【持ち上げて】 第二次安倍政権にハネムーン期間がないのはなぜか? 【梯子を外す】
口の中に握り拳大のぶよぶよしたものが生えていて、舌や歯でもぞもぞやってももぎ取ることができず、噛みつぶすと中から鉄錆味のしょっぱい汁が出て来そうで、どうにもこうにももてあます、という夢を見て今さっき目が覚めましたおはようございます。
2012-12-28 06:10:38ここから本題ですヽ(´∇`)ノ
過去、「まずは勝ち馬の尻馬に乗り、一緒に勝ち馬に乗った多数を褒めそやしていい気分にさせる商売(ハネムーン期間)」をした後に、「我々は騙された被害者」というキャンペーンに乗り換えて、再び大多数の被害者の会の糾弾側代表になる、というビジネスモデルがずっと使われてきた。
2012-12-28 06:13:14報道も一民間私企業であるわけで、「できるだけ多くの顧客の協調、或いは手堅いリピーターによる確実な購読」を狙った商売であることを考えた場合、前述の「勝ち馬に乗じて持ち上げ、被害者の会の代弁者になる」というビジネスモデルは鉄板だったと思う。公式は同じで代入値を入れ替えるだけで使えた。
2012-12-28 06:14:50今回の安倍政権は「過去に糾弾して追い落とした総理」の復活第二幕になるわけだが、有権者の多数派が乗じた勝ち馬を持ち上げるというビジネスモデルは、「最初からやらない」と決め、「被害者の会の代弁者」という後期モデルを先んじて始めた。
2012-12-28 06:16:25記憶にある限り、一民間私企業である報道各社が「目に見えてわかる多数派への同調」というビジネスモデルから離れたのは初めてじゃないかなと思う。これは「選挙を与党に勝たせた多数派」を、多数派と見なさない、認めない、潜在的多数派はそれを上回るはず、という見込みからくるのかもしれなひ。
2012-12-28 06:18:23また、第二次安倍政権=「第一次安倍政権からの続き」であり、第一次を貶した手前、第二次を持ち上げるわけにはいかなくなっている、ということでもあろうか。だから、2013年は2007年の続きであって、2007-2012の5年間を【なかったこと】にする、という形で巻き戻すというプランかも
2012-12-28 06:20:16この2007(第一次安倍政権退陣)-2009(民主政権成立)-2012(民主政権崩壊)の5年間をなかったことにすると、「政権交代素晴らしい」と持ち上げた過ちも【なかったこと】にできる。が、これは「マスコミの失点を拭いさる」とかそういうことではないと思う。
2012-12-28 06:21:412007-2012の失敗をなかったことにできれば、「民主党に騙された可哀想な被害者」として自信喪失した、2009年の民主党に投じた人達の「後ろめたさ」を帳消しにして慰撫できる。威勢良く、後ろめたさなく、自民を批判する正義の(側の)味方というポジションを、大多数の有権者が回復できる
2012-12-28 06:23:05ここで取り違えてはいけないのは、「自身を喪失して気まずい」のはマスコミではない、ということ。一民間私企業が行う「報道という産業」は、不特定多数のユーザーに訴えかけて彼らの中にある共通項・同調旋律を奏でて、その軸になる情報や解説を【売る】というビジネス。
2012-12-28 06:24:51なので、「お客さんができるだけ多いマーケットを見つける、作る」ということが重要になる。「有権者が安倍政権を望んで自民に投じたから安倍政権ができた。顧客の多い市場は与党支持の有権者である」というのが過去のビジネスモデルでの前提だったけど、今回はそう見なかった。
2012-12-28 06:26:16「政権交代という画期的な解決策を選んだのに、民主は期待通りではなかった。かといって民主を選んだ自分(有権者自身)も責められないから、失敗そのものの存在を忘れてしまいたい。故に、07年まで巻き戻しそれ以降の期間はなかったことにしたい」だから、07年の続きとして安倍政権を批判する。
2012-12-28 06:27:39つまり、リセットボタンを押して、その後の「間違えた選択肢による間違えた未来」そのものをなかったことにすることで、「間違えた大多数の有権者の後ろめたさ」を払拭できる。故に、「安倍政権を持ち上げず、民主政権を選んだ間違いをなかったことにする」という路線が、顧客に受けると踏んだのでは。
2012-12-28 06:28:57ドンと儲けられるというほどに、有権者の嗜好性がシンプルではなくなってきている。「中には聡い輩も増えた」というのは、過大には評価しないものの事実としてあるだろう。報道という産業は「無知に知を与える。その駄賃を受け取る」というビジネスなわけだから、無知が多いほうが儲かる。
2012-12-28 06:31:27でも、無知が減ったりとか、もしくは「既に別の何かで知を満たしている」とか(それが正しいかどうかは別として)、報道各社が卸売りする情報では顧客が満足しないとか、そういうことが目立ってくるようになると、各社の【売上げ】が落ちる。つまり、産業としては斜陽に向かってしまう。
2012-12-28 06:32:39マスコミ=報道という産業は、繰り返すけど「受けそうな情報を顧客に販売するビジネス」である。社会正義とか社会のどんたくとか、あのへんは方便に過ぎない。そして、ビジネスであるからには悪意や理念よりも、「儲け」が優先する。儲けのアテなしで理念のためだけに金をドブに棄てる余力はないので。
2012-12-28 06:34:25といったわけで、今次の「持ち上げないで最初から落とす」という路線に対する理解としては、過去5年間の間違えた選択の結果を、なかったことにしたい層(報道産業の顧客層)に対する【慰撫】だと思う。「お前は間違えたのだ」という総括をせずに「間違えた事実」を忘れさせるというチョイスだと思う。
2012-12-28 06:36:53ある朝、目が覚めたら2007年に戻っていた。まだ2009年の失敗した選択を選んではいなくて、自分達をその後騙すことになる民主党は瓦解してほとんどなくなってた。だけど自民は07年の党勢に戻ってる。さあ、ここから貴方がすべき「今度こそ正しい選択は?(民主以外)」というシナリオ。
2012-12-28 06:38:19「あのとき自分は失敗したけど、もう一度あのときに戻ってやり直せるなら、もっといい選択が出来たはず」っていうのは、タイムリープもののSFの定番テーマだけど、第二次安倍政権貶しっていうのは、09年に間違え12年に負け犬になった有権者を07年に連れ戻してやり直させるってことだと思う。
2012-12-28 06:39:57有権者=報道産業の顧客層の側にしてみれば、「民主や報道に騙された」という自分を被害者にする意識をさらに遡って、「そもそもあれはなかったこと」にでき、なおかつ07年の「悪い自民を批判する」という有頂天気分の辺りまで遡れることになるわけだから、ウケはいいはず――っていう。
2012-12-28 06:41:35結果が出ないうちの優越は気分がいいが、失敗者を怒りを伴って糾弾するのも気分がいい。従来、選挙直後は「結果が出ないうちの優越」という快楽をくすぐるビジネスをしてきたのを、今回は最初から「失敗者を糾弾する側の正義感」をくすぐるほうに舵を切ってる。
2012-12-28 06:43:36優越者の快楽をくすぐるより、糾弾者の正義感をくすぐるほうを先行させようとしてる理屈については、先述の通り「失敗の経験をなかったことにする」というのが大きいと思うけど、同時に「不特定多数が特別な技術や知識や経験なしに楽しめる娯楽」=正義の味方だからだろうとも思う。
2012-12-28 06:45:09誰かを批判する側になる、無知でも無経験でも不公平に対する不満を爆発させるのは善意に基づく正義の側に立てる。具体的な対策などなくても貶すことで正しい行いをしたような錯覚を持つことができ、日々の溜飲を下げられる。そういう需要は大きいから、「怒るための燃料を供給する」という商売は儲かる
2012-12-28 06:46:51そして実際のところ、「自分は悪くなかった」「自分は善意に基づいているのだから間違えても赦される」と人は自分を赦したいものであるわけで、「その通り、仕方が無かった。気の毒なのだから許される」と言ってくれるものは支持を受ける。つまり――売れる。そういう産業なのだと思う。
2012-12-28 06:49:15確かにそういう「報道という商売」の存在=情報の大量提供者/選別者が、民主主義の正常な運用(正しい前提に立つための判断材料としての情報の摂取)に不可欠であるのは間違いない。が、ある意味では、報道という商売は極めて民主的で民主主義に忠実と言えんこともない。
2012-12-28 06:51:17