【コメンタリー】ゼロ・トレラント・サンスイ

翻訳チームによるサイバーパンクニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) 日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆祝◆大変お世話になっております、本日は重要ニュースがもう一つあるだから。昨年度はSFセミナーへの参加、物理書籍の1巻と2巻が発売、潜在的読者数が6000万人を突破するなど、激動の一年でしたね。これもひとえに当アカウントをフォローし支えてくれている読者の皆さんのおかげだ。◆賀◆

2013-01-01 00:38:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆酒◆翻訳チームとして、忘れてはならない事があります。それは原作者であるボンド氏とモーゼズ氏の力添えである。彼らから新年のコメントを頂きました。また日本語版ニンジャスレイヤーの記念すべき初放送である「ゼロ・トレラント・サンスイ」もひとつの原点であり忘れてはならないと考えた。◆肴◆

2013-01-01 00:43:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆餅◆この二つはとてもゼンめいて重要である。そこで、我々はこの二つを一つにした。つまり間もなく @njslyr で「ゼロ・トレラント・サンスイ」の再放送が開始されます。これと同時に、事前に原作者二人から貰ったコメンタリーを再構成して @the_v_njslyr で放送だ。 ◆餅◆

2013-01-01 00:48:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆このDVD特典めいたコメンタリーは、Twitter以外のIRC通信や公共電波を一切使用しないローテクめいた技術によって実現される。ボンド&モーゼズが生み出したニンジャスレイヤーという偉大な物語は本年も様々な躍進を見せるだろうが、我々のこのレジスタンスめいた姿勢は変わらないのだ◆

2013-01-01 00:52:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆なお、今回は愉しみとして、以前の再放送版よりも昔の、当アカウント初回連載時のバージョンでお送りします。ぎこちない翻訳とテキストとしても古いために醸し出す感じを、書籍掲載の最新推敲版と読み比べよう◆ワット・ア・グレイト・センス・オブ・ア・メソッド・オブ・マーケッティング◆

2013-01-01 01:02:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤー第一話「ネオサイタマ炎上」より「ゼロ・トレラント・サンスイ」

2013-01-01 01:04:40
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B(ボンド)「ドーモ。ブラッドレー・ボンドです」M(モーゼズ)「ドーモ。フィリップ・モーゼズです」

2013-01-01 01:06:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(これまでのあらすじ) ソウカイ・ニンジャズの手練れ、ミニットマンとイクエイション。ニンジャスレイヤーを待ち伏せた二人のうち、イクエイションは真っ二つにされて絶命した。しかしミニットマンはパートナーの死と引き換えに、ニンジャスレイヤーの正体に迫るチャンスを掴んだのだ。

2013-01-01 01:07:27
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「これはテキストはいつのやつだったかね?」M「どうだったか……ま、とにかく、このエピソードが、現在のニンジャスレイヤーの記念すべき第一作である事は間違いない。所謂プロトタイプのものではない、今のニンジャスレイヤーの、世に出た最初の話だ」 #njslyr

2013-01-01 01:09:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ぞっとするほど冷たいコンクリートの感触を全身で味わいながら、ミニットマンは十年前の「戦争」を思い出していた。

2013-01-01 01:09:54
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「『これまでのあらすじ』が最初に入っている、この、これは、初出時から入っていた」M「神話的要素というやつだ」 #njslyr

2013-01-01 01:11:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

敵地の真っ只中で、彼の部隊は母体に裏切られた。トカゲのシッポのように、捨てられたのだ。生き残ったのは彼とイクエイションただ二人。あのときもこうして、冷たいコンクリートに身を横たえ、じっと待ち続けていた。そしていま、彼の横にイクエイションはいない。

2013-01-01 01:11:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ミニットマンの体を雨がしとどに濡らす。おお。おお、イクエイション。しかしこの雨は天の計らいだ。ニンジャに涙は許されぬのだから。ミニットマンは目を閉じた。脳裏に浮かび上がるのは、イクエイションの絶命の瞬間である。

2013-01-01 01:15:52
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「戦争(ザ・ウォー)という言葉は重要だ」M「熱心な読者の方は、それが電子戦争を意味することを知っているだろう」B「だが電子戦争の真実について語られるのはかなり後……」M「しかも、これを読む限り、ただの物理的な戦争のように見える。僕らが仕掛けたある種のトリックだ」 #njslyr

2013-01-01 01:16:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「サヨナラ!」イクエイションはそれだけ言うのがやっとだった。ハラキリの時間すら与えられなかった。ニンジャスレイヤーの無慈悲な一撃は、バイオ・ケブラーでくまなく覆われたイクエイションの体を、脳天から爪先にかけて、両断したのだ。

2013-01-01 01:19:05
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「サヨナラ!イクエイション=サン!」M「素晴しくゴアなスタートを切る冒頭だ。僕は大好きさ。作品全体のサツバツとしたアトモスフィアを象徴してると思わないか?」B「そうね」M「このバージョンではまだハラキリとセプクの区別がうまくついていなかった。その後、勉強したよ」 #njslyr

2013-01-01 01:22:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

許さぬ。そして、安らかに。....ミニットマンは顔を上げた。彼が生存したのは、イクエイションにすら明かさなかった秘密のジツ。「マッタキ」によるものだ。ニンジャスレイヤーはミニットマンを死んだものと取り違え、去ったのだ。

2013-01-01 01:23:25
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「この時期の圧縮密度はクレイジーだ」M「掲載誌のスペースは限られてたから、どれだけ圧縮できるかが勝負だった、例えるなら…洪水」B「そう、情報の洪水だ。読者はもの凄い激流の中に突き落とされる。これを好意的に捉えない批評家もいた。稚拙、と」M「中指をくれてやったよ」 #njslyr

2013-01-01 01:24:37
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「ところでこの……」M「ああ、勉強不足といえば、ここもだ。マッタキ。マッタキシ(訳注:全き死)の勘違いをしていた部分だ」B「そうそう。シニフリ・ジツだね」M「逐一直していったからね。日本での書籍化はいい機会だった。妥協はダメだ」B「翻訳チームには無理を言ったね」 #njslyr

2013-01-01 01:27:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その判断の誤りを、死をもって後悔させてやろう。...ミニットマンは、うつ伏せの姿勢から、匍匐前進を始めた。コンクリートに残る生体反応を辿り、目指すは、ニンジャスレイヤーの.....アジトである。

2013-01-01 01:28:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ミニットマンの匍匐前進は、いまや最高速をマークしていた。彼の匍匐前進速度はチーターに匹敵するとされる。生体反応をトレスすること二十分。ついに彼はニンジャスレイヤーの後ろ姿を、とらえた。

2013-01-01 01:28:46
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

M「このくだりのシンプルな緊張感たるや、読み返すたびにいつも頬を張られる気分だよ。謙虚なスモトリみたいにね」B「ネオサイタマの無慈悲さ、ニンジャの恐ろしさと非人間性、そしてその先にニンジャスレイヤーという男がいる。背を向けて」M「いつも常にエピックな感覚を覚える」 #njslyr

2013-01-01 01:32:09
ダイハードテイルズ広報局 @dhtls

B「ミニットマンはミステリアスなニンジャで、匍匐前進速度が非常に速い」M「スピーディーだ」B「いいシーンだよ。ニンジャの非凡なまでの運動能力が読者の脳に叩き込まれ、価値観の転倒が起こる」M「パラダイムシフトだ。匍匐前進が速い!そんなバカな!ってね。ここが入り口さ」 #njslyr

2013-01-01 01:35:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アタマ・ストリート」。屋台が所狭しと道を塞ぎ、防金属流子トレンチコートに身をつつんだ求職者が首をすぼめて縦横に行き交う大通りを、ニンジャスレイヤーはまっすぐに抜けていく。それを追うミニットマンの匍匐。

2013-01-01 01:35:36