座間市議会議員・伊藤優太氏の図書館への野望

座間市議会議員・伊藤優太氏

12月7日 座間市議会

伊藤優太議員 質問

(9:00)
三つ目は民間活力の導入の可能性についてであります。
本市の厳しい財政状況の解決への取り組みとして、遠藤市長を本部長とし、緊急財政対策本部を設置し、行財政改革等々に取り組まれているところであると思います。
行政運営の中で民間活力を取り入れていく、民にできることは積極的に民に任す、スリムな行政、小さな行政組織を目指していくというのは時代の要請であり、今後の自治体運営で必要なことだというふうに思います。
その視点から質問をさせていただきます。

座間市立図書館の運営のあり方についてお尋ねをいたします。
平成19年に座間市立図書館について、外部評価委員さんが図書館を市民協働の拠点として、各団体の支援体制やネットワーク作りを強化をすべきと評価をいただいているということであります。
現在は座間市図書館ボランティア友の会の皆さんがこの図書の整理や読み聞かせなど事業に協働して取り組んでおられるということであります。
その市民協働の取り組みも非常に高い評価を受けているということであります。
ボランティアの皆様をはじめとする市民協働の枠組みと、市立図書館としての安定的な継続性を維持するためには現在の市の直営で運営がされるのが好ましいということであります。
そういった現在の状況や経緯があることを踏まえまして、おうかがいをいたします。

本市の財政状況を考えれば、市民協働の枠組みと図書館としての継続性を担保し、現在の市民満足度を下げずにかつ管理コストを圧縮をするということは、当然検討されるべきことと思います。
図書館学や図書館情報学の立場に立てば、安定した継続性や蓄積性を担保をしなければならないということになるのだと思いますが、図書館を実際に利用する市民の立場からすると、民間活力の導入で利便性を向上させていくという視点も持ち続けなければならないというふうに思います。

佐賀県の武雄市では、市民図書館に指定管理者としてツタヤを運営をするカルチュア・コンビニエンス・クラブに委託をし、それまで1億4500万円であった総経費の約1割を削減をした上で、開館時間を午前9時から午後9時までに延長し、開館日を一年365日とすることが可能になるということであります。
20億円の経済効果も見込めるという試算もされています。

その他の自治体でも民間の知見を図書館運営、市民サービスの向上に使っている例が多くございます。
ちなみに座間市の図書館の開館時間は火水木金は午前9時から午後7時まで、土日祝日は午前9時から午後5時まで、月曜日は閉館日であります。

先ほど申し上げた通り、この自治体図書館の指定管理制度導入や、この民間委託については、司書の経験や知識の蓄積、図書館事業の継続性、個人情報やプライバシーの保護について、この疑念があるという意見があります。
しかしこのような意見は民間事業者蔑視ではないかというふうに私は思います。

実際に図書館の運営を委託を請け、市民サービスに寄与している民間事業者があるわけであります。
有隣堂、紀伊国屋、丸善、その他図書館運営のノウハウがある事業者は現在は多数存在をします。
図書館運営を民間に任せるという議論がスタートしたした時点では、そういうノウハウを持った業者が少なかったということもありますので、民間に任せて大丈夫かと、そういったご指摘もあったと思いますけども、今は状況が違うわけであります。

民間活力を取り入れ、市民サービスの向上に寄与する自治体図書館があることを踏まえ、座間市立図書館の運営のあり方、指定管理制度、そして一部業務委託、この民営委託、PFI、市場化テスト等、民ができることは民に任せるという視点において、この様々な選択肢を検討するお考えがあるかどうかをおうかがいをいたします。
(14:02)

教育部長 答弁

(28:11)
それでは私の方からは、市立図書館の運営方法について答弁を申し上げます。
平成20年に図書館協議会におきまして、指定管理制度を含め、運営方法に関する検討を行っております。
その際、委員からの意見といたしまして、市民サービスも個人により捉え方が違う、開館時間の延長、開館日数の増加だけでなく、相談業務、学校連携、地域とのつながりによる読書普及活動等があり、指定管理等に変えることに不安がある、等の意見が出されております。
まとめといたしまして、直営で運営し、他市の状況等について今後も調査検討することとなっております。
その後、平成22年度には、子ども読書活動の優秀実践図書館といたしまして文部科学大臣表彰や、図書館を使った調べる学習コンクールで優秀賞・日本図書館協会賞を受賞したことは、直営によります極め細やかなサービスができていることの証であると、このように考えております。
しかしながら、近隣市でも指定管理制度や、一部委託を進めている施設もありますことから、今後についてはその動向を注視しながら、図書館協議会を中心により良い運営方法について考えてまいりたいと、このように思っております。
以上でございます。
(30:20)

伊藤優太議員 再質問(要望)

(32:13)
図書館の民営化については、まず、指定管理者では不安があるというご議論があったと。
直営でなければ極め細やかな対応ができないというわけでは、私は繰り返しになりますけど、ないというふうに思います。
実際ノウハウがある民間の業者が今多数存在をするという事実を申し上げて、この運営についても引き続き検討をお願いしたいというふうに思います。
これも要望であります。
(32:41)

「良例」

感想

個人情報やプライバシーの保護を懸念されているのは、もっぱらCCCについてです。CCCはもちろん、図書館運営の実績もノウハウも持ってなどいません。その一方でCCCは、Tポイントカードを通じて個人情報を収集し、抽象的な規約で利用者を煙に巻いています。指摘を受けてもただ開き直るばかり。それを他の民間事業者と十把ひとからげに同一視していることこそが、他の民間事業者を蔑視していることにほかならないのだと言わざるを得ません。

図書館運営に取り組んできた民間事業者の存在は、図書館運営などしたこともないのに、初参入でいきなり図書館をツタヤにしてしまい、不要な個人情報の収集を図るCCCを認める理由にはなりません。

図書館運営の実績もノウハウもないCCCが図書館をツタヤにしてしまうことが民間活力導入の良例だというのであれば、断じて図書館に民間活力など導入すべきではないとしか結論付けられません。

しかしそれでは、本当に図書館運営のノウハウを持ち実績を積んできた、図書館をツタヤにしたりなどしない他の民間事業者にとって、妨げにしかならないでしょう。真剣に民間活力の導入を考えるのであれば、武雄市の事例の実態について、冷静に見直すべきです。

悪い例を持ち上げていては、良い例にならい、活用することなどできはしません。

座間市側の対応が冷静に見えるのが幸いでした。

「良例」なのに「ツタヤにすればいいなんて言ってない」

民に任せれば必ず市民サービスが向上するというわけではありません。図書館学には利便性が含まれないと決め付けているのはどうしてでしょう。ようは市民が、図書館か、それとも公営のツタヤか、どっちを望むかって話だと思うんです。

誤解ないように言いますけど、武雄市図書館・歴史資料館だった施設でツタヤがCD・DVDの有料レンタルを行うことを「良例」と言っておられます。様々な選択肢がある中で、どうしてよりにもよってツタヤ化を「良例」とされたのでしょう。これでは、座間市の図書館が同様にツタヤ化されたとしても、やはりそれも「良例」であるとされてしまうと言っているのです。

「大賛成」

一般質問で厳しい財政状況について言及しているのですから、従来よりもさらに予算をかけて図書館を良くしようと主張しているのではないはずです。だのに何故だか「大賛成」なのだそうです。

武雄市では経費削減になりません。
武雄市は図書館・歴史資料館をツタヤにします。
蘭学館はレンタルCD/DVD店舗にされます。ツタヤですから、もちろん有料です。
図書館の一等地をツタヤの本屋とスターバックスにするために、従来の書庫を潰し、二階バルコニーに高さ4mを超す本棚を並べて閉架書庫にもします。

「大賛成」なのだそうです。

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