教育がやばい「掛け算の順序にこだわる教科書」

小学校では掛け算の順序にこだわり、正答しているのにバツが付けられる教育が行われている。そのため子どもは算数が苦手になっていく。 その問題点と背景事情について、東北大の黒木玄さんが解説しました。 黒木玄さんによる特設ページ【算数の教科書とその指導書の問題点】をご覧ください。 続きを読む
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 この話題でよく出て来るのが「数に単位を付けさせれば解決」という意見。でもこれは分数を知らない小学2年生にも通用する教え方について考えなければいけない話なんです。「個/人」のような記号を意味も分からず使わせることにぼくは反対します。続く

2012-12-14 11:46:47
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 あと「個」や「人」は国際単位系の意味での単位ではなく、言語依存の助数詞です。しかし、単位と助数詞の形式的類似性はかなり強烈なものがあるのえ、「7個×6人=42個」のような助数詞付きの式を子どもに見せるのは止めた方が良いと思う。続く

2012-12-14 11:50:01
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 分数を習った後(もしくは単項式の乗法と除法を中学校で習った後)でなら、「7個/人×6人=6人×7個/人=42個」のような教え方をするのは、個人的に良いことだと思っています。助数詞の使用が混乱の原因になると考えている人は反対するかもしれませんが。

2012-12-14 11:52:04
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@kyontaku @ohanami_road #掛算 「一つ分×幾つ分の順序でなければ誤り」という考え方は世間一般の常識では論外のデタラメな考え方だとみなされています。子どもたちにもその事実をしっかり教えなければまずい。続く

2012-12-14 13:23:16
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@kyontaku @ohanami_road #掛算 さらに「一つ分×幾つ分の順序で書く」という前提のもとであっても、「目の数で考えよう。3×2は目の三つある人が二人で6こ。おかしいでしょ?」(単位のサンドイッチ http://t.co/HJlTK02l )と教えるのは論外。

2012-12-14 13:25:48
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@kyontaku @ohanami_road #掛算 たとえば「3人分の目の数」だと「右目が3つ、左目が3つで、一つ分の数は3で幾つ分の数は2」と考えることもできます。これだと「一つ分×幾つ分」で書くと「3×2」となる。別に三つ目小僧を思い浮かべる必要はありません。

2012-12-14 13:27:52
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 小2レベルで理解できる掛算を適用できるかの判定法には「同じ個数を含むグループに分けられるか」だけではなく、「長方形型に並べられるか」もあります。後者の考え方で掛算を導入すれば掛算の交換法則は直観的に最初から自明になる。続く

2012-12-14 13:42:42
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 大事なポイントは完全に同一の掛算に複数の導入法があるということ。そのうちのどれかだけにこだわると当然のことながら掛算の直観的な理解で不都合が生じることになる。現在の算数教育業界の標準は前者の一つ分と幾つ分の考え方に強くこだわる方針になっている。続く

2012-12-14 13:44:52
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 「一つ分と幾つ分」のイメージだけにこだわって掛算を教え続けると長方形の面積を教えるときにも「一つ分と幾つ分」の考え方(同じ個数を含むグループに分けるという考え方)にこだわることになる。実際に算数の教科書をチェックしたらそうなっていた。続く

2012-12-14 13:46:39
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 長方形の面積と相性が良い小2レベルでの掛算のイメージは「長方形型にモノが並んでいれば掛算で総数を計算できる」である。しかし、一つ分と幾つ分の考え方だけにこだわるあまり、そういうイメージをしっかり教えるようになっていない。続く

2012-12-14 13:48:03
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 要するに算数教育業界標準の掛算の教え方は、掛算の順序に無用にこだわるだけではなく、一つ分と幾つ分という考え方にも異様にこだわっているのである。この2つの合わせ技によって掛算の交換法則の意味がものすごく軽視される事態になっている。続く

2012-12-14 13:50:03
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 算数教育では(実は最先端の数学研究においても)単なる形式的理解ではなく、直観的でイメージ豊かな理解が重要視される。それなのに、算数教育業界では、なぜか掛算の交換法則は数の計算だけで形式的に使える「きまり」だということにされてしまっているのだ。続く

2012-12-14 13:51:40
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 掛算のイメージごとに掛算の交換法則の直観的イメージも変わって来る。それらのイメージすべてが物事を考えるときに役に立つのだ。長方形のイメージでは交換法則はどちらの方向から見るかの違いに過ぎない。続く

2012-12-14 13:53:54
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 一つ分と幾つ分のイメージでは、交換法則は一つ分と幾つ分の立場をいつでも自由に交換できることを意味している。しかし、このようなことは教えられていない。この事実を教えてしまうと、文章題で掛算の順序が逆なときにバツを付けることは不可能になるだろう。続く

2012-12-14 13:56:28
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 長方形型にモノが並んでいるとき一つ分と幾つ分の考え方を経由せずに直接掛算を使ってよいことを日本の算数教育業界は教えない方針。それが原因で、長方形の面積を辺の長さが1cmの正方形の個数によって導入するときにも、一つ分と幾つ分の考え方を使う。続く

2012-12-14 14:00:06
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 業界標準の流儀では、1cm^2の正方形を縦方向にグループ分けして、縦の一つ分の4個が横に3つ分のように考えて長方形の面積を導入するのである。長方形の面積も掛順こだわり教育の一部である一つ分と幾つ分の考え方を経由して導入される。続く

2012-12-14 14:02:21
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 このことを知っていれば、算数教育業界標準を誤解して、「長方形の面積は縦×横であり、横×縦は誤り」だとする誤解が生まれる理由が少しわかるような感じがする。掛順こだわり教育批判の観点から日本の算数の教科書をチェックするとおかしな点がたくさん見付かる。続く

2012-12-14 14:04:33
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 実は問題があるのは、掛算だけに留まらない。足算や引算や割算についても、算数教育業界独特のスタイルがあって、直観的で自然なイメージがすべてねじまげられてしまっているのだ。興味がある人は地方図書館などで算数の教科書をチェックしてみると良いだろう。

2012-12-14 14:05:50
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 日本の算数教育業界の独特で奇妙な教義たちは、子どもたちを苦しめる以前に、算数を教えている側の大人たちを苦しめ誤解させているのではないか?算数教育業界についてもっと詳しく調べる必要がある。まだわかっていないことが多い。

2012-12-14 14:14:04
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