unpeu_k #twnovel 2012/11 ｢に」「ゲ」「手」

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 宜しいですか先ずわたくしが「あなたもあなたの好きな人にも幸せでいてもらいたいもの」という返事をしますのであなたは私を抱きしめて「一緒に幸せになりましょう」と言ってください。言ってください。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 女子会に一人連れてこられてしかも彼女が席を立って彼女の友達と残される。「にしてもほんと優しいよね」みんなが笑顔を向けてくれる。「ゲストの参加も嬉しいけれど無理しなくてもいいんだよ？」「手に負えないと思ったら『無理』って帰って良いからね？」彼女が急いで戻ってくる。

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#twnovel ハンドボールだの水風船だの80キロの車の窓から手を出して風を受けるだのそんな話は低レベルだ。俺はヘルメットをしっかりかぶる。どうして俺が高速も乗れる免許を取ったのか。バイクに颯爽とまたがる。ちょっと全身で受け止めてくる。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 私が読んだ物語は全てがハッピーエンドになる。決して選んでいるわけではなく、私の読書力の強さが物語をねじ曲げるという。何を見ても幸せな結末。でもそれは私が読まない話はバッドエンドのままということ。そんなの悲しい。読まなきゃ全部。すべてを幸せにしなくっちゃ。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 夫婦喧嘩で怒った妻は湖に飛び込んでしまった。湖から女神が現れる。「今湖に落ちたのはこちら（の怒っている妻）ですか？それともこちら（の美女）ですか？」とても美しい"女神"だった。私は慎重に答える。「落ちたのはかけがえのない私の美しい妻です。」上機嫌の妻が戻される。

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#twnovel 人間関係管財人は微かな溜息を隠す。私が投げて捨てて来た人間関係によって犯した不義理をまずは確かめたのだ。「大丈夫です。確かに少し多いマイナスではありますが少しずつ返して行きましょう。向きを変えればいいのです。変わろうと思い立った時から人は変われるものですから。」

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel お互いにオタクであることを隠しての初対面である。同じにおいを感じてはいたが先に動けば負けである。ギクシャクとした空気の中、それまではJ-PopだったBGMが一変した。同じくギクシャクとした歌声。そうこれが初音ミクである。必死に平静を装い合いそして双方が確信した。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 森のような正餐室の遙か向こうに夫人が座る。瞳孔が縦に開いたメイドが果物の皿を持ってくる。私は吐き出せない知恵の実の代わりに言葉を延々と吐く。くだらない話をし続ける。夫人の微笑みを目にする度汗で滑りがちな手のひらに掴み直したナイフとフォークはエデンの園の柄である。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 彼女は彼の一部すぎて無理がある話にも怒らない。「例えそれが嘘だったとしても」花鋏をじゃきんと鳴らす。「そう思ってて欲しいってことなんだから信じたいの。」人を信じるとは何だろう。「疑いを捨てればいいんだよ。」彼女は体からまた伸びた柔らかい芽を切り落とす。

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#twnovel 送別会で送られる。酒と食事と笑い話。代わる代わる話しかけに来る。歌い出すもの泣き出すもの。床の間の前に鎮座して他人事のようにそれを見ていた。きっと私の葬式もこのようなのだろうなと思う。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel その人は青く透明でたっぷりとした物に手を入れ跳ねる魚を取りだした。火を焚く流木、味付けの塩、皿の代わりの貝や石。その塊の上から下からいろいろな物を出してくる。「それは何」と私は聞いた。「これは海だ」と答えてくれた。ひどく羨ましくなった。何としてでも手に入れたい。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 「豊作貧乏だげどもよう…」農夫は見ている事しか出来ない。畑に一面生き物が取り縋り貪っている。この生き物は喰らい尽くすと乾燥地帯に向けて飛び立つ。飢饉の砂漠に誘導すればそのまま食べる事も出来るし水と栄養を多く含んだ死骸は肥沃な土になる。そのために作られた生き物だ。

二月大笑 @unpeu_G

声をかけても生返事。「男はシングルタスクだからさ。」ふーん、そういうものなのかしら。車を選んでいたらしい。 #twnovel 「やっぱ車はマニュアルだよな。」臨機応変に状況を読みアクセルとクラッチを操って回転と速度に合うギアへ変更しつつ駆け抜ける。…なんだかちょっと腑に落ちない。

二月大笑 @unpeu_G

#twnovel 「つくるのは楽しかったんです。土をこねて自分に似せて。上手くできたし息を吹き込んで動いた時は感動でした。でも捨てるのが難しくて。やっぱり愛着もありますし。でも決めました。断捨離します。お炊き上げお願いします。」そうやって持ち込まれた地球は人がびっしり湧いていた。