内田樹( @levinassien)さんの橋下市長の桜宮高校入試中止について

橋下市長の強権的な政策決定へのtwitter投稿をまとめました。
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内田樹 @levinassien

桜宮高校をめぐる市長と「市長以外」の対立が深まっています。今回ばかりは「私は民意を代表している」という強気の発言が見られません。「次の選挙で落とせばいい」と言っているのは「民意が離れていること」を自覚しているからでしょう。

2013-01-18 12:28:42
内田樹 @levinassien

市長は強権的な政策決定の根拠を「私は民意を代表している」から「市長の権限である」にシフトしました。正当性の根拠を「リアルな民意」から「惰性化した制度」(選挙時の「民意」は任期満了時まで同一であるという擬制)に軸足を移したということです。

2013-01-18 12:36:15
内田樹 @levinassien

「民意」から「擬制」への正当性の基礎づけの変換は市長の得意の技のひとつです。文楽では、最初は「民意」(ハイカルチャーなんか要らない)を論拠にしようとして、それほど民意の支持が得られないと次は予算執行についての権限を盾に相手に屈服を強いました。同じプロセスをたどっています。

2013-01-18 12:42:26
内田樹 @levinassien

維新の会はまさに「現状に対する漫然とした倦厭感・うんざり感」を追い風にしてきた政治運動でした。その「制度に烈しい口調で文句をつける運動」の政治手法そのものが「制度」化し、「これ、前にもやってたな・・・」という既視感を市民が抱くようになったとき、維新の会の浮揚力は消えると思います。

2013-01-18 12:47:48
内田樹 @levinassien

学校教育についての根本的な誤解は、それが教育を受ける人間の「自己利益の増大」のためのものだということです。違いますよ。学校は知性的・感性的・霊性的に成熟した市民を継続的に供給して、共同体が生き延びるための装置です。学校教育の受益者は教育を受ける個人ではなく、共同体です。

2013-01-18 14:08:58
内田樹 @levinassien

学校教育を「投資と回収」や「代価と商品」や「費用対効果」というタームで語る人間は、学校教育がもたらす価値のエンドユーザーは自分自身だと思っています。当然、それをどう使おうとも自分の勝手である。それを利用して金儲けしようと、権力の座をめざそうと、どぶに捨てようと。

2013-01-18 14:11:39
内田樹 @levinassien

学校教育は先人の知恵を受け止め、それを後続世代に継承するための「パス」の制度です。でも、ほとんどの人はそれがわからない。自分の学習努力の真の受益者は「他の人たち、後の世の人たち」だという考え方を理解できない。それは仕方がない。ひとが幼児的であることを責めることはできませんから。

2013-01-18 14:14:44