#SJで妄想　　＃EH_PARTY

noco @nocohyuk

1.ワンピースを新調し、髪も美容院でセットした。お気に入りのピンヒールで向かったのは結婚式の二次会。「久しぶりー！」前の会社の同期達に久々に会い、テンションはやや上がったが正直乗り気ではなかった。私の視線の先には幸せそうな二人の姿…。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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2.新郎新婦がそれぞれの友人達に挨拶を始めた頃「ごめん、ちょっと御手洗い行ってくる。」そう言い、同期達とは離れた。やっぱり“おめでとう”を笑って言える自信がない。会場の隅でぼんやり二人を見てると『あの…ちょっといいですか？』誰かが私の髪に触れた。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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3.「え？何ですか？」手を払おうとすると『じっとしてて？髪がちょっと崩れてるから…』私より若そうなその男の子は器用に私の髪を直し始めた。暫くすると『やっぱりこの方が似合う！鏡、持ってる？』この短時間で何を…？クラッチバッグから鏡を取り出した。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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4.「…すごい。」鏡に写った私はさっきのセットとは別人みたいだった。『どう？気に入った？』満面の笑みで私に問いかける彼。「もちろん！」喜ぶ私を見て『良かったー。なんか浮かない顔してたんだもん。』もしかしてそれだけの為に直してくれたの…？ #SJで妄想 #EH_PARTY

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5.「そんなにヒドイ顔してた？」『少なくとも僕にはそう見えたよ？』会話の途中、新郎が私に気付いてこちらに向かってきた。咄嗟に「ゴメン…。このまま黙ってて…。」目の前の彼の首に腕を回し顔をギリギリまで近づけた。あの人から見たらキスして見える様に…。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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6.ほんの数秒だったと思う。でもあの人はきっと私を見た。今頃、こんな軽い女と別れて良かったと思ってるはず…。腕を離してあの人を探した。もうこちらに来る気配はない…。「ゴメンね、急に。」ふと見ると耳まで真っ赤にして硬直した彼の姿がそこにあった。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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7.「ちょっと、大丈夫？」はっと我に返る彼。『いや…だって急に、キス…されるかと思って…』こんなに照れるなんて、可愛くてつい笑ってしまった。「ふふっ。ゴメンね？でも、これでもう大丈夫…。ありがと。髪、せっかく直してもらったのに帰るね。」 #SJで妄想 #EH_PARTY

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8.立ち去ろうとする私の腕を彼が掴んだ。『理由を…こんな事した理由を教えてくれない？』確かに何も言わずに彼を犠牲にしたのは申し訳ない…。「ここじゃ話しにくいから…、別の場所行かない？」彼と二人、まだ盛り上がる会場を後にした。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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9.ここからなら…「ちょっと歩くけどいいお店あるからそこでいいかな？」『お任せします。』それから会話はしないまま私の少し後ろを彼がついてきた。路地を少し入った所の地下に目当てのBARはある。「ここ。」『うん。』階段を降り扉を開けた。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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10.〔いらっしゃいませ。〕カウンターに目をやると〔あ、ヌナ！久しぶりです。今日は…お二人で？〕「久しぶり、イェソン君！席あるかな？」〔テーブル埋まってて、カウンターでも大丈夫？〕「もちろん。」どうぞ、とカウンター席に通された。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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11.〔今日はパーティーか何かあったの？凄くキレイ。〕「ふふっ。ありがと。今日はね…」言いかけた所でイェソン君が思い出したように〔あぁ…、ヒョンの結婚式か…。ヌナ、やるね？そこでこの彼、捕まえてきたの？〕「ちょっと！そんなんじゃないよ‼」 #SJで妄想 #EH_PARTY

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12.隣の彼をチラッと見ると顔にハテナがたくさんついた様な顔。〔飲み物、どうします？〕「私、喉乾いたから、とりあえずビール！君は？」『あ、僕もビールで。』グラスが出されると〔ごゆっくり。〕イェソン君は他のお客さんの所でカクテルを作りはじめた。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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13.「じゃあ、乾杯。」『乾杯。』さて…何から話そうか…。考えながらビールを喉に流し込むと、スッと名刺を出された。『僕、美容師やってるんだ。ヘアメイクも少し。』先手を打ったのは彼だった。「ヒョクチェ君…。」名刺には“イ ヒョクチェ”と名前があった。#SJで妄想 #EH_PARTY

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14.『ヒョクでいいよ。』ニッと大きく口を開けて笑う。この子はさっきからいろんな表情するなぁ。『さっきの新婦のヘアメイク、僕が担当したんだ。』なるほど。どおりで私の髪も簡単に直した訳だ…。『ついでに言うと、元カノなの、あの新婦。』えぇ⁈ #SJで妄想 #EH_PARTY

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15.『さすがに元カノのウェディングのヘアメイクなんて、一度は断ったんだけど…どうしても僕じゃなきゃって。』でも…と、ヒョクは続けた。『やって良かったよ。彼女も僕をプロのヘアメイクとして依頼してくれてたから。だから吹っ切れた。いい仕事できたよ。』 #SJで妄想 #EH_PARTY

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16.『まぁ、僕の話はこんなとこ。』頬杖をつき私を見つめるヒョク。次は私の番か。ビールで喉を潤した。「実は…、私も新郎が元カレ。」ヒョクを見ると驚きいっぱいの顔。「彼は前の会社の同期で、仲間内で仲良くなるうちに他の同期には内緒で付き合ったの。」 #SJで妄想 #EH_PARTY

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17.「彼は結婚願望が強くて、でも私はまだ夢があって…。タイミングだよね。もちろんそれだけじゃないけど、4年も付き合ったのにダメになっちゃった。」『でも、何であんな事？』ヒョクは首を傾げる。「本当はキレイな姿を見せて後悔させてやろうと思ったの。」 #SJで妄想 #EH_PARTY

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18.でも…「彼にちゃんと“おめでとう”って言える自信がなかったから逃げたのかな。…。あなたと…ヒョクとキスしてる様に見せればこんな軽い女と別れて良かったって思うんじゃないかって。」彼に私なりの“おめでとう”を。幸せを願って…。#SJで妄想 #EH_PARTY

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19.少しの沈黙の後『ヌナは優しいね。』ヒョクが微笑む。意外な反応で少し驚いた。「どうして？」『だってさ、彼に自分の事は忘れて幸せになって欲しいって事でしょ？例え自分が悪者になってでも。』ヒョクに心が読まれた気がしてびっくりした…。#SJで妄想 #EH_PARTY

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20.そして不思議とヒョクには何でも話せる気がした。「優しいのは彼。私と別れても気遣ってくれてた。でも、もう甘えてられないし…。あれで最後にしたかったの…。」『スッキリできた？』「スッキリかは分からないけど自分のケジメはつけられたかな。」 #SJで妄想 #EH_PARTY

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21.『じゃあ僕らの新しいスタートに乾杯しよ！えっと…イェソンさん？』〔はい？お呼びですか？〕「イェソン君、お祝いしたいからテキーラ、ショットで！」『えぇ⁈マジで言ってんの⁈』「マジだよ！飲もー‼」急に何かから解放された様で飲みたい気分だった。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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22.〔ヌナは相変わらずテンション上げる時はテキーラなんだね？〕「もちろん！」〔君も？〕『ヒョクでいいっす。もちろん付き合います。』〔了解。ヒョク、ヌナは結構強いよ？潰されないようにね（笑）〕その夜はとにかく楽しく飲んだ事しか覚えてない…。#SJで妄想 #EH_PARTY

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23.目覚めると二日酔いで頭が痛かった。「珍しく酔ったな…。どうやって帰ってきたっけ…。」記憶が曖昧だけどヒョクにタクシーで送ってもらったような…。ふと思い出してカバンの中を探った。「あった…。」ヒョクの名刺。裏には日にちと時間が書いてある…。 #SJで妄想 #EH_PARTY

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24.そうだ…。ヒョクが私の髪をカットさせて欲しいって言ってて…その日にちと時間をメモしたんだ。来週の月曜日、仕事終わりの20:00にヒョクの働く美容室に行く約束した。そしてメモの下にはいつ書かれたのかヒョクのアドレスと携帯番号。#SJで妄想 #EH_PARTY

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25.隅には小さく“いつでも連絡してね”と書かれていた。携帯を手に取りメール画面を開いた。“昨日はありがとう。あんまり覚えてないけど、楽しかったよ（笑）来週、楽しみにしてるね！”私の名前と携帯番号も最後に入れて、送信ボタンを押した。 #SJで妄想 #EH_PARTY