茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第810回「マリリン・モンローと、小沢一郎」
- toshihiro36
- 5528
- 0
- 0
- 10
まお(1)昨日、マリリン・モンローの話をしていて、マリリンは本当は知的で、社会的な意識も高い人だったのだけれども(差別や偏見の問題について、とても敏感で、インタビューに対してそんな答えもしていた)、そのような本当の姿を、ついに出せずに終わってしまったと。それで、ああと思った。
2012-12-20 07:03:39まお(2)マリリン・モンローの本名は、ノーマ・ジーン。母子家庭で育ち、養子にも出されて、苦労してモデルになった。本当は金髪ではなかったけども、染めて金髪にした。ブロンドの、セックス・シンボルという位置づけで、大成功。映画史に残る、数々の傑作に出演した。
2012-12-20 07:05:14まお(3)マリリン・モンローの成功は、世間にあった「おばかなブロンド美人」(dumb blonde)というステレオタイプにはまったことが、原因だった。その意味では、ノーマ・ジーンとマリリン・モンローは別の存在だったのかもしれない。一度イメージが固まると、それが自己増強する。
2012-12-20 07:06:41まお(4)ノーマ・ジーンは、世間の中にあった、おばかな金髪美人が見たいという欲望を満たすかたちで、「マリリン・モンロー」になることで成功した。問題は、世間というものが、一度そのイメージで満足すると、それ以上その人の真の姿を見ようとしない怠惰な存在であるということだ。
2012-12-20 07:07:58まお(5)アメリカだけの話ではない。日本でもそう。世間に、陰で権力をあやつる、ダーティーな闇将軍、キング・メーカーという政治家のステレオ・タイプがある。かつてそれを満たしたのが田中角栄さんで、近年では小沢一郎さんだった。一度そんなイメージが出来ると、世論は怠惰だ。
2012-12-20 07:09:10まお(6)私はノーマ・ジーンには会ったことがないから、その真の姿は残された資料から想像するしかない。一方小沢一郎さんには何度も会って、理論整然として、理想に満ち、ある意味では少女のような感性を持った人だということを知っている。しかし、相変わらず世間は「ダーティー」というイメージ。
2012-12-20 07:10:44まお(7)おばかな金髪美女というマリリン・モンローのイメージがアメリカで大ヒットしたように、闇で権力を操るダーティーなおやじというイメージは、日本における大ヒット商品なのだろう。そこにたまたま小沢一郎さんがはまった。そして、一度はまると、怠惰な世論は自らを省みない。
2012-12-20 07:12:10まお(8)街を歩き、人々の話を見聞きすると、相変わらず小沢一郎さんをダーティーな権力者と決めつけ、「小沢一郎だからな」「小沢一郎じゃダメだ」などと言っている。そのような自己反省しない怠慢な世論に、私は決して同情も応援もしないが、一方で人間とはそんなものだと諦めてもいる。
2012-12-20 07:14:12まお(9)世論には慣性の法則がある。ネットメディアの台頭で少し改善される気配が出ているのは良いことだ。一度できたイメージはなかなか変わらないが、私個人は、「マリリン・モンロー」よりも「ノーマ・ジーン」に、「小沢一郎」よりは「小沢一郎」に寄り添う人生であり続けたいと思う。
2012-12-20 07:15:32