Ruina年越しリレー小説企画2012~2013「ニューイヤーパーティー・プロデュースド・バイ・ゼス」
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【アンナウンスンー】引き続き、ごうか執筆陣の紹介にうつります。まず言い出しっぺの丁字( @pincta )が居る。そしてふかふかの毛玉であるまるまるPY氏( @mrmrpy )、そしてアヒルのそも氏( @aganami14 )が参戦だ。【木釘】
2012-12-31 02:09:00丁字です。好きなシーフォンは同年代かつスペック上回ってる系女子にうっかり人生ねじ曲げられた系のやつです。なにもそうしょっちゅうDTDT言ってるわけではないのはわかってほしい。最近気になるワードは「共食い」です。どうぞよろしくね!
2012-12-31 02:23:53まるまるPY!またの名を毛玉!「イモとうどんがあれば年は越せると思うんです、ソバの時代は終わっ…アッ…アナゴ天…いや…それはソバのが美味しいわ…」ウニ状生物!好きなタイタスは1世!好きな主人公は賢者♂!夜種王は教授にかぎる。わあい。素晴らしく読めるようにすごいがんばりたい。
2012-12-31 02:28:45そもです。アフロを被ったオーガニックアヒルです。好きなタイタスはタイタス十世です。好きな十世はタイタス十世です。好きなダイスは100面ダイスです。十世のおかげでできそこないも愛しく感じられます。好きな神官はアダ様です。ガンバルゾー!
2012-12-31 02:40:53ホルムの乾燥した冬空に、釘打ち音がトンカンと響いている。現在、街中心部の広場で建設中のこの簡素な舞台こそが、今夜開催される年越し演芸大会の会場なのだ。 1
2012-12-31 14:23:16ホルムの若人たちが集まり顔突き合わせ、時に笑い時に泣き更にはケンカ沙汰で宙を舞う日々もすべては今日のため。いやおうなしに高まる熱気に、駐屯する騎士たちも身じろぎする。 2
2012-12-31 14:27:00「ケッ、たかが田舎のお祭りになにムキになってんだか」遠巻きに眺めていた年若い魔術師が揶揄する。「いやいや、田舎だからこそ独特な行事があるというものだよ」隣に立つ巫女が答える。それを小耳に挟んで「田舎田舎って失礼ね」と、地元の道具屋の娘が角材の束を肩に担いだまま呟いた。 3
2012-12-31 14:40:25尚、そうした喧騒の中心で指示を出しているのは祭りの企画立案者であるパリスである。つまりは伝統行事どころか今回が初めての試みなのだが外部移住組たちは気づいていない。とまれ、一年の締めくくりに今年降りかかった様々な災厄の憂さを晴らそう、という提案は街の人々にも魅力的な提案だ。 4
2012-12-31 14:48:14「はいホルム名物塩おにぎり、付け合せにポララポはいかがですか~ッ」いかがわしい桃色の旗を背負った半裸の中年男性が街を練り歩く様は、平時においては憲兵を呼ばれる程に異常な光景ではあった。しかし祭りを目前にしてみれば誰一人気にするものはなく、むしろ賑わいに彩りを添えていた。 5
2012-12-31 14:54:13男が宣伝する一方、売り子のメイドの元に客が殺到する。「めいど!」およそこの世のものとは思えない料理も、この愛らしい少女が作っているのならと完食する猛者は多い。たとえ、食中毒で倒れようと。しかし、そのおにぎりを作っているのが半裸の怪人だという事を彼らは知るよしもなかった。 6
2012-12-31 15:01:23そこへ通りがかった色素の薄い中性的な若者がおもむろにテントの裏側を覗きこむと「変態だ」とぼそりと呟きそのまま往来の向こうへと歩き去っていった。背には楽器、向かう先にはひばり亭。道の向かいでは売り子の半裸中年男性が路地から飛び出したエンダに轢かれ、宙を舞っていた。「ギャーッ!」 7
2012-12-31 15:08:25怪人の悲鳴が雲一つない青空へ響く。雲は無くとも、石段の細工一つの造りさえも精巧な、無暗矢鱈と色彩豊かにひかる古代都市浮かぶ空へ―――そもそもこの度ホルムにおいて演芸大会が開催されることになったのも、かの古代都市、演芸の保存機構である機械仕掛けの城の発見こそがきっかけである。 8
2012-12-31 15:17:38極彩色の光を放つ城の門を守るのは二人の将。一人は槍を、一人は大刀を手にしている。古代から生きる魔将は当時の鎧を身に着けている。つまり、目の良い者には見上げる形で剥き出しの腿の間が見えてしまうのである。「あいつら、ぱんつはいてない!」と、指差すエンダにつられた者は悲惨だった。 9
2012-12-31 15:26:39その中にはエンダを叱っていた最中のチュナや少年魔術士等の若年者も含まれる。絹を裂くような悲鳴が両人のどちらによるものなのか、他の者には聞き分けられなかったという。「ぱんちらダ。喜ベ」「パンじゃねえしチラじゃねえだろ!死ねッ!」背後からの地を這うような声へ反射的に突っ込む赤毛 10
2012-12-31 15:35:01の顔が、振り返ったと同時に引き攣った。「どウした」「え?なに?え?おかしくね?はっ?」「祭りトきいテ」「全体的に足腰軽快すぎんだよ古代人!」そりゃぱんつ履いてないからな。とラバンが鷹揚に応える。先に古代の幻影と接触した彼には、幻影たちに敵意が無いことがわかっていたのだ。 11
2012-12-31 15:40:42「パンツは関係ねえだろ!」ヒステリックに叫ぶ赤毛をよそに、年少の皇帝は辺りを見回している。彼にとって未来も地上も祭も珍しいものだらけだ。「高い!ぼったくりではないか!」憤慨する叫びに目を向けると、そこには普段の装飾を外し「本日の主役」と書かれたたすきをかけた始祖帝がいた。 12
2012-12-31 15:49:28一方その頃ひばり亭ではどことなく雰囲気の似ている白子の男女8人が難しい顔をしてテーブルを囲んでいた。「もう一度聞くが希望パートは何だ」「踊り」「歌」「えっと、コーラスなら…」「演武じゃ駄目かしら」「「「……」」」「野郎共はせめて何か喋れ」 13
2012-12-31 15:55:47嗚呼呪わしき旧き血よ!演舞に文芸、文化を牽引した力!共有されたアルケアの思想は嘗ての文化をも甦らせ、保存された皇帝たちの文化的嗜好すら現代へと映し出した。そしてここに、ああ、未だ歴史に名のない末裔が!そこに新たな文化の創出を、期待すればこその始祖帝(文化保存版)である! 14
2012-12-31 16:04:44「悩んでいるようだな我が裔どもよ」威厳溢れる声に八人の男女が振り返る。「我が器たるもの何事においても優れていなければならぬ」そう言い切る偉大なる始祖の手には魚の乗った皿があった。「どうしてもというのなら余がじきじきに……うっ、マズっ、アークフィアの手料理みたいな味がする」 15
2012-12-31 16:11:54「チッ」誰とも知れぬ舌打ちの音が響き渡った。「とにかくこいつらをどうにかしない事にゃ安心して年も越せねえ」「やっぱサクッとやっちまおうぜ」「そうよそうよ!」「だが退治しても翌朝には復活するのがな…」喧々諤々議論を呆れ顔で見守る踊り子と魔女。そしておろおろする神官と巫女。 16
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