チェルノブイリ小児甲状腺癌に関するCardisらの論文についての牧野さんの考察についてちょっと考えてみた

以下のまとめの続編です。 関連するまとめ ①http://togetter.com/li/433867 ②buveryさんが同じ内容についてまとめて下さいました http://togetter.com/li/433865 続きを読む
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

狙ってやっているのかどうかは知らないけど、また突っ込みどころがたくさん。まあ、考察の理路はしっかりしているのではあるが。

2013-01-06 22:36:25
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino 但し、この結果の数字を例えば 7 歳被曝 19 歳発症の ERR に近いとみなせる かどうかというと、まあオーダーは大丈夫というくらいではないかと思う。

2013-01-06 22:36:41
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino というのは、論文にもちゃんと書いてあるが被曝量も同じ被曝量での発が んリスクも低年齢のほうが高いので、被曝によるがんは低年齢層で発生してい るのに対してバックグラウンド群のは高年齢層で発生しているから。

2013-01-06 22:36:57
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino ところが、解析はそういう効果は特に考えないで、全ての年齢依存性を 無視している ( なので数字が 1 つでてくる )

2013-01-06 22:38:26
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino このため、でてきたオッズ比は、低年齢層の被曝によるがんの増加を 元々ある高年齢層のがん発生で割ることででるようなものに なっている。従って、例えば前向きコホートで低年齢層 (5 歳以下とか ) だけ でだした数字よりずっと小さくなる。

2013-01-06 22:38:41
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino 15 歳以下の平均の増加としてはそれでもこれでいいのではというと、この 場合にはそうでもない。

2013-01-06 22:38:56
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino というのは、低年齢層の増加は相対的には大きいが絶 対的な発生率としてはそれでも大きくないので、被曝量が低年齢に偏っ ていることは (10 年目とかの早い時期には ) トータルの発生数を減らす効果があ るから。

2013-01-06 22:39:19
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino あと、コントロールのとりかたも、でてきた数字を ERR と比べられるかど うかという点からは問題である。というのは、コントロール群を「各地でそれ ぞれ甲状腺がんになった人の 5 倍くらい」とっているから。

2013-01-06 22:39:33
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino これが何故問題かというのは人によってはややこしいかもしれない ので以下で説明。

2013-01-06 22:39:45
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino まず、簡単な状況として、対象地域で発生したがん患者のほうは全数確認できてい る場合を考える。この時に正しいコントロールのとりかたは、対象とした全地 域で人口に比例してランダムサンプルすることである。

2013-01-06 22:39:57
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino ところが、この論文では、ベラルーシ ( ゴメリ、モギレブ ) 、ロシア (4 地 域 ) の 6 箇所から「それぞれ患者数に比例するように」コントロールをとってい る。ゴメリでの被曝量は ( 従って患者数も ) 他より桁違いに大きいので、

2013-01-06 22:40:12
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino これは コントロール群の被曝分布を線量が高いほうに歪める。

2013-01-06 22:40:25
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino case control study の場合、これは患者群とコントロールの被曝量の差 が小さくなるので、被曝しなくてがんは結構発生していた、ということになっ て影響を小さく評価するようになる。

2013-01-06 22:40:39
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino じゃあロシアとかいれないでやったらどうなるの?というと、 論文にでている数字からはベラルーシだけでやるとオッズ比が大きくなりそう。 患者もコントロールも低線量側だけで減るんだけど、その割合は患者のほうで 大きいから。

2013-01-06 22:40:52
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino つまりその、 tonkyo_hanage さんのいう case control study はエビデ ンスレベルが低いというのはこういうことで、でてきた数字は過小評価になっ てる可能性もある、

2013-01-06 22:41:09
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

RT @jun_makino で、この研究の場合には明らかに過小評価になるバイアス がいくつかある、ということのように見える。

2013-01-06 22:41:26
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

一応、突っ込みは順不同で行うが、引用は牧野さんの思考の理路を辿る事も考慮して単純時系列で。

2013-01-06 22:41:42
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

そもそもまともなチェルノブイリのコホート研究の結果が出てこないのは、まだ経過時間が不十分であるということ。まあ、それには50年くらいは必要で、まだ観察期間の折り返し地点くらいか。

2013-01-06 22:41:56
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

なので現状ではもうちょっと手っ取り早くできる「質の高い」症例対照研究でやむなし。まあ、「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」といったところか。なお、JNCIはIF=13.757の(この業界では)トップジャーナル。

2013-01-06 22:42:10
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

勿論、質の高いコホート研究に比べれば、牧野さんの指摘する点も含め問題は多々ある。なぜこの方法を選択したのか、その目的が過小評価することだとでも考えているのかな?

2013-01-06 22:44:42
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

「前向きコホートで低年齢層 (5 歳以下とか ) だけで」だした数字など信頼区間が大きくなってしまって最尤推定値は(この方法より高めに)出ても有意ではない、といったことになってしまうと思うのだが。

2013-01-06 22:44:58
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

そっちの方が「影響があったとは認められない」といった余程へんてこな結論を導きやすいわけだが、そちらの方を望んでいるのだろうか。まあ、小児甲状腺癌以外の疾患がおかれている現状はそういったところにある。

2013-01-06 22:45:13
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

「対象地域で発生したがん患者のほうは全数確認でき」たり、「正しいコントロールの取り方」などがあったら、誰も苦労しないんだけど。まあいいや。「対象とした全地 域で人口に比例してランダムサンプル」したらマッチングできないから…

2013-01-06 22:45:26
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

この研究では、症例1例に対して、性別と患者の被曝時年齢にもよるが年齢±1ヶ月~1歳であわせた)非発症例を4~5例(1例/1地域)で一つの組として扱うわけで、そうすることによって性別、年齢という要素の交絡を極小化できる。

2013-01-06 22:46:00
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

逆に言えば、そういったことをすることでモデルで性別や年齢の影響を評価することはできなくなってしまうわけだが(これも症例対照研究の問題点のひとつ)。

2013-01-06 22:46:14