有明海・諫早湾の環境修復を目指して5

有明海と諫早湾の現状を伝える公開シンポジウムが1月12日東京にて開催されます(明治大学駿河台校舎リバティホール)。首都圏でほとんど報道されていない諫早湾の環境問題とは、どのようなものなのでしょうか。シンポに先立って基礎知識の解説などをおこなっています。今回は、人間活動によって環境中に放出された毒物について、簡単に。
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飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】閉め切った諫早湾の調整池で増殖する有毒アオコ(ミクロキスティス属)が生産する、ミクロシスチンという毒性分は、青酸カリの数10倍という猛毒です。このアオコの毒で、実際に人が死んだ事例があります(諫早湾ではまだないけれど)。

2013-01-10 10:33:49
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】考えてみると、人間活動の過ちによって環境中に放出された有毒物質は色々あります。水銀(水俣病)、放射性セシウム(福島第一原発)、ヒ素(インドなど、地下水の深い掘削による)など。

2013-01-10 10:34:51
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】こうした有毒物質について講義で言及すると、よく受ける質問は、「調理などで加熱すれば無毒化することはできますか?」というものです。しかし、水銀も、ヒ素も、放射性物質も、ミクロシスチンも、通常の加熱ではなくなりません。

2013-01-10 10:41:59
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】調理の加熱で無害化できるのは、細菌やウィルスです。細菌は生き物ですから熱湯で死んでしまうし、ウィルスも生き物みたいなものですから、大概は加熱すれば大丈夫。「加熱で殺せるのは生物」と覚えておけば大体間違えません。

2013-01-10 10:46:24
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】毒性の強さも、人体に入った後の影響もさまざまですが、環境中からの消えにくさはこんな感じです。水銀・ヒ素>>放射性セシウム>>ミクロシスチン。

2013-01-10 10:48:38
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】水銀やヒ素はそもそも有毒な元素なので、抛っておいても無くなることはありません。だから環境中に放出されたら、取り除かない限り長く残存します。

2013-01-10 10:49:27
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】放射性セシウムはどうでしょうか。放射線を放出しつつ崩壊して無害な元素に変化するので、30年ほどで半分になり、60年ほどで1/4に、90年ほどで1/8になります。よほど濃度の濃い所以外は、100年以上抛っておけばごくわずかになるでしょう。

2013-01-10 10:51:02
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】ミクロシスチン自体は海に流れ出しても細菌に分解されますから、アオコさえ死滅してミクロシスチンの増産が止まれば、かなり早く消滅することが期待できます。数ヶ月くらいはかかってしまうかもしれませんが。

2013-01-10 10:54:14
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】またミクロシスチンは紫外線に弱いので、日光によっても減少します。諫早湾の調整池周辺が干潟にもどれば、毎日干潮の時に底泥が日光を浴びますから、分解は早いでしょう。

2013-01-10 10:58:11
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】いずれにしても、諫早湾の調整池が再び海に戻り、海水でアオコが死滅することが前提条件です。今のままでは、調整池でわざわざ有毒アオコを増やして有明海に毒を供給しているわけですから。

2013-01-10 10:59:52
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

【諫早湾・有明海シンポに向けた基礎知識】したがって諫早湾のミクロシスチン汚染は、原発事故による放射性物質汚染のように困難な問題ではないのです。ただ水門を開けて中を海にもどせば良いだけです。手遅れにならない内に、是非とも開門していただきたいですね。

2013-01-10 11:01:10