快は正の価値を(そして価値的にはそれのみを?)含意するか

価値論には快楽説(快がそしてそれのみが価値の源泉である)という立場があります.それを補う形でさまざまな価値の理論が生まれましたが,どの理論も快が価値ではないとは言わないように思います. しかし,快と正の価値とはほんとうに不可分なのでしょうか.
1
at_akada @at_akada

@pubkugyo 質問に対して敷衍しておくと、害ということでふつう考えるのは、個人にとっての価値ですが、かならずしもそこで快楽説を採る必要はないです。客観リスト説を採る論者には、福利に美を含める論者もいるようですね。

2010-08-20 10:13:53
at_akada @at_akada

@pubkugyo 端的な善悪を問題にするとしても、個人の快不快は端的な善悪に結びつくと思いますねー

2010-08-20 10:37:21
kugyo W @pubkugyo

同じだけ価値を増せるなら,快が価値であろうとなかろうと,なるべく快も増すように増したほうがいいのはそりゃそうなんで,あとは程度の大きくなるように,ってとこかなー.1番つまらぬ知識の価値でも,1番すばらしい快の価値に勝る,などの順序があれば別だが.

2010-08-20 10:46:45
at_akada @at_akada

@pubkugyo 何度も絡んでごめんですが、「快も増すように増したほうが【いい】」というのはすでに価値への言及ではないでしょうか。いや、わたしはそもそも「快が価値ではない」という立場が理解可能なものかどうか怪しんでいるので。

2010-08-20 11:39:53
at_akada @at_akada

@pubkugyo 快楽説以外の支持者は「快以外の価値もある」と主張しますが、それはあくまで快以外を認めたいだけであって、快は何ら価値に結びつかないって立場はちょっと想像しがたいです

2010-08-20 11:43:03
kugyo W @pubkugyo

.@at_akada そうですね.(「にとっての善」をMooreが批判したんでした,というのも思い出した.)しかし,例えば苦行主義みたいな立場があれば,快は価値をもたらさないと言いうると思います.

2010-08-20 11:45:41
kugyo W @pubkugyo

ただしここでいう苦行主義は,「知識という価値を得るためには快を我慢するのはしかたない」みたいなものではだめで,「たとえ不快なしに知識を得る方法があったとしても,不快とともに知識を得るほうがよい」などという立場でなくてはならないですね.

2010-08-20 11:47:29
at_akada @at_akada

@pubkugyo うーん、苦行とかマゾヒズムの基本的な考えは、「苦痛には、苦痛による悪もあるが、それを上回る価値がある」じゃないでしょうか。そもそも苦痛に悪い面がまったく無いという人がいれば、その人は苦痛を感じてないのでは

2010-08-20 12:05:45
kugyo W @pubkugyo

.@at_akada 苦痛を感じる苦行主義、こういうのはどうでしょう:「苦痛には悪い面とそれを上回るよい面とがあり、しかもそれらは概念的に切り離せぬ。苦痛のよい面だけの享受はできぬのだ。だから苦痛はよい(同様の分析で快は悪い)」 / 周りのひとみんなしりとりは手作業で解いてる……

2010-08-21 18:16:40
at_akada @at_akada

@pubkugyo 概念的に切り離せないというのはどういうことでしょう。「よい面」「悪い面」というアスペクトを取り出せるなら、少なくともある面で悪いと言えるんじゃないでしょうか。 / しりとり手で解けるんだ…

2010-08-21 18:38:09
at_akada @at_akada

@pubkugyo わたしの主張は、「苦しい」「痛い」はネガティブな価値判断を含意するので、ネガティブな価値判断をいっさいしないなら苦痛を同定できない(苦行者も苦痛の存在を認めるなら何らかのネガティブな価値判断はしてるはず)というとこです

2010-08-21 18:43:58
at_akada @at_akada

@pubkugyo ちょっと考えてみましたが、苦行主義でもふつう、痛くて泣いたりするのは良いことと見なさないですよね。つまり、苦行主義は痛みそれ自体が良いという思想ではなく、痛みが「痛みに耐えて平然とする」などの素晴しいことを引き起こすからよいという思想なのではないでしょうか。

2010-08-21 19:31:11
kugyo W @pubkugyo

.@at_akada 快なことは必然的に,そのポジティヴな価値よりも大きくネガティヴな価値をも持つ,ので悪いという立場(PaB苦行主義)は一見可能そうです.この立場にとっては快が価値に結びつかない.もちろん,ポジティヴな価値だけを持つ快が可能であれば,この立場は維持できませんが.

2010-08-22 02:58:03
kugyo W @pubkugyo

.@at_akada あ,「快なことは必然的にとても悪い」って場合にも,「快は善い」ことを認めてよいかどうか,が争点だと思いなおしました.でももし必然性が言えれば「快は善い」とは言えなくなると思うのです. / 「物体の回転」と「回転する物体」との区別を転用したら言えないかな.

2010-08-22 03:18:36
at_akada @at_akada

@pubkugyo all-things-considered な善悪と、出来事それ自体の善悪を分けるべきだと思います。all-things-consideredな善悪とは、結果の善悪をすべて勘定に入れた価値のことです。

2010-08-22 10:49:08
at_akada @at_akada

@pubkugyo 「快は、それ自体として良いが、all-things-consideredで悪い」というのは別に変じゃないですが、同じものそれ自体として悪くかつ良いというのは矛盾だと思いますね。

2010-08-22 10:56:59
at_akada @at_akada

@pubkugyo ただすでに例にあげてくれたように、「異なる2つのものだが、一方が他方を必然的に伴なう」ようなケースがあれば、話は微妙になってきますね。「物体の回転はよいが、回転する物体は悪い」というのは矛盾ではないように思います(もしこの2つが異なる対象を指すのであれば)

2010-08-22 11:04:00
森功次/MORI Norihide @conchucame

@at_akada 面白そうな議論なので、追ってます。というのも、いま@pubkugyoさんとされている議論は、「ネガティヴな美的体験はあるのか?」という議論とちょっと似てそうなので。

2010-08-22 11:04:40
at_akada @at_akada

@pubkugyo しかしわたしの主張はむしろこうなのです。「もし、苦行主義が『快なものはそれ自体として悪い』と主張するのであれば(「快は善い」と言えなくなるのではなく)、快が矛盾した対象になってしまう」

2010-08-22 11:07:54
森功次/MORI Norihide @conchucame

@at_akada ひとつヒントになるかなとおもったのは、「構成要素」と「手段」の違いです。ステッカー(現在翻訳中)は「それ自体では不味いんだけど、料理全体の味を良いものにする調味料」という例を挙げています。

2010-08-22 11:08:30
森功次/MORI Norihide @conchucame

@at_akada この調味料はおいしい料理という結果に至までの「手段」ではなく、おいしい料理の「構成要素」なんだ、とステッカーは言うわけです。これは位置づけとしては、「美的体験の中にある苦痛」のようなものと似ています。

2010-08-22 11:09:46
at_akada @at_akada

@conchucame それはさっき言った all-things-considered な価値に近い話ですね。ただ考えていたのは、因果的に悪いことや善いことを引き起こすようなケースなので、「構成要素」のように典型的に因果的ではないケースも忘れちゃだめですね。@pubkugyo

2010-08-22 11:13:26
森功次/MORI Norihide @conchucame

@at_akada (でもたぶん、これはダイレクトには直結しない議論です。調味料の話と美的体験の話をつなげるには「美的体験の中にある苦痛のようなもの」という問題を、とりあえず「本当の苦痛」と見なしてスルーする必要があるので。キャロルなんかはたぶんこの立場。ウォルトンは反対かな?)

2010-08-22 11:14:15
at_akada @at_akada

@pubkugyo 話がごちゃごちゃしてきたのでまとめます。(1)もし快が悪いことを必然的に伴なうとしても、伴われることが快とは別のことであれば、依然として快はそれ自体として善い。(2)もし快がそれ自体として悪く、かつそれ自体として善いのであれば、快は矛盾した対象になってしまう。

2010-08-22 11:17:31
森功次/MORI Norihide @conchucame

@at_akada 一応補足しておくと、この議論は「美的体験はそれ自体で価値があるのか」というトピックの一部です。近年は反対派(キャロル)が多かったようですが、ここ最近、賛成派(のように見える人々)も出てきてる感じ。ウォルトンとか。(ネーハマスもそうなのかな?読んでないけど。)

2010-08-22 11:20:02
1 ・・ 5 次へ