物権変動:「……後の第三者」と呼ばれる問題について

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shoya @sho_ya

物権変動について一言。判例は,「……後の第三者」と呼ばれる問題については原則的に民法177条を適用します(例外は相続放棄後の第三者等)。つまり,判例は「……後の第三者」の問題については,いわゆる公信問題ではなく対抗問題として捉えています。では,なぜ,対抗問題と言えるのか?

2010-07-28 22:27:32
@deneige428

@sho_ya その点については,大学の授業では納得がいかず,辰巳の加藤晋介先生の説明ですっきりとしたなぁ,学生時代。

2010-07-28 22:32:13
shoya @sho_ya

@deneige428 誰もが一度陥る論点ですよね(^^;)

2010-07-28 22:41:41
shoya @sho_ya

換言すれば,判例は,なぜ「……後の第三者」については原則として遡及効を貫徹しないのか(無権利者からの譲受人と評価しないのか)。この点については様々な説明がありますが,私が一番説得的だと感じる見解は,規範の”衝突”を調整した結果であるという見解です(学説の名前は失念しました)。

2010-07-28 22:33:00
shoya @sho_ya

この見解については,横山美夏先生の論文が分かりやすいのですが……肝心のその論文を収録した書籍が自宅にはありません(>_<)。 たしか,『新・不動産登記講座2』だったと思います http://ow.ly/2hJgZ 私の学生時代は,敬三先生もこの見解を支持していました(多分今も)。

2010-07-28 22:38:01
shoya @sho_ya

自分が学生時代に作成した物権法のノートを久しぶりに読んだら,規範構造説について,偉そうに次のように説明してました。冷汗三斗。「この見解は、『なにが「対抗問題」かを予め決めることはできず、登記の先後によって権利の優劣を決めるのが適当であるような問題をそう呼ぶべき』(星野)とする。」

2010-07-28 22:51:07
shoya @sho_ya

続き。「裏を返せば、『物権変動の原因規範の趣旨から、取引安全を害してでも、物権変動の結果――物権の取得・物権の喪失――の対外的主張(無権利の法理の貫徹)を認めることが要請される場合は、177条は適用されない』(山本)。」

2010-07-28 22:51:51
shoya @sho_ya

そして,規範構造説の参考文献は,舟橋=徳本編『新版 注釈民法(6)』(有斐閣、平成9年)469頁以下,横山美夏「『対抗スルコトヲ得ス』の意義」『新不動産登記講座・第2巻』(日本評論社、1997年)6頁以下、山本敬三『民法講義ノートⅡ』29頁、星野英一『民法概論Ⅱ』53頁とのこと

2010-07-28 22:55:06