篠山せんせが「ある男」について語る

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

ある男の話をしようと思う。その人物はかつて商業小説家として、二十冊程の小説を出版していた。だが生活資金のためにサラ金に手を出し、自己破産、免責。いまだに復権はできていない。現在はうつを理由に生活保護で暮らしている。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

その人物を含めた数人のメンバー（私は入っていない）で、電子出版の合資会社を立ちあげようという話が持ち上がった。出資金は各社員等分、最低一名は無限責任社員が必要なのだが、彼が無限責任社員・社長になる手筈であった。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

必要な出資金は、一人当たり五万円。だがそれを用意できないというので、私は利息制限法の範囲内で利息をつけて（商事法定利息）融資の提案をし、彼は無限責任社員・社長就任を受諾した。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

生活保護受給者には、たとえ債務不履行があったとしても民事執行が使えない。なぜなら、生活必需品しか持つことを許されないからだ。つまり担保が全くなかったので、仕方なく利息をつけた。彼の誠意を信じていたからだ。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

ところが、事件が起きた。スマッシュ文庫への投稿を巡ってだ。私はその会社を通して発表しようとしていた原稿「ナイト＝ゴーント」の決済システム構築等が一向に進まないことから、一時「ナイト＝ゴーント」サンプル公開を凍結し、スマッシュ文庫に投稿することにした。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

「ナイト＝ゴーント」は、集英社スーパーダッシュ文庫最終選考残留作品である。佳作に落ちたとき担当編集の鳥山浩氏から、「この原稿を他社に持ち込む自由はある」と言われた。私はその事情を明記した上で、スマッシュ文庫に応募した。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

当時の文をそのまま書く。 ※本作は第８回集英社スーパーダッシュ小説新人賞最終選考作ですが、選考担当編集者の集英社ＳＤ文庫編集部・鳥山浩様より他社への投稿に制限を設けない旨、お言葉を頂いておりますことをはじめに申し上げます。集英社で出さないことは確定しております。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

この「ナイト＝ゴーント」こそが、実はいわゆる「がでがでスピンオフ前日譚」そのものである。サブキャラではあるが自衛官時代の繭川巴が、作中で現実と正義のはざまで葛藤しつつ、信念を貫くという描写があった。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

スーパーダッシュ文庫は、当時二重投稿を禁止していた。この解釈を巡り、「彼」と主張が対立した。

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

私は言った。2011/07/13 19:45:13からの発言だ。「スマッシュへの投稿は可能です。まずスマッシュ自体が二重投稿を禁止していないこと」　彼「いや、集英社が禁止している」　私「二重応募というのは一般に、「同時に」複数の賞に出すことを指します」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「いえ、同時じゃなくても二重になるんです。そう決まっているそうです」　私「ソースはどこですか？」　彼「出版業界のルール。業界関係者」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

私「私は佳作落ちのときに、あなたには三つの自由がある。一つは他の社に持ち込むこと。もう一つはＮＧを書き直すこと。もう一つは新作を投稿すること。どれか選べと言われました」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「集英社ＳＤ文庫の規定を読んでください。二重投稿禁止とあります。これは他社に送るの禁止とのことになるそうです」　私「少なくともＳＤについては編集部見解として、ＮＧは他の社に持っていって構わないと言質を取っています」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「しかし、規定にはそう書いてある。書いてあるってことは禁止だそうです。編集者はそう言ったかもしれないけど、会社としては禁止ということでしょう」　私「もし本当に禁止ならその編集者のミス。私のミスじゃない」　彼「そう、編集者のミス。だから会社の規定に従うのがルール」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

私「更に言うと私がすることは「原稿を送ること」。これは郵便法にも全く触れません。知財法にも触れません」　彼「二重投稿禁止とあれば、禁止なんですよ」　私「どうせ電子出版しようと思っていた作品です。落とされても全くダメージはありません」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「電子ならあり。とにかく、スマッシュ文庫に送ったらスマッシュ文庫に迷惑かかる可能性あり。だからＮＧをスマッシュ文庫に送るのはやめた方がいい」　私「更に言うと会社の内規は部分社会の法規であり、私は適用外です。法的な観点から全く問題がない。送ります」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼に今言いたいことは、一つだけだ。「そんなにルールが好きなら、本物の法（ルール）を教えて差し上げましょう」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「でもＰＨＰ研究所に迷惑がかかる可能性あり」　私「そんなのはアカンと思ったら黙ってシュレッダーに入れればいいだけ。こちらは三ヶ月サンプルを閉じておくだけ。法的にどこに問題があるのですか？」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「ですから、スマッシュ文庫に送るのはマズイですって。ＰＨＰ研究所に迷惑かけるかもしれない。集英社が二重投稿禁止しているんだ。だからヤバイですって。集英社自体が、ですよ」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

彼「ＳＤ文庫に投稿した作品は二重投稿禁止って書いてあるんだ。だから禁止。業界のルールですよ。新しいのを書くか、シビコン（※「がでがで」の原作）をスマッシュ文庫に送るべき」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

私「私は「法的な問題」をお尋ねしたのですが」　彼「だから、業界のルールですって」　私「それは法じゃないです」　彼「ＰＨＰ研究所に迷惑かけたいんですか？」　私「すくなくとも、投稿者にとっての法じゃない。二重投稿構いませんって書いている以上」　彼「ＰＨＰはね」

篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

私「判断するのはＰＨＰの責任でしょう」　彼「でも集英社は禁止している」　私「アウトか、セーフか」　彼「だからアウトですって。集英社が禁止しているんだから」