambe

で、この「吸着」は、ウイルスが持っている表面分子のどれかと、細胞が持ってる表面分子のどれかが特異的に結合することで起きる。このときウイルス側のを「リガンド」、細胞側のを「受容体」と呼ぶ(続

2012-12-11 10:32:29
Y Tambe @y_tambe

承前)細胞側のを「受容体」と呼ぶので、なんだかまるで、細胞がわざわざウイルスをくっつけるための分子を用意してるかのようなイメージを生じるかもしれないけど、実際は、別の機能を持ってるもので、それをたまたまウイルスが利用してたら「(○○ウイルス)受容体」とも呼ばれる。

2012-12-11 10:34:18
Y Tambe @y_tambe

ウイルスによっては、いろんな細胞の表面に出ているような受容体と結合するものもあって、そういうのはいろんな種類の細胞に感染できる:アデノウイルスとか、VSV(水疱性口内炎ウイルス)とか。前者はエンベロープなしで、後者はあり

2012-12-11 10:39:32
Y Tambe @y_tambe

これに対して、ウイルスによっては受容体の関係で感染できる細胞の種類が少ないものもある:HIVやインフルエンザウイルス、A型肝炎ウイルスやポリオウイルスなど。前2者はエンベロープあり、後2者はなし。

2012-12-11 10:58:52
Y Tambe @y_tambe

んで、この「細胞が持ってる受容体の違い」は、「そのウイルスがどの動物に感染できるか」にも大きく影響する。たとえば、トリインフルエンザが(大量暴露でないと)ヒトに感染しないのは、ヒトとトリの細胞で受容体の構造が違い、それぞれヒトとトリのウイルスのリガンドと特異的に結合するから。

2012-12-11 11:10:33
Y Tambe @y_tambe

ちなみにこのような、ウイルスが細胞に効率よく侵入するメカニズムを利用してるのが、遺伝子治療で使うウイルスベクター。ウイルス粒子の中にある、ウイルス本来のゲノムを除いて、その代わりに治療に使いたい(細胞に導入したい)遺伝子を入れたものに相当するもの。

2012-12-11 11:33:09
Y Tambe @y_tambe

ウイルスベクターにも何種類かあって、それぞれに違いはあるけど、アデノウイルスベクターはアデノウイルスのリガンドがいろんな細胞に侵入可能な点で応用性が高くなる。

2012-12-11 11:35:55
Y Tambe @y_tambe

またレトロウイルスベクターなどは、そのままだと入れる細胞の種類が少ないので、さらにVSVのもってるリガンド(VSV-G)をエンベロープ上に発現させるなどして、いろんな細胞に侵入できるようにしたものを使ったりもする。

2012-12-11 11:37:56
村田さんきち @SankichiMurata

@y_tambe 素人が口出してすいません。この「結合」は、化学反応によるものでしょうか。それとも、それ以外(レセプタの分子構造の中に入り込むなど)のものでしょうか。

2012-12-11 11:35:46
Y Tambe @y_tambe

@SankichiMurata タンパク-タンパク間の分子間相互作用によるもので、共有結合じゃないです。

2012-12-11 11:39:09
Y Tambe @y_tambe

@y_tambe @SankichiMurata 「抗原抗体反応」とか「酵素と基質の結合」と同じで、それぞれが化学反応して結合した新たな分子を作るものではないです。よく「鍵と鍵穴の関係」に喩えられるのだけど、そういう、立体構造が「ぴったりはまる」ような感じの「結合」

2012-12-11 11:43:05

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