武雄市長による抗議に対する佐賀新聞の対応について

佐賀新聞は自社サイトの中に、外部の人の文章による「ブログ論壇」を設けています。 今回、その論壇に武雄の一市民から投稿された「知的基盤を奪われる武雄市民」というエントリ内容の一部に武雄市長が抗議し、佐賀新聞は急遽そのエントリを非表示化し、市長に取材した情報を投稿者に伝えて、投稿者はエントリを修正し、それを佐賀新聞は再掲示しました。 このまとめでは、佐賀新聞が自社の記事ではなくホストしているブログ論壇のエントリに対してとった、急遽「いったん非表示」という措置が適切だったかどうか、について流れを追っています。 続きを読む
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佐賀新聞は自社サイトの中に、外部の人の文章による「ブログ論壇」を設けています。

その論壇に武雄の一市民である井上一夫さんから「知的基盤を奪われる武雄市民」という投稿が掲載されました。

井上さんはこんな方
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リンク ばってんがサイト / 佐賀新聞 井上一夫(いのうえ・かずお) 1940年日田市生まれ。一級建築士。73年、建設省九州地方建設局建築課から武雄市役所職員に。武雄市文化会館建設などを手がける。91年に退職後、小鳩の家保育園長となり、自然体験や農業体験を通して、子どもたちの生きる力づくりを醸成した。園長を辞し、2011年に「子どもまちづくり研究所」を立ち上げ、子どもの目線で考えるまちづくりを提案する。まちなみや水ネットワーク、環境、子育てと文化など多方面から地域づくり活動に携わる。
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井上さんの投稿に武雄市長が抗議。

佐賀新聞は、急遽、論壇ブログの井上さんの投稿を非表示とします。

※記者による新聞記事に対する抗議を受けて、記事を引っ込めるのは、社としてありうる判断です。でも、今回対象となったのは外部投稿者による文章です。
※投稿者本人に対する通知と同意があったかどうかは、佐賀新聞の記事からは読み取れません。プロバイダ責任制限法を参照したかどうかも分かりません。

リンク ばってんがサイト / 佐賀新聞 ブログ非表示の件についてお知らせ(ばってんがサイト事務局) 昨日26日にアップした「知的基盤を奪われる武雄市民(井上一夫さん)」のブログ内容について、武雄市の樋渡啓祐市長から27日夜、抗議を受けました。抗議をいただいた主な点は、「(2階の)書架も開架式といいながら、高さは天井まであり閲覧者が自分で取りだす事はできない。2階の書架はキャットウォーク(点検通路)でアプローチしなければならず、地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っている。」という表現です。<br> <br> 樋渡市長からは「個人のブログならまだしも、佐賀新聞が運営
リンク ばってんがサイト / 佐賀新聞 抗議いただいた件の事実確認について(ばってんがサイト事務局) 抗議いただいた件の事実確認について(ばってんがサイト)26日にアップしたブログ記事「知的基盤を奪われる武雄市民(井上一夫さん)」について27日夜、武雄市の樋渡市長から抗議をいただいたことを受け、28日に武雄市の担当課を訪ねて事実内容を確認しました。取材した結果、「地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可 能性が強いと思っている」という一文について、事実と異なることを確認しました。以下、28日に確認させていただいたことをご説明させていただきます。<br> <br> 武雄市教育部によると

抗議を受けたこの部分、「地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可 能性が強いと思っている」について、佐賀新聞は「武雄市の担当課」(つまり当事者ね)に取材した結果、「事実と異なることを確認しました」と明言しました。

※耐震や建築にくわしい第三者の意見を聞くことなく、そんなこと言って、大丈夫なの???

ブログ記事修正への流れは、金の髭 @goldenhige さんのブログに詳しくまとめられています。

武雄市の樋渡市長の佐賀新聞社への抗議により非表示とされた井上一夫氏のブログ記事について - さまよう金の髭 2012年12月29日 (土) http://goldenhige.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-29e8.html

武雄市長による、佐賀新聞への抗議とその顛末については、こちらのまとめを参照。

Togetter:言論の自由も奪われている武雄市民 http://togetter.com/li/429827

佐賀新聞が市長からの抗議を受けて取材してやっとわかった情報を元に修正されて再掲示されたブログエントリ。

リンク ばってんがサイト / 佐賀新聞 知的基盤を奪われる武雄市民 ―武雄市図書館・歴史資料館問題から(2) <span style="font-size: x-large;">「5</span>0年後に楽しみを得たければ木を植えよ、100年後に楽しみを得たければ人を育てよ」1970年代の始め旧武雄市3代目市長本山昌太郎と収入役石井義彦(5代目市長)は、武雄市文化施設群構想を発表した。日本最初の大砲を鋳造し日本近代化の先陣を執った武雄領主鍋島茂義侯の顕彰、その屋敷跡の再生とその周辺に歴史・文化・教育施設を配置する壮大な群計画であった。茂義侯の屋敷跡は大小ホール・集会施設・公民館・青少年ホームからなる武雄市文化会館

結果として、以下のような書き換えが生じたようです:


初稿
「(2階の)書架も開架式といいながら、高さは天井まであり閲覧者が自分で取りだす事はできない。2階の書架はキャットウォーク(点検通路)でアプローチしなければならず、地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っている。」
(ブログ非表示の件についてお知らせ(ばってんがサイト事務局)より抜粋)



修正版
「その書架も開架式といいながら、高さは天井まであり幅の狭いキャットウォーク(点検通路)でのアプローチになるようで、車椅子や高齢者などに配慮しているようには見えない。」
(井上氏の修正版「知的基盤を奪われる武雄市民  ―武雄市図書館・歴史資料館問題から(2)」より抜粋)


表現が委縮したと見るのは考えすぎでしょうか?

Facebookでの市長コメント

>「佐賀新聞がそう書いているのと一緒だ!」
https://www.facebook.com/keisuke.hiwatashi.9/posts/177871769003459

市長のブログ記事

リンク 武雄市長物語 佐賀新聞の対応は評価したい 今日の佐賀新聞が運営している「ばってんがサイト」に、「知的基盤を奪われる武雄市民武雄市図書館・歴史資料館問題(2)」と題して、井上一夫さんという方の記事が...

佐賀新聞さん、武雄市長さんに褒めてもらえてよかったですね・・・。

でも、本当に、大地震があっても図書が2階から1階まで一気に落下する可能性は無いのでしょうか?

※阪神大震災の際、箪笥の上置きが数メートルも吹っ飛んだケースを実際に知っているまとめ主には、佐賀新聞の取材即断定はいささか早計ではなかったかと思われます。

2階回廊の書架は、図書館の開架としては異様な高さになりそうです(特に1階床面からの高さときたら・・・)。

完成予想パース図はITmediaの記事(「代官山 蔦屋書店のノウハウを」――佐賀県武雄市が新図書館構想 2012年05月07日)も参照を。
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武雄図書館完成予想図(画像)

2階書架の最上段から1階フロアまで、いったい何メートルあるのでしょう。この図を見て「もし巨大地震が起きたらどうなるんだろう」と思わない人は日本にはいないのではないかと思います。 (佐賀新聞「知的基盤を奪われる武雄市民  ―武雄市図書館・歴史資料館問題から(2)」掲載の画像)

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