火力と連携した機動に大切なもの

歩兵の下車戦闘において衝撃力を維持するには、それを同行支援する器材が必要ですね、というお話
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錆猫 @Nyar_Horten

単ニ砲数及弾薬数ト攻撃精神トヲノミ唯一ノ資料トシ攻者火力ノ発揚能否ノ本源ヲ深ク介意スルコトナク攻撃ヲ敢行セントスハ聊カ軽率無謀ノ挙ニシテ早晩防者ノ術中ニ陥ルモノ也(砲兵戦術講授録)

2010-08-22 09:44:36
錆猫 @Nyar_Horten

要するに多数の火砲による遠距離戦を延々続けていても、それは防御側の攻撃側に対する万全の対応(増援や陣地の強化)と士気回復の時間を与えるに過ぎませんよ、という第一次大戦時の戦訓な訳ですが、そういった状況に陥らない為には

2010-08-22 09:44:55
錆猫 @Nyar_Horten

突撃ハ我砲兵ノ猛烈ナル効力射撃ニ移リ砲煙弾雨ヲ以テ一時敵線ヲ掩フノ瞬間ヲ最良ノ時機トス即チ歩兵ハ盛ナル砲火ノ下ニ立チ同時ニ突撃ヲ実施セサルヘカラス徒ニ砲火ノ効力ヲ待チ後ニ突撃セントスルカ如キハ己ニ好機ヲ逸シタルモノト云ワサルヘカラス(野戦砲兵戦術)

2010-08-22 09:45:17
錆猫 @Nyar_Horten

とある様に、火力で圧倒乃至拮抗している状況を作り出したら、それに乗じて敵陣に味方部隊の突入制圧を実施すべきですよ、となる訳です

2010-08-22 09:45:28
錆猫 @Nyar_Horten

ちなみに第二次大戦中太平洋方面で見られた島嶼攻略戦、例えば硫黄島辺りにはこれ等は当て嵌まりません。何故なら防御側は完全に包囲孤立した状態であり、増援も遅滞戦術=後退する場所も無いからです(だからこそ米軍は念入りに砲爆撃を実施できたのです)

2010-08-22 09:45:51
錆猫 @Nyar_Horten

とはいえ砲戦が継続していたとしても、当然砲戦に供される重砲乃至野砲といった長射程火器はそれに拘泥されているでしょうか、それ以下の軽砲並びに機関銃(近年で言えば各種携帯火器乃至ミサイル)といった火器は攻撃側に対して指向しているわけです

2010-08-22 09:46:09
錆猫 @Nyar_Horten

また重砲等の流れ弾とそれが巻上げる土砂も防御力が皆無に近い歩兵には脅威ですし、何よりその様な状況では地面は掘り起こされ、また同じく突入をする、しかし防御に劣る機材は突入の際撃破され後続機材の障碍物として機能し、結果味方の衝撃力が削がれてしまいます

2010-08-22 09:46:33
錆猫 @Nyar_Horten

そんな中に突入する際、そして恐らく一定以上の防護の施された銃砲陣地の発見と適切な破壊を考えた場合、攻守走捜がそれらに対処可能な程度に優れた機材があれば其の成功率は向上しますよね、と。戦車とはその為の機材なんです、というお話でした

2010-08-22 09:47:01
錆猫 @Nyar_Horten

ちなみに、航空支援や艦砲等の支援はパラメータとして含んでいませんが、例えば古くは日本陸軍戦時特報第23号「機動部隊艦載機ノ集中打撃力ハ強大也砲爆撃モ築城堅固ナレバ損害少ナシ」

2010-08-22 09:47:16
錆猫 @Nyar_Horten

最近の事例だと湾岸戦争に於ける砂漠という隠蔽が容易ではない状況下でのイラク警護隊3個師団に対する空襲の結果(約千両の戦車の内、撃破されたのは166両)辺りが敢えてそれらを含まなかった理由です

2010-08-22 09:47:37
錆猫 @Nyar_Horten

なお、基本守勢に立つ筈の陸自には関係の無い話、と思われるかもしれませんが、そも陸自の仕事は上陸した敵戦力を海に叩き落とす事です(島嶼戦の場合は逆上陸した上で其れを行う事になります)。つまり時至れば攻勢に転じる訳ですから、やはり其の要になる機材は必要、という事になります

2010-08-22 09:47:58
錆猫 @Nyar_Horten

そういえば前の戦車っぽい話、防御側に戦車という要素を入れてませんでした。別に何か含むところがあったからではなく、単純に忘れてたからなのですが

2010-08-24 07:37:23
錆猫 @Nyar_Horten

防御側に戦車が含まれた場合、固守(基本トーチカ的運用)、或は遊撃(防御陣地で敵戦力を誘引しつつ、側後方から急襲等)といった用法が浮かびますが、何れにせよ防御側の目的に見合った形で攻撃側の衝撃力を減殺、攻撃側の目的達成の難易度を上げる事になるでしょう

2010-08-24 07:37:34
錆猫 @Nyar_Horten

要するに攻撃側のみならず、防御側にとっても戦車に類する機材は要になりますよ、という事です

2010-08-24 07:37:46
錆猫 @Nyar_Horten

ちなみに、原則防護力を陣地設営に掛けた時間の度合いに依存し(逆に言えば時間が取れなければ防護力も高が知れたものになる)、且機動も予め定められた地点への移動以上の自由が無い(防護や砲撃時の安定性を考慮しなければ其の限りでは無い)各火砲によって構成された陣地に

2010-08-24 07:38:04
錆猫 @Nyar_Horten

単独で戦場に於ける最大の火砲にも抗堪可能で且機動に制限の無い(作戰上行動範囲に制限が設けられる可能性はある)戦車に相当する機材が加わるのは、例えば本来GKしか居なかった筈の自チームエリア内にDFやMFが加わるのと似た様な効果が発生すると考えれば分り易いかと

2010-08-24 07:38:17
錆猫 @Nyar_Horten

戦車ハ常ニ其行動ヲ秘匿シツツ敵ニ近接シ勉メテ同時ニ戰闘ニ加入シ以テ奇襲的効果ヲ収ムルコト緊要也(作戰要務令第二部)。つまり10TKですね

2010-08-24 19:15:28
錆猫 @Nyar_Horten

何といっても有効なのはパッシブ型熱戦映像装置である。(略)物体から放射される赤外線を検知して、5km以上先の敵を昼夜関係なく映像として把握する事が出来る。最新の戦車では、車長と砲手用にそれぞれモニタがあり2人で監視する事が可能である(ハイテク兵器のしくみより抜粋)

2010-08-25 00:34:07
錆猫 @Nyar_Horten

ゲリラコマンドとしては単純な攻守よりもこういった索敵能力の方が怖いのでは、と。勿論、其の上で生半な手段で撃破出来ない事実と恐ろしく精度の高い銃座兼司令塔として要所に居座る事によって浸透ルートが限定されるのも、更に頭が痛くなるところでしょうけど

2010-08-25 00:34:14
錆猫 @Nyar_Horten

ところで、現用FVの単価でベトロニクスの占める割合ってどれくらいなんでしょうね。恐らく対処すべき脅威度に応じてベトロニクスそのもののコストは上下するのでしょうけど。さておき、出勤します

2010-08-25 07:16:36
錆猫 @Nyar_Horten

戦車が不要という話は大抵の場合携帯火器の発達と対になってる様な気がしなくもなく

2010-08-27 01:46:52
錆猫 @Nyar_Horten

ただ問題なのは、それを携行する存在の性能は原始時代からさほど向上していないという辺りです

2010-08-27 01:47:12
錆猫 @Nyar_Horten

要するに高速で飛来する破片で容易に無力化され、高だか数十キロの装備しか運搬できず、移動速度が巡航4km/h程度の存在が単発火力だけ戦車に対処可能になったに過ぎない事実が往々にして見落されてるのではないか、と

2010-08-27 01:47:33
林司@るーしゃんず @Archangel_HT

@Nyar_Horten 「人間というプラットフォーム」に固有の脆弱性は、大抵のATGM万能論とかでスルーされてますね。

2010-08-27 01:50:09
錆猫 @Nyar_Horten

@Advanced_MH はい。一応陣地を設営してしまえば脆弱性の問題は緩和されますけど、そうすると機動性が無くなってしまう事も結構見落されがちですね

2010-08-27 01:53:52