ライスのアニメ感想:#195 serial experiments lain (10)

serial experiments lainの10話感想です。 遂に対峙する玲音と英利政美。 彼女達の実存を巡って、ワイヤードが揺らぐ。 現実と電脳。 この二つの世界で「揺らぐ」少女はどこを向くのか。
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テリー・ライス @terry_rice88

serial experiments lain:Layer:10「Love」 遂に対峙した玲音と英利政美。リアルワールドから実体を捨て、ワイヤードに巣食う「神」と化した英利が玲音の存在をワイヤードに抑え込もうとするが、玲音も抵抗するエピソード。冒頭の自分の発言を奪い合う様が面白い

2012-12-12 01:07:26
テリー・ライス @terry_rice88

お互いに曖昧な存在だという共通項以上に、世界に対してどう在りたいかが投げかけられるエピソードだったか。英利はプロコトルセヴンの製作過程で橘総研を解雇されたのをきっかけにリアルから決別して、ワイヤードにおける自分をあがめたてられる存在に仕立てようとした。自らを「神」と認識させる為に

2012-12-12 01:12:44
テリー・ライス @terry_rice88

簡単に言うとアカシックレコードを内蔵した人間というか精神が浮遊する世界=ワイヤードで英利は「神」になるために、自分を崇めるグループすらを作った、それが「ナイツ」であり、その情報、常識が定着させる事でワイヤードを支配するみたいな事をやりだしていた。人間の進化、なのかもしれないが。

2012-12-12 01:20:31
テリー・ライス @terry_rice88

玲音は英利と出会い、彼に近づくことでどんどん曖昧になっていた。いや、そもそも彼女が現実に存在する事が異常なことで、彼女の家族もまた作り物に過ぎなかったというのが明らかになっていく。元々、玲音に失うべき物のはなかった。最初から彼女は孤独なのだから。だがしかしだ。過去は現実なのだ。

2012-12-12 01:24:28
テリー・ライス @terry_rice88

仮初めの家族であろうと、玲音がその中で生き、生活して、学校に通ったという家庭は紛れもなく真実である。それを否定するわけには行かない。が、彼女の真実が暴かれてしまった今、それらは終わらざるを得なかった。最初から玲音は自由なのだから自由に動くべきなのだが。やはりどこかを誤認している

2012-12-12 01:28:03
テリー・ライス @terry_rice88

自由にしろといわれ、実際自由に動くというのは結構、難しい。むしろ何をしていいか、途方にくれる事もあるだろう。玲音の生活サイクルは間違いなく、あの岩倉家を中心に回っていたので、それを失うと孤独しか残らないというが凄く切実。人間関係から見れば、断絶した存在になってしまう。

2012-12-12 01:31:53
テリー・ライス @terry_rice88

ワイヤードにいれば、「君は独りじゃない」という者もいるが、逆説的に隔たりがないことので「誰だって繋がれる」という意味でもある。だから現実以上にシビアな世界が現実でも作品でも広がっているようにも思う。しかして玲音はワイヤードの存在ではなく、紛れもなく「人間」の玲音は存在していたのだ

2012-12-12 01:53:02
テリー・ライス @terry_rice88

それで玲音は「神」として君臨する英利のワイヤードの関係を切り離そうと躍起になるという流れなんだろうなと。英利を自分と同じ領域まで引きずり込もうとする様が、今回のエピソードで描かれているんだろう。玲音が現実で生活した分のアドバンテージを残したまま。そのアドバンテージもまた興味深い。

2012-12-12 03:25:50
テリー・ライス @terry_rice88

結果、彼女の情報の解析力によってナイツは全滅させられたが、翻ってみれば、彼女は一人の少女でしかない。では、なぜ岩倉父やカールが玲音を好んでいた理由が見えないが、解釈すると、カールが言うように「愛」という、見えない関係性に繋がってくるのかなと思わずにいられなかった。

2012-12-12 03:40:41
テリー・ライス @terry_rice88

この微妙な感情はワイヤードでは得られない物であるように感じられるか。玲音がどんどん得体の知れないものになるにもかかわらず、彼女は少女であることを止められない。現実と電脳の狭間の存在として象徴し、揺れ動く。結局の所、何を言われようと彼女は人間を止める事は出来ないと見るのが正解かな。

2012-12-12 03:47:41
テリー・ライス @terry_rice88

彼女の周りがいくら嘘で塗り固めていようとも、その中で過ごした家庭の情景で得たことだけは真実だなあ。それも玲音音自身の主張で、正直リアルとワイヤード、どっちが正しいかなんててのは正直、彼女にとってはどちらでもいいような感じなんだろうな。英利よりも全てを許容してるのもそう。

2012-12-12 03:56:07
テリー・ライス @terry_rice88

今回の最後の最後で、英利と再び対峙した時、今まで繋がっていた「電線」が玲音の力によって引き千切られる。今まで「繋がる事」が重要視されてきた作品だが、ココで目に見える形、しかも作品画面を支配してきた空虚な電線が破壊される事で、玲音の神格化が始まったようにさえ見える。凄いシーンだ。

2012-12-13 02:36:01
テリー・ライス @terry_rice88

英利はリアルからは断絶したが、それでも自分を「神」として、ワイヤードの人々と「繋がる」ことで自分の意のままにしようとした風にも見えるが、玲音は「繋がりたい」と思いながら、その実、繋がらない自分を自覚したようにも思える。だからこそリアルもワイヤードもどっちでもいいんではないだろうか

2012-12-13 02:38:37
テリー・ライス @terry_rice88

そうして、玲音は英利を自分と同じ境遇に引き込んだ。一方でリアルの玲音、ワイヤードのレイン、同じ存在の二人の少女がどのように決断を起こすのか。「神」としての英利にどのようなアクションで打倒していくのか。少女と神が交差して、その存在が電子の海で高まっていくという、所でいよいよ終盤戦。

2012-12-13 02:43:31
テリー・ライス @terry_rice88

玲音という少女の心の揺れ動きがそのまま「揺らぐ」世界に繋がっていくとしたら。それはそれで興味深い展開だなあ。まあ、過去作品で多くの人が結末を知ってるかとは思うけど、一話一話ずつ見ているとかなり深みに嵌っていきそうな物語ではあるなあ。この静かに盛り上がってくる感覚は好きだ

2012-12-13 23:50:01
テリー・ライス @terry_rice88

というわけで、残り3話。ただただ玲音の選択を見守りたい感じ。それにしても、描写される背景やアニメなんかは明らかに時代の産物なんだけど、自然と古臭さはあまり感じられないのがやっぱり凄いな。とかなんとか。では今回の感想はこんな所で。どうもありがとうございました。また次回です。

2012-12-13 23:53:07

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