「はやぶさ2」が目指すものは何か
@hirokagi はやぶさ2サンプルリターン計画は宇宙科学の重要なひとつの柱という位置づけで進めていきます.始源物質(特にCHON系の宇宙低温物質)から得られる情報は銀河と私たちの太陽系を結びつける貴重な役割を果たすはずだと考えています.
2012-09-15 00:58:33「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ,試料採取機構(サンプラー)がこのように変わります(↓).工学PI澤田さんの解説.多くの方の尽力で前に進んでます:http://t.co/11siD7em http://t.co/HMEoc6yF
2012-10-14 06:11:34帰札.マントル掘削研究会で「はやぶさ2」講演のありがたい機会をいただく.半日,研究会で勉強させていただき,マントル掘削も惑星探査も未踏の地からのサンプルリターンという点で共通点が非常に多いことを学ぶ.
2012-11-09 22:16:27週末の講演会・科学教室,「はやぶさ2,楽しみです」「はやぶさ2,がんばってください」「どうしたら,はやぶさ2に関われますか」「はやぶさ2 みたいな探査機をつくりたいです」などなど応援のお言葉を沢山いただいた.ありがたい.
2012-11-19 07:01:44大分到着.雪の札幌から比べるとなんと暖かいことか.別府へ移動して,宇宙科学技術連合大会で「はや2」サンプラーの発表.http://t.co/ocSHhYAJ
2012-11-22 11:26:42明日からフランス国立宇宙研究センター (CNES) で欧州小惑星サンプルリターン計画 MarcoPolo-R に向けた宇宙化学会議.MP-R は ESA の2020年代前半の中型ミッション最終5候補の1つ.「はやぶさ2」というお題で呼んでいただいたので発表してくる.2+1>3.
2012-12-16 05:48:57パリ午前4時.時差調整する気がないので,昨夜も今夜も丑三つ時に寝覚めてそのまま.モーリス・ルブランを読もうと思いながらも,たまったメール処理など.MarcoPolo-R会議での「はや2」発表,好評で安堵.HY2 もタイトなスケジュールや来年度予算など障壁は様々.乗り越えないと.
2012-12-18 12:14:37「はやぶさ2」は「生命の起源を探る」のではなくて「生命材料物質 (有機物) が地球にもたらされる前の最終進化を探る」ミッション.太陽系初期に惑星の材料となった微惑星が何者であったのかを明らかにするという目的も当然ながら.
2012-12-28 07:32:14@uekenwrx 100ミクロンサイズ粒子から天体表面の平均的描像をさぐることになります.μCT にはぜひ活躍いただきたいので,どうぞよろしくです.
2012-12-30 13:04:32「はやぶさ2」の科学的意義に関する連ツイ
【まとめ】サンプルリターン探査は宇宙科学におけるエポックメーキングな発見をもたらしてきた.月マグマオーシャン,初期太陽系大規模物質循環,太陽の酸素同位体組成,太陽系史にわたる小惑星の活動.「はやぶさ2」がめざすものはなにか.(1/10)
2012-12-30 12:48:52分子雲から惑星系へと大きな構造変化を遂げる途中の過程が初期太陽系円盤.分子雲収縮から 1億年の内には惑星系がほぼ完成.太陽系の年齢を1年にすると最初の1週間の出来事.この激動期を記憶しているのが,太陽系初期に形成以来,融けることのなかった小惑星.(2/10)
2012-12-30 12:49:16地球には小惑星物質が隕石として降ってくる(それを実証したのが「はやぶさ」).隕石から太陽系初期の様々な出来事が解読されている.最近の注目は地球外有機物.分析手法も進歩し,多様な情報が引き出されつつある.(3/10)
2012-12-30 12:49:32有機物は分子雲のような低温環境でつくられ,初期太陽系円盤の高温過程や小天体内部で熱や水が関わるプロセスまでその組成や構造を変えながら,生き残り,太陽系初期の構造変化に伴う物理化学条件変化を広範囲で記憶.(4/10)
2012-12-30 12:49:57有機物を形づくる元素は宇宙での存在度が非常に高い C, H, O, N.ALMA などで観測される分子は C, H, O, N からなり,他のつくられつつある惑星系や分子雲の観測とも比較しやすい.そして,有機物は生命の材料.(5/10)
2012-12-30 12:50:43太陽系初期の水や有機物の進化の理解は,海や生命の材料が地球にもたらされる前にどこまで進化したかの理解へとつながり,地球の海形成,生命誕生への初期条件を制約する一助に.しかし,地球上の隕石には地表の水や有機物による汚染や変質の可能性.(6/10)
2012-12-30 12:51:04また,有機物を多く含む隕石は全隕石の約3%.強度が低く,大気圏突入時に燃え尽きてしまっている可能性を示唆.さらには産地情報が全くない.小惑星内で化学反応を起こす水や有機物の進化を解明するために地質情報がないのは大きな欠点.(7/10)
2012-12-30 12:51:22[1] 汚染,[2] サンプリングバイアス,[3] 地質情報欠損という地上回収地球外物質の本質的問題を克服するためにはサンプルリターンが唯一の手段.「はやぶさ2」は近地球型C型小惑星1999JU3から,かつての水の存在を示す鉱物や有機物を含む試料の採取を期待.(8/10)
2012-12-30 12:51:43回収試料から鉱物-水-有機物相互作用による地球・海・生命材料物質の最終進化を解明することをめざす.サンプルリターンのさらなるメリットは最先端技術での地上分析ができること(そのための準備も当然必要).(9/10)
2012-12-30 12:52:03太陽系初期につくられた小惑星がどのように進化し,現在の姿になったのかを解明することもめざし,太陽系初期の大規模構造変化を実証的に明らかにする.銀河からつづく物質の旅がどのように地球に至るのかを解明するための大きな一歩としたい.(10/10)
2012-12-30 12:52:19連ツイと同主旨のブログ記事の紹介