2010年の8/15

@masanork@toriyamazineの会話。宮城事件の解説、当時の陸海軍の官僚主義、教科書裁判。
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Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

この日には何度でも読み返したい良エントリ / 極東ブログ: 終戦記念日という神話 http://htn.to/7RnP2

2010-08-15 23:22:13
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork 宮城事件のきの字も載っていない素晴らしい文章で失笑しました。こうやって歴史は歪曲されていくんですね。

2010-08-16 00:29:32
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine うーん、論点はそこではない気もするんだけど宮城事件を扱っていないと論旨としてどうまずいんでしょうか

2010-08-16 00:30:52
鳥山仁 @toriyamazine

masanork氏のツイートから「終戦記念日という神話」という文章を読み、8月15日を巡る最大のクーデターである宮城事件の記述が一切無いことを知って爆笑。確かに、宮城事件がなければ8月15日に意味なんてないわな。こうやって、都合良く歴史は歪曲されていくワケだ。

2010-08-16 00:33:04
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork 当然でしょう。陸軍の高級官僚が昭和天皇を監禁・殺害しようとしたクーデター事件ですよ。これを書かなければ、天皇独裁で太平洋戦争が進行したという印象になります。

2010-08-16 00:35:41
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork 正確には、当時の陸軍大臣だった阿南一派が計画したクーデターですが、これを巡る攻防が終戦に至る方向性を決定したわけで、記載漏れが許されるはずがありません。

2010-08-16 00:37:08
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork ついでに、沖縄戦が9月まで終結しなかった理由ですが、現地司令官の牛島満、長勇が降伏せずに自殺したのが原因です。戦闘中の降伏権は現地司令官にあります。降伏後に戦犯裁判にかけられるのを嫌っての自殺ですが、恥を知れといいたい。これもあの文章には書いてありません。

2010-08-16 00:42:29
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine なるほど勉強になります。戦前の軍隊というのは負け方について何も教育してこなかったのでしょうか。或いは誤った教育をしてきたとか。他に選択肢を与えないでコントロールしようとして結果として硬直してしまうのは、現代に通じる宿痾がありますね

2010-08-16 00:45:27
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork いや、それ以下です。当時の陸軍高級官僚はドイツ・ソ連系の社会主義と東大の平泉澄教授の影響下にあり、天皇が自分の意のままにならない場合は殺害、あるいは首をすげ替えても良いという考え方が主流でした。

2010-08-16 00:51:50
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine なるほど。恋闕(ATOKでも変換できなかった)だとか、あの時代の議論って倒錯し過ぎていて私にはどうも理解できないんですよ

2010-08-16 00:53:58
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork この平泉澄の直径に当たる歴史学者が教科書裁判で有名な家永三郎で、当時の日本陸軍の歴史観を知りたければ、家永の日本史を読むとアウトラインが理解できます。そして、当時の陸軍を支持していた政党は社会大衆党という社会主義政党です。

2010-08-16 00:55:08
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine 家永三郎というと教科書でしか読んだことなくて、教科書検定に反対した左派って印象だったのですが、そういう顔も持っていたのですねえ

2010-08-16 00:57:12
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork このあたりの事情をお知りになりたければ、『国防の本義と其強化の提唱』という当時の陸軍が出したパンフレットについて検索をされると良いと思います。あ、一応念のために言っておきますが、私は皇国史観は全然信じていません。そこの所は、誤解の無いようにお願い致します。

2010-08-16 00:58:09
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork ええ、そうなんですよ。平泉→家永のラインが分かると、戦前の軍国主義の本質が分かります。国民には天皇崇拝を押しつけて、本人たちは「天皇は暗愚」と公言して憚らない連中でした。このせいで、戦後の戦前観に大きな混乱が生じています。

2010-08-16 01:01:33
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork 最後になりますが、ダラダラ駄文を並べてしまって申し訳ありませんでした。

2010-08-16 01:03:50
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine この日になると終戦特集が目白押しで教科書の記述とかも戦前戦中に対して割と注意深く書かれているにも関わらず、実は軍国主義の内実なるものを殆ど理解できていないというのは、また同じように突き進む虞があって怖いですね。いえいえ勉強になりました

2010-08-16 01:05:12
鳥山仁 @toriyamazine

@sakichan @masanork平泉の悪行は、教育史から隠蔽されています。このため、日本の教育史を普通に勉強しても、何で戦前に極端な天皇崇拝が強要されたのかが曖昧になってしまっています。

2010-08-16 01:11:55
鳥山仁 @toriyamazine

@sakichan @masanork ポイントになるのは、平泉学派の天皇崇拝は、良く読むと天皇を官僚が操り人形にしろと言う内容で、要するに天皇をお飾りにして官僚の行政裁量でやれという主旨だということです。ところが、末端の国民には、これが天皇の命令に見えるわけです。

2010-08-16 01:13:48
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine そう、その辺は割と興味があるのですが、どうしても分からないのです。陸軍による用紙割当と実は業界カルテルだった検閲とかは割と新書とかでも整理されてるのですが、皇国史観のイデオロギーを部分的に紹介した本はあれど教育が偏向していく構造が分からず

2010-08-16 01:15:15
鳥山仁 @toriyamazine

@sakichan @masanorkこれが原因で、平泉は戦後も高級官僚から重用され続けることになります。こんなに官僚にとって都合の良い学説を放っておくわけがないですよね。究極の御用学者だったんじゃないでしょうか?

2010-08-16 01:16:19
Masanori Kusunoki / 楠 正憲 @masanork

@toriyamazine 明治維新そのものが割とそういう構造も持っていたようにも見受けられるのですが大正末期から暴走していくのは何故でしょう。あと天皇機関説があれだけ糾弾された理由も分からず。その話は平場で罷り成らぬってことでしょうか

2010-08-16 01:17:30
SAKIYAMA Nobuo/崎山伸夫 @sakichan

@toriyamazine @masanork なるほど、教科書裁判自体、平泉門下でありながらその後違う方向に行った家永と、平泉の忠実な弟子であり続けた教科書調査官たちとの対立、としても読めそうですね…。

2010-08-16 01:21:35
鳥山仁 @toriyamazine

陸軍限定ですが、理由は大きく分けると2つあり、1つはドイツ式の軍事・社会制度に傾倒したことと、もう1つは陸軍幼年学校が2世軍人官僚を輩出しやすい制度になっていたからで、これもドイツの間接的な影響です。この悪癖は、既に日露戦争の時から出ています。

2010-08-16 01:21:47
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork 昭和天皇は反ソ(ソビエト共産党がロマノフ家を惨殺したから)、親英(ヨーロッパに行った時に好きになった)派であったのに対し、陸軍は親独、場合によっては親ソですから、政治的な対立は避けられません。

2010-08-16 01:24:43
鳥山仁 @toriyamazine

@masanork でも、決定的になったのは2.26事件からで、これで陸軍に対する国民の信頼は地に墜ちました。これ以降、軍が主導的に国民に訴えかけても国民の支持を得ることはできず、天皇の名を借りて命令を下さざるを得ないと言う状況に陥ります。これがターニングポイントだと思います。

2010-08-16 01:26:52