私家版『借りぐらしのアリエッティ』
- hardboiledski45
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『借りぐらしのアリエッティ』観たときに思ったのは、「宮さんならこんな結末にせんわー絶対せえへんわー」であった。宮さんの頭の中の地獄度を考えると、あんな「きれいな」着地点に話をオとしたかどうか分からない。恐らくかなり悲惨なことになったろう。
2013-01-11 21:35:14宮さん版アリエッティ、最期は小人族の武装蜂起が起こりそうな気がする。それを止めようと奔走するアリエッティと翔。まるでサンとアシタカじゃねえか。
2013-01-11 21:39:00元々小人族は優れた技術力を持ち地上を支配していたが、人類の生息圏拡大とともに住処を追われ、いよいよ滅びのときを迎えようとしていた。しかしそれをよしとしない一部急進派は、父祖たちの遺産を掘り起こし生存圏拡大のための絶望的闘争に打って出ることを決意する・・・ #宮さん版アリエッティ
2013-01-11 21:43:08小人族を絶滅寸前に追い込んだ大破局――「火の七日間」を惹起せしめた最終兵器《オーム》。その埋蔵地点を守護する一族がいることを革命組織は突き止める。そして、ひとりの密使が派遣された・・・。 その守護者の末裔がアリエッティ、てのはどうか。 #宮さん版アリエッティ
2013-01-11 21:54:08――僕はあの年の夏、母の育った古い屋敷で、一週間だけ過ごすはずだった。まさかあんなことが起こってしまうとは、全く考えてもいなかったんだ。 #私家版アリエッティ
2013-01-11 22:06:40かつて小人族は強大な力を有し、この地上をあまねく支配した種族であった。しかし、彼らは自らの力を誇るあまりに陥穽に落ちた。彼らがその手で創り出した最終兵器《王蟲》の暴走である。この悲劇は後に小人族の伝承にこう表記されることになる――《火の七日間》、と。 #私家版アリエッティ
2013-01-11 22:14:19それから幾星霜もの年月が流れた。小人族の衰亡後に勢力を拡大した現生人類は何も知らぬ気に繁栄を謳歌していた。その頃、小人族は深刻な危機に直面していた。生存圏の著しい縮小、そして種としての衰退である。 #私家版アリエッティ
2013-01-11 22:20:33小人族を襲う危難の原因は明らかであった。凄まじい勢いで生息領域を拡大し続ける人類である。「彼らと我々とは不倶戴天の関係なのだ」と主張する過激派が小人族の若い世代を中心に勢力を拡大。彼らの意見は簡潔かつ明瞭だった。人類を滅ぼすべし、それ以外に我々が生存する道はない。
2013-01-11 22:27:59しかし、今や小人族の総力を結集しても勝ち目がないほどの力を手にした人類をどう滅ぼすというのか?穏健派は反対する。そんなことをしても、来るべき滅びのときを早めるだけのことではないか・・・だが、そんな折、恐るべき情報がもたらされる。
2013-01-11 22:34:04かつて小人族を破滅の縁に追いやった悪魔、《王蟲》は未だ実存し続けている、というのである。その情報の正しさを確信した過激派組織は恐ろしい計画を立案する――《王蟲》起動による《火の七日間》の再現。それ以外に人類を滅ぼす手段を、小人族は持ち合わせていなかった。
2013-01-11 22:39:45その頃、日本某所。美しい庭園が広がるお屋敷の地下深く、小人の一家が誰とも交わらず暮らしていた。厳格な当主・ポッド、その妻・ホミリー、そして一人娘のアリエッティ。彼らの一族はずっとこの地で暮らしてきた。父祖からの掟を受け継いで。地の底深く眠る《王蟲》を蘇らせないために。
2013-01-11 22:48:06そんな彼らのもとにやってきた一人の青年。名はスピラー。彼こそは、《王蟲》による人類絶滅を企む過激派組織から送り込まれた特殊工作員であり、一命を賭しても任務を果たすようにと上層部から厳命されていたのである。
2013-01-11 22:56:18粗野な無学者を装いつつ、密かに《王蟲》の在り処を探るスピラー。しかし、ポッドは疑念を抱き、その行動を監視していた・・・。
2013-01-11 22:58:14ポッドにはもうひとつ気がかりなことがあった。年頃の娘になったアリエッティの今後についてである。自分たちもどれだけ生きられるか分からない、早く配偶者を見つけなくては・・・ポッドは焦っていた。一方、父の焦燥など知らぬアリエッティは「外の世界」に淡い憧れを抱いていた・・・。
2013-01-11 23:02:02そんなある日、いつものようにポッドと《借り》に出かけたアリエッティは不慮の事故に遭い父とはぐれてしまう。おろおろと彷徨うアリエッティの前に現れた巨大な影・・・それは彼女を見定めるなり驚いたようにいった。 「君はいったい誰なんだ?」
2013-01-11 23:06:08――翔はその年、母がかつて過ごした田舎の旧家で一週間を過ごすことになった。父はすでにおらず、母は仕事で忙しいとあって、彼は孤独だった。そして彼の心臓は、生まれついて脆弱で、いつ拍動を止めてもおかしくなかった。そのせいか、彼は年に似合わず大人びた少年であった。
2013-01-11 23:15:45翔は祖母から不思議な話を聞かされる。この屋敷には小人がいるというのだ。いくらなんでもそれはあるまい、と翔は思うのだが、まるで夢見る少女のように、歌うように祖母が話す小人の物語を聞くうちに、本当にいるのではないか、という気がしてくるのだった。
2013-01-11 23:23:43ある日、胸が苦しくどうしても寝つけられなくなった翔はふらふらと台所に向かった。水を飲もうとコップを探っていると、背後でことんと音がした。驚いて物音のした方にいくと、そこには大きな瞳を見開いて彼を凝視する、人形のように小さな少女が立っていた――。
2013-01-11 23:27:22