nabe_yas1985が2013年に劇場鑑賞した映画【随時更新】

私的映画鑑賞メモ
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渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

小沢茂弘監督『三池監獄 兇悪犯』を阿佐ヶ谷ラピュタで鑑賞。戦前の三池炭鉱の劣悪な労働状況の描写が楽しい。看守側の金子信雄をはじめとする保身に走る小悪党集団に、囚人側の鶴田浩二&宍戸錠のアナーキーな破滅さをもつ大悪党集団が立ち向かうっていう構造が、東映っぽくて大好き。

2013-01-12 15:31:54
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

深作欣二監督『仁義なき戦い』を新文芸坐で鑑賞。初見では若干冗長に感じてた戦後闇市シーンを改めて見直すと良い。経済成長とともに反目しあう、田中邦衛や金子信雄と若者みんなで仲良く闇市を生き抜いているんだよね。彼らの青春の終わりが新生日本の青春の終わりと重ねていることがよくわかる。

2013-01-13 06:55:59
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

深作欣二監督『仁義なき戦い 広島死闘篇』を新文芸坐で鑑賞。番外編だけど、仁義シリーズで一番の名作。「旨いもん食って、いい女抱いくために、オメコの汁を商売にする」戦後生まれの元祖「半グレ」大友勝利の、栄光と挫折を堪能するための映画。仁義シリーズ唯一のヒロイン梶芽衣子もすごく美しい。

2013-01-14 00:44:32
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

笠原和夫が降りた『仁義なき戦い 完結編』では、頂上作戦編から始まった、山守親分引退による「コメディリリーフを失った過剰なシリアス化」問題が全面に出すぎて、駄作になってる。山城新伍演じる組織遊泳にたけた江田親分が頑張ってるんだけど、金子信雄の山守親分に比べると力不足は否めない。

2013-01-14 04:42:07
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

『仁義なき戦い』シリーズで、現代に通じる魅力に溢れたキャラと言えば、反権威の快楽主義者、千葉真一演じる大友勝利があがる。個人的にその次に好きなのは、山城新伍演じる、江田省一。金子信雄の老獪、田中邦衛の卑怯ではなく、軽妙さですいすい組織遊泳に成功していくのが山城新伍の魅力と重なる。

2013-01-14 04:45:50
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

個人的に『仁義なき戦い』シリーズは、無印・広島死闘篇・代理戦争編でいいかなという感じ。頂上作戦編と完結編があんまり好きじゃないのは、山守親分の引退と主要人物が全員組長になって、笑いの要素が減って、「青春とその挫折」っていうテーマもなくなったから。シリアスすぎてシンドイんだわ。

2013-01-14 04:39:55
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

『仁義なき戦い 広島死闘編』で、梶芽衣子が北大路欣也を誘うシーンがあるんだけど、台詞なしで1秒くらいの目力で誘うんだ。これがめちゃくちゃ綺麗で、かついやらしいんだ。このシーンのためだけでも見るべきですよ。

2013-01-14 00:46:22
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

深作欣二監督『蒲田行進曲』を新文芸坐で鑑賞。普通の会話シーンからいきなり映画調になったり、現実とフィクションをまぜこぜにするメタ映画としての演出が面白い。その構造が映画俳優として「過剰」なキャラを演じなければいけない登場人物の心情とうまく重なり合っているんだね。

2013-01-15 23:23:42
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

深作欣二監督『やくざの墓場 くちなしの花』を新文芸坐で鑑賞。大島渚率いる文字通り日の丸を掲げる警察と、在日朝鮮人ヤクザ梅宮辰夫と梶芽衣子の間で、満州引き揚げの刑事、渡哲也が揺れ、梅宮と梶につくという「ヤクザ映画」。1976年という「戦後の終わり」批評的に描写した作品ですね。

2013-01-18 02:29:45
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

深作欣二&笠原和夫コンピによる『やくざの墓場 くちなしの花』。警察が日の丸を会議室に掲げたり、対立するヤクザの梅宮辰夫&梶芽衣子が在日朝鮮人だったり、『県警対組織暴力』のような戦後批評を正面から試みた作品。ただ、『県警』に比べ人物描写が甘く、梅宮や梶の抱える闇がいまいちわからん。

2013-01-18 02:32:18
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

『県警対組織暴力』や『仁義なき戦いシリーズ』でも裏テーマとして戦後批評や天皇制批判はあった。でも、『やくざの墓場 くちなしの花』では「在日朝鮮人」や「朝鮮人ハーフ売春婦」って正面からだすことで、逆に人物や物語構造がステレオタイプな「良識的」なるていう弊害があるのね。

2013-01-18 02:35:19
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

深作欣二監督『仁義の墓場』を新文芸坐で鑑賞。親分を切り付け、兄貴分を射殺し、仁義に背き続け、迷惑かけまくった戦後はヤクザ、石川 力夫の狂気を渡哲也が熱演。特に骨をかじって、恐怖ではなく、狂気によってハナ肇を脅して、土地を巻き上げるシーンが素晴らしい。「大笑い三十年の馬鹿騒ぎ」か。

2013-01-18 02:42:16
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

相米慎二監督『お引っ越し』と『夏の庭』を続けて鑑賞すると、同じ12歳の子供の一夏の成長物語でありながら、少女は「大人」に成熟するのに対し、少年は「少しものを知った少年」へと変化するに留まるということがよくわかる。この年代の男女の精神年齢の差ってこんな感じだよね。

2013-01-29 08:51:34
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

相米慎二監督『お引っ越し』をユーロスペースで鑑賞。少女として「家族が普通でないこと」に悩みながら、「普通でないことを受け入れて、それでもみんな元気でやっていくこと」を受け入れよう成熟してい12歳の一夏を演じた田畑智子が素晴らしい。シーンごとに目を見張るほど大人な表情になっていく。

2013-01-29 08:45:34
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

相米慎二監督『夏の庭』をユーロスペースで鑑賞。ストーリーの山場である戦争の記憶云々はちょっと紋切型で好きじゃない。でも、前半の「なんとなく」少年たちと、老人が世代を超えて心を通わせていく描写はホント素晴らしい。田中登監督の「人妻集団暴行致死事件」を思い出した。

2013-01-29 08:49:40
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

若松幸二監督『Endless Walts エンドレス・ワルツ』を早稲田松竹で鑑賞。狂気を主体的に選択し、自壊したジャズ奏者阿部薫と鈴木いづみをモデルにした実録もの。鈴木いづみって阿部に振り回されるんじゃなくて、彼女の狂気に阿部の狂気が感応した、という設定に感動。町田町蔵もさすが。

2013-01-30 10:54:40
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

若松孝二監督『われに撃つ用意あり』を早稲田松竹で鑑賞。新宿騒乱を戦い敗北した学生運動家たちの、数十年後同じ新宿でべトナム難民を助けるワンス・アゲイン物語。「撃つ用意」があった原田芳雄だけでなく、「今回も」逃げ出したかつての仲間たちを愛情たっぷりに描く、飲み会のシーンが大好き。

2013-01-30 11:00:19
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

今村昌平『豚と軍艦』では、基地文化の街「横須賀」を出て、「川崎の工員」として「正しく生きる」決意をした吉村実子より、基地の中で米兵をだましてしたたかに生きる南田洋子のほうが、よっぽど強さを感じるんだな。米軍文化を、日本文化と混血させ、どこにもない横須賀文化を創り出す気概というか。

2013-01-25 23:22:30
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

山口県の岩国市も、「基地文化」の街だけど、ここも横須賀と同じように戦前に日本軍と軍港あって、「海軍兵のいる暮らし」に耐性があったというね。ただ「基地文化」を頑なに拒絶する「沖縄ナショナリズム」みたいなもんが、なんとなく苦手な「本土」の人って結構いると思う。

2013-01-25 23:25:44
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

基地が、戦争への加担やら基地依存経済やら、様々な「社会問題」を推しつけたということと、基地のある街に生まれそれを文化的に背景と育った人間が、その背景からしか喜びも悲しみを感じ得ないということはきちんと峻別されるべき。

2013-01-25 23:18:41
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

今村昌平監督『豚と軍艦』を見ると、米軍支配に対する反論みたいなメッセージとは逆に、アメリカと日本のカルチャーが混在した横須賀という街が、ある種の文化的活力に満ちていた事を実感。いつも思うのは、なぜ沖縄が横須賀のような、基地ではなく「基地文化」の街になれなかったのかということ。

2013-01-25 23:15:04
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

今村昌平監督『豚と軍艦』を神保町シアターで鑑賞。戦後間もないころ、1ドル360円を背景に、米兵に占領されていた横須賀を舞台に、長門裕之はじめとするヤクザのすったもんだ。長門の恋人吉村実子が、男が皆アメリカに敗北したのを見て、米兵に群がる女の中を逆走し、街を出るラストシーンが良い。

2013-01-25 23:11:17
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

牛原陽一監督『紅の拳銃』を神保町シアターで観賞。物語とオチはご都合主義だけど、赤木圭一郎の格好よさにひたすらうっとりする。情感のない、乾いた演技がこんな様になる俳優が日本にいたんだなぁ。小林信彦や矢作俊彦が、彼の夭逝を嘆いたのがよくわかる。矢作の二村永爾ってこんな感じなんかね。

2013-01-25 14:00:15
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

ポレポレ東中野で曽根中生監督『実録白川和子 裸の履歴書』を鑑賞。『一条さゆり 濡れた欲情』みたいなのを期待してたから若干期待外れ。白川がポルノに惹かれる背景がよくわかんない。東京タワーから見えた偶然ちんどん屋とのセックスとか所どころ面白いシーンもあるけれど。

2013-02-16 23:08:44
渡辺やすし@新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

中島貞夫監督『暴動島根刑務所』をラピュタ阿佐ヶ谷で鑑賞。松方弘樹のアナーキーな魅力と、アナーキーすぎる滑稽の両面が楽しめる名作。受刑者が刑務所制圧して一夜のばか騒ぎも楽しい。高倉健や菅原文太のような追い込まれての反抗より、松方弘樹は本作みたいな「理由なき」無軌道な反抗がよく似合う

2013-02-17 23:31:16