橘川幸夫氏の太陽通信

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

テキストDJ-Kitです。出かける前に、ヘビーな曲を一発。これは、1975年ごろ、橘川が25歳ぐらいの時に、ロッキングオンに書いた原稿。「まほろば合掌団Ⅱ」は、真崎守さんのアシスタントだった本田義高くんと組んだペーパーメディアのユニット。

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

ちなみに「まほろば合掌団」の最初は、真崎さんと組んだユニット。僕がテキストを書いて、真崎さんや、本田くんが絵を書いてくれた。テキストでロック（ラブソング）が出来るのではないかと思っていた。

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

(太陽通信　１９７５年) さあ、掌を合わせましょう 右の掌はあなた、左の掌はわたし 握りあわなくても確かに こすりつけなくても温く ここが、まほろば あなたと握手 あなたと合掌 まほろば合唱団Ⅱ （橘川幸夫＋本田義高

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

　すごく遠いところへ来てしまった気もするし、ますます中心に向かって若くなってくる気もします。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

悲しみとか怒りとか、そういういろいろな内的たかぶりが、すごく硬くなって、すごく鋭くなって、感情という範囲を突き抜けてしまったのかも知れません。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

愛、という言葉を使えるようになるために、呑気な僕は25年もかかってしまったよ。僕とあなたとをつなぐ根底的なもの、というより僕とあなたがここにこうして生きている事の唯一の理由。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

……ずいぶんとまどろっこしい言い方だけど、僕はもう焦ったりしません。ゆっくりと、浸みていくようにあなたに近づきたい。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

……例えば、プラトンの愛もキリストの愛も、昔、少し本で読んだきりだけど、僕はその相対臭さが嫌いでした。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

肉体愛と精神愛、悪魔と神。どうして彼らは、素晴しいものを素晴しいと認めるために、その反対概念をとってつけるのでしょう。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

太陽に照らされているモノには影があるけど、だけど、太陽そのものには影なんて概念は全くないのに。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

あなたはどんな事をしたって、どこから来た人だって、そんな事は無関係に断然素晴しい人なのにね。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

……そして街にはプラトンの末裔たち。歌謡曲や擬似恋愛小説に出てくる愛というのは、所詮は、個人主義の、近代的自我の、相互自己主張にしか過ぎない。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

我愛す故に我在る、か。大仰に＜自分＞を振り回しながら愛し合ったり別れたりする恋人たち。コギトの最終的逃亡地点。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

・・・・うん、ちょっと脱線したかな。やっぱり僕たちは死骸に向かうのではなく、生きた、やさしい、あなたというリアリティに向かわなくてはいけない。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

でも、もしかしたら僕たちは既に脱皮を完了してしまったのかも知れない。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

一歩街へ出ると歴史は教科書や新聞に書いてあるとおりに進行しているけど、僕がこうしてこうやって生きている歴史は、すごく、もぎたてのトマトのように新鮮だ。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

時はもう流れてはいない。時は、僕の目の前で、僕と一緒に、いっとう外側の殻をかさぶたのように剥がして行くだけだ。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

時はますます淀み、僕はますます軽みを覚える。そして、あの、純潔の訪問者がやってくる。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

あなたがやってくる。もう僕の欲情は分裂しない。もう僕は視線をそむけたりはしない。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

そして、はっきりとこう言うんだ。＜あなたが欲しい。あなたへ向かっての完全な方向が欲しい！＞ってね。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

（だけど、自分で書いた言葉に自分ひとりで意味を吹き込む作業って後ろめたいな。僕は君に手紙を書いているけど、この瞬間は君だって僕に手紙を書いているはずだ。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

うん、僕は君と出会えた事をすごく嬉しく思っているし、僕たちが新しい変化への旅を始めるためには僕とあなたの、極度に集約された新鮮な出会いのひきおこすエネルギー場が必要なのだ。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

およそ社会の通用するあらゆる意味での貨幣＝金、学歴、順従心、等々、を一切持たない僕たちの初動エネルギーはこれしかないと思います。(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

いくら鋭い事や美しい事が書かれている本でも、その本を読んで、新しい出会いが形成されなければ、そんなの鋭くも美しくもないしね。）(太陽通信　１９７５年)

橘川幸夫(きつかわゆきお) @metakit

まろやかな朝陽に揺り起こされて僕は一日を迎える。そしてねむけまなこで鏡をのぞくと、そこにはあなたが映っている。(太陽通信　１９７５年)