【チラシの裏】 M1903小銃のエキストラクター(抽筒子)について。

睦月光輝氏のまとめに触発されたので、3ヶ月以上前のツイートを掘り返してみた。 【私的まとめ】エジェクターとボルトアクションのコッキング機構 http://togetter.com/li/438789 M1903はいかにして単発射撃に対応したか?ということとそれについての蛇足のチラ裏まとめ。
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革命的小銃弾 @3006springfield

1903は原型のマウザー98アクション同様、コントロールド・ラウンド・フィード(CRF)の爪状固定エキストラクターで、これは自動銃で一般的な可動式のエキストラクターと違い薬室に直接装填すると閉鎖時に薬莢のリムとエキストラクターの双方を痛める結果になる。

2012-09-16 19:35:13
革命的小銃弾 @3006springfield

しかし、1903ライフルの単発装填時はマガジンから弾を拾い上げずに先の動作で装填する必要がある。 その時エキストラクターの問題をどう解決しているか、それが疑問だった。

2012-09-16 19:37:11
革命的小銃弾 @3006springfield

このトピックの9番目のコメントによると、1903のエキストラクターはその爪の前面を傾斜させ、リムを乗り越える(=可動式エクストラクターのように働く)弾性を持たせている、ということらしい。 http://t.co/dwVRu7tk

2012-09-16 19:42:25

対象部引用。
「The extractor on the M1903 design has a bevel on the front edge of the extractor and enough “spring” in the design to allow the extractor to ride over the rim of the cartridge and engage the extraction groove. 」

革命的小銃弾 @3006springfield

実際、98系アクションと1903のエキストラクターの画像を見比べると、1903の物は傾斜というよりは前面がカーブしていて弾性があるように見える。 98: http://t.co/C8ev1Pq5 1903:http://t.co/f2Wy8DTt

2012-09-16 19:46:33

M1903 エキストラクター http://twitpic.com/bv10pd

98マウザー系エキストラクター http://twitpic.com/bv11gi

ここから

革命的小銃弾 @3006springfield

トピックのコメントではエキストラクターの形状により弾性を持たせている、という記述のみ。 しかし、1903ライフルのブリーチ(ボルトフェイス)デザインもこれをサポートしているのではないかという、勝手な推測をしてみた。

2012-09-16 19:56:33
革命的小銃弾 @3006springfield

Gun06年12月号のTurk氏による1903レポートによると、このライフルはコーン(Cone 円錐)ブリーチというデザインを採用していて、ボルト先端が45度の円錐に収まるようになっているとのこと。

2012-09-16 20:00:32
革命的小銃弾 @3006springfield

これによってマガジンからの給弾がスムーズになるとのことだった。 これは、ボルトフェイスが98系は薬莢底部が(リムが滑りこむ位置以外)全周覆割れているのに対し、1903のそれはほぼフラットな平面になっている構造だ。

2012-09-16 20:04:02

M1903 ボルトフェイス http://twitpic.com/bv13j7

98マウザー系 ボルトフェイス http://twitpic.com/bv1437

革命的小銃弾 @3006springfield

この違いが直接装填した場合にリムの逃げ道が出来、それとエキストラクター両方のダメージを避ける様になっているのではないか、というのがこの勝手な推測の内容。

2012-09-16 20:09:38

ここまで事実誤認

革命的小銃弾 @3006springfield

コーンブリーチの解釈に間違いがあった。 これはむしろロッキングラグ前面形状やバレルエンドに形作られ、ブリーチフェイスのカウンターボア状の加工は両者共通のものだった。 しかし、これでは何故フィーディングや作動(ボルトの往復)がスムーズになるのかが分からない。

2012-09-16 22:31:29
革命的小銃弾 @3006springfield

06年12月号のTurk氏の解説では、コーンブリーチによるヘッドスペース増加によるデメリット(=異常腔圧時の保護されていないケースヘッド部からの破損・ガス漏れ)は事細かに説明されているが、メリットについて何故そうなるかの説明はない。

2012-09-16 22:34:37
革命的小銃弾 @3006springfield

尚、デメリットは机上論レベルの問題とのこと。

2012-09-16 22:34:56
ハメル @BGenHummel

@3006springfield M1903のボルトフェイスも窪みがあるように見えるのですが、この窪みが浅いという意味でしょうか……?

2012-09-16 20:44:26
革命的小銃弾 @3006springfield

@BGenHummel これはこちらの誤認識で、ボルトフェイスのカウンターボア加工に関しては両者とも共通でした。 申し訳ありません。

2012-09-16 22:42:32
革命的小銃弾 @3006springfield

なるほど、実際のバレルエンドを見るとフィーディングがスムーズだというのはよく分かるな。 上から三つ目の画像、左が1903の本来のバレルエンド(コーンブリーチ)、右が延長部を排除したバレルエンド(非コーンブリーチ)。 http://t.co/Bb1mWfYH

2012-09-16 23:00:36
革命的小銃弾 @3006springfield

多分作動がスムーズというのは、ボルトの往復ではなく開閉鎖時、つまりハンドルを上げ下げする際にあの面取り加工でそれの抵抗が少なくなるのだろう。

2012-09-16 23:11:10

左:M1903バレルエンド(コーンブリーチ) 右:それ以外のライフルのバレルエンド(非コーンブリーチ) http://twitpic.com/bv167e

という訳でブリーチ形状は単発装填時のエキストラクター破損対策には関係無い模様。