ライスのアニメ感想:#197 serial experiments lain (12)

serial experiments lain の12話感想です。 玲音とありす。電脳と現実。 玲音と英利。プログラムと神。 少女と亡霊。心と肉体の実存は。
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テリー・ライス @terry_rice88

serial experiments lain layer:12「Landscape」文字通り「世界」を動かせるようになった玲音。一方でありすはその事実に恐怖しながらも、玲音の本質をきちんと捉えて、手を繋ごうとする。英利はありすと玲音を引き裂こうとするが逆に自らの本質を脅かされる

2012-12-25 23:28:01
テリー・ライス @terry_rice88

終盤のサブタイトルの入りが素晴らしくかっこいいのが目を引くけど、やっぱりありすという現実が玲音を引っ張ってくれたことに安堵を覚えるというべきか、彼女と玲音はただ唯一の友情で結ばれた関係なのだという事か。まだ危うい関係性ではあるけど、それが玲音のバランスなんだろうと思う。

2012-12-25 23:30:48
テリー・ライス @terry_rice88

プロコトルセブンが世間に公開されたことで現実とワイヤードを自由に情報(精神)が行き来できるようになって、境目がなくなってしまった。故にその間にどちらにも寄らず存在していた玲音がとてつもなく大きくなっていく。現実とワイヤードを侵食して行くと。それは英利の仕組んだ事だともいえるが。

2012-12-25 23:33:40
テリー・ライス @terry_rice88

英利はプログラムである玲音を従えて、自分が「神」になろうとした。肉体から解き放たれた電脳精神体である彼は自らを上位者として君臨しようとしていたわけであるが、それゆえに玲音を「道具」としてしか見ていなかったということなんだろう。終始、律する生命としては見ていなかったという事かな。

2012-12-25 23:40:53
テリー・ライス @terry_rice88

ありすは巨大化する玲音、指先一つで情報を改竄し、「何事もなかった」世界にしてしまう事の出来る彼女に対して、恐怖を感じながら、それでも人間「岩倉玲音」として信じようとした。玲音自身、境目がなくなってどちらに軸を据えるかの瀬戸際で、手を差し伸べるありすを見たわけだな。

2012-12-25 23:44:36
テリー・ライス @terry_rice88

たとえプログラムであろうと現実とワイヤードの世界に介在していた情報体であろうと、現実に存在している人間であるという事に、玲音自身がありすを通じて自覚する事で、英利から解き放たれたということなんだろうなあ。うーむ、やっぱりこの作品、予想しても無駄だな、やっぱりw 振り回されてるなあ

2012-12-25 23:47:50
テリー・ライス @terry_rice88

さて、肉体を失い、ワイヤードに漂うデータとなってしまった英利が玲音の反抗を見て、狼狽するんだがそもそも彼の発見したそもそもの「玲音」とは一体誰が造ったのだろうか?という話に。劇中でもあるようにまさしく「神」の存在が仄めかされたんだろうと思うが、この作品における神とは一体。

2012-12-25 23:51:20
テリー・ライス @terry_rice88

恐らくその姿は出てこないだろうが、続ける。点の戯れのように玲音は創造されたんだろうと思われる。それを英利が発見して、発展させていったのが今の玲音ということなんだろう。少なくとも現実の肉体をやったのは英利である。計算では出来ないイレギュラーな可能性すらを試そうとしたという事か。

2012-12-25 23:57:20
テリー・ライス @terry_rice88

英利の過ちはまずそこにある。単なるプログラムであった玲音に自立進化を促すような言葉や感情、振る舞いをさせ、学校に通わせた。むろん思春期は心身ともに揺れ動く時代でもあるから。玲音はどこに自我を確立させて行くかの興味は常に持って見てくべきなのだろうと。そう、「情報」が自我を持った。

2012-12-26 00:17:42
テリー・ライス @terry_rice88

自我を持った情報プログラムとして構築されたレインは英利の手によって、肉体を持ったことで「岩倉玲音」として存在を得た。逆に元々人間であった英利政美は、自らの死を持って、精神をワイヤードに閉じ込めた事で「亡霊」となった。つまり形のないものと化した。相対的に見てどちらが強いかは明白かと

2012-12-26 22:26:27
テリー・ライス @terry_rice88

であるから、真の「神」の存在が仄めかされた事で、英利の自我が揺らいでしまったんだろうなあ。それこそ、人間の持つ情報をワイヤードに流し込んで、生き永らえようとする事に絶対の自信を持っていたので、そこが揺らいでしまうと、今回のラストのように暴走してしまうという事かな。肉体は器である。

2012-12-26 22:28:58
テリー・ライス @terry_rice88

精神と肉体。どちらが欠けていてもダメって事なんだろう。そも存在としてのヒトの心を留めているのは明らかに肉体なんだろう。器といったのはまさしくそこなわけで。器が失った瞬間、とめどなく拡散を始める。抑制も効かず、自我を保っているようで、実は薄らいでいっている事に気付かない。

2012-12-26 22:32:16
テリー・ライス @terry_rice88

自我と別の余計な情報が入り込んで、自らを形成する密度が、大きくなればなるほど、その割合が薄くなっていくってことだろうなあと。だから最後の英利の状態ってかなり危険なんだろうなあと思う。一方で玲音はありすと肉体が繋ぎとめているので伸縮自在な機能を持っているということでいいんだろうか。

2012-12-26 22:34:39
テリー・ライス @terry_rice88

さて、それ以上にあの黒スーツのお兄さん方が哀れな末路となってしまったように現実とワイヤードの境目がなくなってしまったことで(玲音から)逃げ場のない世界が広がってしまう事も話に含みつつ、次回最終回か。まだ現実そのものが仮想世界説も捨て切れてはないと思うんだが、どうなんだろうなあ。

2012-12-26 22:38:07
テリー・ライス @terry_rice88

玲音はどうなってしまうのか、英利は?ありすが玲音の友達のままで正気を保っていられるのかどうかとか、色々あるんだけど。腰をすえて最終回に望みたいなあ。今年最後のアニメ感想になりそうだし。しかしこの作品のごろっとしたインダストリアル感は全編通じて非常に面白いなあと。電線を始めとして。

2012-12-26 22:42:03
テリー・ライス @terry_rice88

というわけで次回最終回感想。もう話の予想なんかあんまり意味ないかもしれない。ただ画面に映る物語と映像を座して見守りたい。そしてそこに至る結末に臨むとします。そんな感じで今回の感想は以上です。どうもありがとうございました。また次回に。

2012-12-26 22:44:26

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