それとJ-Tank14号を読んでての疑問もうひとつ。T34カリオペシャーマンよろしく頭上に噴進砲束ねたのを載せた新砲塔チハがあったようなんですが、これは7cmか9cmどちらの噴進砲だったんでしょうか。あるいは別の口径の?
2013-01-05 22:02:02新砲塔とほぼ同じ幅のラックに13本を2段で26連装のようですが、サイズ的には七糎噴進砲、九糎噴進砲どちらでも収まるんですよね
2013-01-05 22:06:19小口径の多連装噴進砲と言えば、五式砲撃艇が七糎噴進砲を10連装2段を積んでましたっけ。チハ搭載はその流用かしら?
2013-01-05 22:07:30mmm..五式砲撃艇もよくわからないな。要領図には歩兵用の七糎噴進砲と同じような砲尾ガードがあるんでそのまま流用したのかと思いきや、点火方式は電気式とある。歩兵用噴進砲は打撃式点火だから、発射機は流用だったとしても弾は別かしら
2013-01-05 22:15:49これはつまり、打撃発火式の歩兵用噴進弾とは別に、五式砲撃艇用の電気発火式噴進弾があったことを示唆してるんじゃないかしら。弾は打撃式のまま、電気的に打撃装置を作動させるなんて可能性も無くはないけど、ちょっと不自然だし
2013-01-05 22:21:05そうすっと、新砲塔チハに積まれた多連装噴進弾も、多連装であるからには当然電気式だろうから、五式砲撃艇用の電気発火式七糎噴進弾が流用された線が濃いんじゃないかしら、と思うですよ。もうひとつの候補は九糎噴進弾ですが、そっちの電気発火式があったなんて話は聞きませんし
2013-01-05 22:23:46@FHSWman そういえば昨日の五式砲撃挺の話ですが、一式四十七耗戦車砲Ⅱ型の発射方式は電気発射式ですが、その機構は裏を返してみれば激発するバネの圧縮をソレノイドで電気的に行うだけの実質通常激発方式と変わらない方式だったようです。もしかするとそれの可能性も……
2013-01-06 21:24:40とは言え、試製双連四十七耗戦車砲が電気発火式を採用してたことを考えると、これも確かとは言えないか。
2013-01-06 21:27:34@Nyarlathotep_44 oh, ありがとうございます。直接繋がりはあるかはわかりませんが、打撃発火を電気制御するという方式が実在したことが判っただけでも興味深いです
2013-01-06 23:29:43さて、ソレノイドを用いて打撃発火式の弾薬を電気制御で発火させる方法が実際あったとなると、五式砲撃艇や多連装噴進砲搭載新砲塔チハについても、打撃発火式の歩兵用無反動砲をそのまま流用した線がある気がしてきます
2013-01-07 00:24:48ことに、五式砲撃艇の要領図が歩兵用噴進砲を束ねたそれにしか見えないことを考えると、やっまりこの線は濃いんじゃないかと
2013-01-07 00:25:46さて、そこでちょっと気になるのは、両者の弾薬は共通だったのかどうかです。歩兵用噴進砲の弾薬は対戦車用の成型炸薬弾です。これは普通の榴弾より範囲効果が劣りそうですから、五式砲撃艇や多連装噴進砲つきチハのような面制圧を旨としそうな兵器には適していないのではないか、という懸念があります
2013-01-07 00:29:03まず第一に、少なくとも五式砲撃艇に関しては、実は面制圧兵器と呼ぶことが必ずしも正しくはないのです。さて、本艇の目的は、敵上陸用舟艇に対して弾幕を浴びせて上陸を阻止することとされています。一見すると、「弾幕」という文言からして面制圧のように思われるところですが……
2013-01-07 00:37:21ここで注目しなければならないのは、目標が上陸後の敵部隊ではなく、あくまで敵舟艇とされていることです。上陸用舟艇は僅かとはいえ装甲を持ちますから、これを至近弾で沈めることは、口径7cmのロケット弾には期待できそうもありません。舟艇の撃沈にはあくまで直撃弾が必要です
2013-01-07 00:40:23つまり、五式砲撃艇の目的である「敵上陸用 舟艇に大して弾幕を浴びせる」というのは、重爆撃機に対する小口径ロケット弾攻撃のそれとよく似ていると言えます。至近弾の効果は無いとは言えませんが、主目的はあくまで、手数を増やす事による直撃命中率の向上ではないかと思われるのです
2013-01-07 00:42:48さて、LCVPやLVTのような上陸用舟艇には若干とは言え装甲が施されてますから、これを撃沈するのであれば、破片効果よりもむしろ直撃時の破壊効果のほうが重要です。すると、五式砲撃艇の搭載する噴進弾も、ただの榴弾ではなく成型炸薬弾を選択したのではないかと考えられるのです
2013-01-07 00:45:28もう一方、多連装噴進砲チハについては、私は外見以外の情報を全く知りません。ですがこれについても、実は面制圧兵器ではなく直撃弾狙いの武装だったのではないかなと考えています
2013-01-07 00:47:01この多連装噴進砲つきチハは、ロケット弾の支持架が主砲の防盾とロッドで連結されています。つまり、アメリカのシャーマン戦車改造T34カリオペのように、ロケット弾の発射角度を車内から任意に調節可能なのです
2013-01-07 00:50:40そして元より、試製四式七糎噴進砲は、直射だけでなく曲射も想定されており、最大射程は1000mとされています。また弾体の安定には旋動式を採用していますから、弾道特性にも優れるでしょう
2013-01-07 00:52:53とすると、多連装噴進砲つきチハは、もはや対戦車火力としてあまり期待できなくなった47mm砲を補う目的で搭載された線も考えられるのではないか、と。七糎噴進砲の装甲貫通力は80mmとされていて、これは徹甲弾特甲を用いて至近距離で発砲する47mm砲と同等ですから、馬鹿にはなりません
2013-01-07 00:56:37さて話が長くなりました。歩兵用噴進砲と五式砲撃艇・チハ用噴進砲の弾薬が共通だった説を支持する材料はまだあります。というのも、七糎噴進砲にはそもそも、榴弾と成型炸薬弾を別に用意する必要があまり無かったと考えられるのです
2013-01-07 00:59:44さて、「成型炸薬弾は炸薬の効果が前方に集中するため、破片効果が劣る」というのは、耳にタコができるほど聞き飽きた話です。これは事実ではありますが、もちろん前方以外への破片が全く出ないわけではありません。炸裂すれば当然のごとく、周囲に致命的な破片が撒き散らされます
2013-01-07 01:03:28さて、ここで七糎噴進砲の弾薬に着目してみますと、重量4.08kg、710gという数字に至ります。実はこれ、81mm迫撃砲弾のそれにごく近いのですね
2013-01-07 01:08:56米軍のM1バズーカが用いたM6ロケット弾は重量1.5kgで炸薬量700gですから、七糎噴進弾は炸薬は同等ながら弾体が圧倒的に重いことになります。その重い弾体は、炸裂時に破片となって周囲に襲い掛かるわけですから、七糎噴進弾には一種の汎用対戦車榴弾的な効果が見込めるのです
2013-01-07 01:11:44