叙述トリック、という名前自体があんまり適切ではないような気はする。名前からすると使用している技法の性質によってトリックを分類しているように見えるのだが、実際には使用する目的・対象によってトリックを分類すると考えた方がわかりやすいんじゃないかしら。どうかしら?
2013-01-06 12:05:03叙述トリックって対応する英語ってあるのかなあ?どなたか教えていただきたい。例えば「アクロイド殺し」の英語版Wikipediaには対応する用語は出てこないような気がするけれど。
2013-01-06 12:07:10"Unreliable narrator"はちゃんと項目あるけれど、これはミステリやトリックに限らない文脈での用語だしなあ。ふむう。
2013-01-06 12:09:47“叙述トリック”よりも“メタトリック”の方がしっくりくるなあ、と思ったけど、そういう用語はないみたいね。もちろんメタトリックというものを定義したとしてもメタトリック=叙述トリック、にはならないけれど。メタトリック⊇叙述トリック、は成立するかもしれない。
2013-01-06 14:38:22「叙述トリック」からちょっと調べてみたけど、英語ではTrickって表現はあまりしないのかしら?Mysteryという表記はWikipediaではDetective Novelとほぼ同義、とあっさりした記述だし。でも本屋ではMysteryの書棚が存在するしなあ。うーん。
2013-01-07 13:34:42この辺の「推理小説」「本格推理」「トリック」「叙述トリック」「密室トリック」などの用語の定義やそれに関する議論ってどこからが日本独自のものなのだろうか?誰か解説してくれないかしら?
2013-01-07 13:35:46別に「英語圏の定義と違っているから意味がない」とか「英語圏における議論に準拠すべき」と思っているわけではないですが、海外ミステリも含めて考える際に、英語(あるいは他の言語)におけるミステリ論/トリック論を無視するのは効率悪いような気がするわけです、はい。
2013-01-07 13:37:05いやまあ、もっとざっくりと「海外での議論と比較して見てみたいよね」くらいの適当な感じなんですが。海外の推理小説フォーラムとか覗いてみたいけど、ちょっとハードル高いわねえ。
2013-01-07 13:38:05いやしかし、国内ミステリ(に限らなくても良いけれど)を論ずる際の用語について、英語対訳リストとかあると便利だなあと思うんですが、そういうのどこかにないんでしょうか。
2013-01-07 13:49:17いまの一連のRT、以前からの個人的な関心事でもあります。少なくとも10年以上にわたる翻訳出版稼業で海外の出版関係者と話をしたりカタログをみたりしていて「trick」という言葉をみたことはないです。
2013-01-08 23:05:21だからといって海外ミステリ批評のなかに「トリック」を意味する「trick」という語や概念がまったくないかというと判らないですが、少なくとも日本ほど一般的ではないことは確か。
2013-01-08 23:06:14以前にザ・インタビューズのなかで、これに類することをちょっと書きました。ただしこれは主にジャンル名の話。http://t.co/y7fzkxRZ
2013-01-08 23:06:49ただし僕も海外のミステリ評論書はいくつか買いはしても書棚の肥やしになって未読のままなので、風間賢二先生 @k_kazama はご存じかもしれません。>海外でのミステリ批評におけるミステリ用語の実際。
2013-01-08 23:10:31@EL_CO4tw すみません、ツイートに触発されて幾らかこの話題について(あまり内容はありませんが)ツイートしたのですが、メンションを明記し忘れてしまいました。翻訳出版交渉(世間話ふくむ)の実務レベルでは、挙げられている語のいずれも英語で聞く機会はありませんでした。
2013-01-08 23:14:14@EL_CO4tw ニッチなミステリ批評の分野では対応語がある可能性はありますが、日本の読者の間で通用しているような度合の認知度があるのは、whodunit、surprising ending、twist and turnくらいでしょうか。locked roomすら微妙です。
2013-01-08 23:17:30@EL_CO4tw ですが、密室ミステリの権威であるロバート・エイディーさんのようなかたもいらっしゃるので、批評自体は存在するはずです。但しそれは、日本のミステリ批評/書評ほどメジャーではない、ということはできそうです。
2013-01-08 23:18:52@Schunag ご教授ありがとうございます。ぼんやりとした疑念にしっかりした答えで形を与えていただいたような気持ちです。国内のミステリ談義はそれ自体面白いと思うのですが、海外ではどうなんだろうなあ、というところはなかなか見えないのでリアルなお話は大変興味深いです。
2013-01-08 23:46:43@Schunag なんとなく「トリックじゃなくてPuzzleかなあ」「でもPuzzleがMysteryの重要な要素とは思ってないんじゃないかしら」「倒叙法などの叙述トリックはミステリに限らない文学全般の技法として認識されているのでは?」と思っておりました。
2013-01-08 23:48:37なるほどなあ、日本で当たり前に使っているミステリ用語が海外では通じなかったりするのかも。海外の人とミステリの話をすることなんてないので実感がないのだけど、今度機会があったら本屋のミステリ棚をもうちょっとしっかり見てみよう。
2013-01-08 23:50:34国内におけるミステリ談義も面白いけれど、そのどこからが日本オリジナルのものなのか、海外ではどのように認知されているのか、というところが見えてくるともっと面白くなると思うんだけどな。私は「ミステリを読んでいる人達」まで含めてミステリが好きなので、そういうところも知りたい気持ち。
2013-01-08 23:53:33@EL_CO4tw そもそも、ミステリの中でも「読者を騙そう」とするたぐいの作品がこれほど好まれ、書かれ続けているのは日本だけかもしれないんですよね。少なくとも日本に紹介される翻訳作品のうち、似た傾向のものはすごく少ないように思えます。
2013-01-09 00:02:48@EL_CO4tw 僕もまだまだ勉強不足なので、詳しい方(風間賢二さんや小山正さんなど)がいらっしゃるとは思うのですが、日本ほどエンタメ批評が成熟しておらず、「ミステリ」という小宇宙のなかでの発展史が広く一般には共有されていないのは確かだと思います。
2013-01-09 00:05:18@sukiyapotes なるほど、そうかもしれませんね。海外におけるMysteryのある一分野としての“ミステリ”が日本で受け入れられ発展した、それ自体も興味深いです。ミステリ批評も含めてその辺りの歴史を見てみたら面白そうです。
2013-01-09 00:06:28@EL_CO4tw ジャンル小説は、ジャンル観や先行作品についての認識をもとに再生産されるものなので、そのあたりの差が、内外でのミステリ/crime fictionの発展の軌跡の差として具体化しているのだと思います。
2013-01-09 00:08:06@Schunag 大変興味深いお話をありがとうございます。またいろいろお教えいただければ幸いです。本(に限らないですが)は需要があってこそ作品が出るものだと思いますので、ミステリ談義・批評の土壌を見ると作品をまた違う意味で楽しめる気がします。
2013-01-09 00:11:47