その人そのものを見つめる目

結果ではなく、がんばったことを見てくれていたという経験、その頑張りを認めてくれたという喜びは、決して挫けずにがんばろうという勇気を与えてくれる。「悲運の英雄」しか愛さない日本の伝統は、そもそも結果ではなく「逃げないこと」をたたえてきたのだ。単純な競争原理では、学歴や肩書きなど、結果ばかりをほめることになり、為すべきことを為さずに逃げ出す人間を増やさないか。そのことを懸念して、まとめてみた。
1
shinshinohara @ShinShinohara

近所の方が「あんた、ようがんばったね」と涙を流しながらお祝いを下さった。母の大病で、家事をしながら受験勉強していた様子を知っていた。第2希望の合格だったが、見てくれていた人がいた、というだけで苦労が報われる思いだった。そのときのお祝いは今も大切にとってある。

2012-12-25 18:26:22
shinshinohara @ShinShinohara

翌年、第1志望に合格した。みんなが「おめでとう」と言ってくれたが、前年に私のために流してくれた涙に勝るものはなかった。大学名ではなく、その人がどうがんばったか。それを見てくれている人がいるということがいかに尊いか。それ以降、私は学歴や肩書きでものを言う人が好きになれなくなった。

2012-12-25 18:31:26
shinshinohara @ShinShinohara

私の同級生で、成績優秀ながら家庭の事情で進学ができなかった友人がいる。私よりも人格に優れ、能力も比べものにならなかった。だが、彼らは家族を愛するが故に、がんばっているが故に進学しないことを選んだ。学歴や肩書きは彼らの頑張りを映すものではない。彼らそのものを見なければ分からない。

2012-12-25 18:37:20
shinshinohara @ShinShinohara

「第1希望の○○大学に入れて嬉しかったやろ」と言われても、微妙だ。たとえ第2希望であっても、家庭の問題を疎かにせず、苦闘する様子に「よく頑張った」と声をかけ、涙を流してくれたことの方が、心から嬉しかった。大学名だけ見て評価する声には、ひどく冷めた気分しか湧かない。

2012-12-25 18:46:16
shinshinohara @ShinShinohara

学歴や肩書きを評価する人は、私が零落したときに見下すようになるだろう。学歴や肩書きなど関係なしに、私がどれだけがんばったか、苦労から逃げなかったかを見てくれている人は、私の成功も喜んでくれるだろうが、たとえ私が零落してもつきあいをやめないだろう。どちらの方が価値あるだろうか。

2012-12-25 18:51:16
shinshinohara @ShinShinohara

学歴も肩書きもないが、とてつもない人が世の中にはいる。苦難から逃げ出さず、愚痴も言わずに、己のなすべきことをなしてきた、とてつもない人が。私は愚痴を言うし、苦難から逃げることもあるし、なすべきことをサボることもよくある。情けなや。私などまだまだだ。

2012-12-25 18:58:53
shinshinohara @ShinShinohara

せめて私は、その人自身の頑張りを見る人間でありたい。私のために流してくれる涙がある、という衝撃は、それだけで生きていてよかったと思えるほどのものだった。私は誰かにとって、そんな人になれるだろうか。

2012-12-25 19:00:57
shinshinohara @ShinShinohara

いわゆる競争原理は、学歴や肩書きの獲得を目的とすることが多い。私には価値があるように思えない。苦難から逃げず、愚痴も言わずに為すべきことを為す。その方が遙かに尊い。国の底力も遙かに強くなる。学歴や肩書き競争は表面だけを取り繕い、他人を踏みにじる人間ばかりを増やさないか。

2012-12-25 19:16:31
shinshinohara @ShinShinohara

苦難から逃げない人間は、失敗しても挫けることがない。為すべきことを為す人間は、その人のたどった道に疎かになったものは何一つ落ちていない。競争原理で学歴や肩書きを追う人間のうしろには、踏みにじった他人の心や疎かにした「為すべきこと」が転がっている。国の礎はどちらだろうか。

2012-12-25 19:19:30
shinshinohara @ShinShinohara

苦難から逃げない人間は、失敗しても挫けることがない。為すべきことを為す人間は、その人のたどった道に疎かになったものは何一つ落ちていない。競争原理で学歴や肩書きを追う人間のうしろには、踏みにじった他人の心や疎かにした「為すべきこと」が転がっている。国の礎はどちらだろうか。

2012-12-25 19:19:30
shinshinohara @ShinShinohara

競争原理よりも苦難から逃げない心を。学歴や肩書きより、為すべきことから逃げない勇気を。日本人はそうだったではないか。日本の英雄はすべて悲運に倒れているが、それは偶然ではない。為すべきことから逃げなかった人を称揚する文化が、日本には根付いていた。学歴や肩書きなど、つまらぬ。

2012-12-25 19:21:42
shinshinohara @ShinShinohara

競争原理を進め、学歴や肩書きばかりを追い求めるようになれば、日本の美質は損なわれること甚だしいだろう。苦難から逃げる人間ばかりとなり、成功のために小ずるいことも辞さない人間ばかりとなるだろう。この国を弱体化させてしまう。愚かな話だ。単純な競争原理ではダメだ。

2012-12-25 19:24:48
shinshinohara @ShinShinohara

苦難から逃げないこと。為すべきことを為すこと。そして、周りにいる私たちは、その頑張りを認めること。結果ではなく、その頑張りを。頑張りさえあれば必ず突破口が開ける。そういう人ばかりの国は、しぶとい。日本はかつてそうだった。苦難から逃げない人、為すべきことを為す人を称揚しよう。

2012-12-25 19:26:39