尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう

尖閣諸島は歴史的に中国の領土であり、日本が一方的に奪ったと国際的にPRする中国。日本は事実を国際社会へ積極的に発信する必要がある。筑波大学名誉教授・尾崎重義氏の論考の要約と、皆さんから寄せられたコメントをまとめさせていただきました。
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記事の要約

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維新の会と太陽の党の政策合意では、「尖閣諸島について中国にICJへの提訴を促す」としているが、ICJは「法律的紛争」の解決を任務とする国際裁判所で、「政治紛争」を扱う機関ではない。 http://t.co/EPKCYGxe 尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう/尾崎重義

2013-01-18 23:46:43
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日本が尖閣問題をICJに付託すれば、日中間の法律的紛争として認めたことになり、尖閣諸島の日本領土としての地位を不安定にする恐れがある。 http://t.co/UMdpvmef 「尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう」尾崎重義(筑波大学名誉教授)

2013-01-18 23:48:01
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尖閣紛争とは、日本の領土としてこれまで認められてきた地域について、突然に中国側が領有権を主張したことにより生じた外交・政治の問題であり、決して国際法的な意味での領土紛争ではない。 http://t.co/06OGAiV8 尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう

2013-01-18 23:49:33
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先占の要件(1)その土地を領有しようとする国家の意思がなんらかの形ではっきりと対外的に表示され、(2)国家がその土地を実効的に占有することが求められる。1895年1月以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置はこの先占の要件を満たす。 http://t.co/7xdOPvQW

2013-01-18 23:51:54
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(1)の要件は、尖閣諸島を「沖縄県の所轄」と認めた閣議決定(1895年)、許可された民間人が現地で開拓に従事、標柱を建て日常的に国旗掲揚、日本の領有意思を黙示的に表示する統治行為を島に対して行ったこと等、領有意思は明確に表明された。 http://t.co/v8cDVPh5

2013-01-18 23:55:45
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(2)の要件は、明治政府が尖閣諸島を国有地に編入、民間人が国の指定する土地利用を独占的に行うのを許可したことは、国の実効的支配を示すもの。他にも、国有地台帳への登録と地番設定、警察や軍による遭難者救助等の行政行為など。 http://t.co/0tTLa5t6 尖閣はなぜ日本領か

2013-01-18 23:59:54
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ただし、先占の成立には、国際法上の無主地であるという条件あり。中国・台湾は1971年にこの点を突いて、「尖閣諸島は歴史的に中国の領土であったのを、日清戦争中に日本が一方的に自国領土に編入した」と主張し始めた。 http://t.co/C9oSTomG 尖閣はなぜ日本領か

2013-01-19 00:02:30
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尖閣諸島が歴史的にどのような法的地位にあったか考えるとき、時代を「明代」と「清代」に分けて考えるのが適切。「明代に尖閣諸島は中国の領土であったか」、そうでなければ、「清代に中国の領土となったのか」と順を追って考えると分かり易い。 http://t.co/iJ7FKXvx

2013-01-19 00:12:13
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明代に台湾島がまだ中国領でなかったという紛れもない歴史的事実を前提に考えれば、尖閣諸島が中国領とはありえない。絶海の孤島群である尖閣諸島が台湾と無関係に、はるか遠方の中国福建省の飛び地だったとか、中央政府の直轄領だったというのは荒唐無稽。 http://t.co/Rq1vCuBO

2013-01-19 00:15:26
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では、明代に中国が尖閣諸島を「発見」したという主張はどうか。1534年に冊封使陳侃が明朝の使節として琉球に赴く途中で尖閣諸島を望見し、これを中国語の島名で公式の記録に記載したことが国際法にいう「発見」に相当すると主張する。 http://t.co/HvZZYjod

2013-01-19 00:17:51
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しかし、これも直ちに否定される。この記録からは、諸島に対する領有意思が全く明らかにされていない。陳侃はただ久米島を見て「これすなわち琉球に属する島なり(乃属琉球者)」と述べただけで、琉球人に教えられて琉球領だと初めて知ったのである。 http://t.co/LocsMz5D

2013-01-19 00:36:18
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琉中間の通航が始まった1372年から陳侃が渡琉した1534年までの162年間に、琉球官船441隻が尖閣諸島の航路を通航したのに対し、明国官船は21隻。また琉球は陳侃の162年前より渡航しており、「発見」は琉球王国によってなされたといえる http://t.co/guQWrAXi

2013-01-19 00:49:48

(出所)上・中:那覇・福州航路図(沖縄県立博物館所蔵)、下:上江州家文書(久米島博物館所蔵)。ともに海洋政策研究財団島嶼資料センターより提供

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郭汝霖『使琉球録』(1561年)の「赤嶼は琉球地方を界(さかい)する島なり」の文言については、同じ郭汝霖の『石泉山房文集』の中に「赤尾嶼は琉球領内にある境界の島であり、その島名は琉球人によって付けられた」と述べた一節あり。 http://t.co/fvYDR286

2013-01-19 00:51:56
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次に清代。清代の文献で、尖閣諸島を中国領土と明記したものは見当たらず、そこに実効支配を及ぼした事実もない。唯一可能な議論は、尖閣諸島は地理的に台湾の附属島嶼で、台湾が清代に中国領土となったとき、尖閣諸島も中国領土となったと説くもの。 http://t.co/bfIaSc7O

2013-01-19 00:54:41
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Han-yi Shaw氏は、明代の『日本一鑑』の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言を援用し「釣魚嶼(魚釣島)は台湾島附属の小島」と説くが、解釈に無理あり。「小東」と「小東島」は区別されており、「小東の海(小東洋)にある小さな島」と読むのが自然 http://t.co/vOshHQ62

2013-01-19 01:01:40
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かくして、中国側史料の分析より得られる結論は、「尖閣諸島は、明・清代を通じて中国の領土であったことはないし、また、台湾の附属島嶼として見なされてもいなかった」というもの。 http://t.co/koy1tN0w 尖閣はなぜ日本領か

2013-01-19 01:05:36
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1902~32年の時期に中国は、西沙諸島に対するフランス先占の動きに強く抗議したのに対し、同時期、尖閣諸島における日本の主権行使は黙認。この事実は、この時期中国が尖閣諸島を自国領土として考えていなかったことを端的に立証するものである。 http://t.co/wXixsQA1

2013-01-19 01:08:56
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日本が尖閣諸島の領有権を有することは間違いない。日本は中国に対して主張と反論を繰り返すとともに、国際社会に対して積極的に発信していくべき。と同時に、尖閣に対する実効支配を強化していく必要がある。 http://t.co/ZhrJXAEV 尾崎重義(筑波大学名誉教授)

2013-01-19 01:10:40
リンク WEDGE Infinity(ウェッジ) 尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう 尖閣諸島は歴史的に中国の領土であり、日本が一方的に奪ったと国際的にPRする中国。日本は事実を国際社会へ積極的に発信する必要がある。

尾崎重義(おざき・しげよし)
[筑波大学名誉教授]
1936年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。国立国会図書館調査及び立法考査局勤務後、新潟大学、筑波大学等の教授を歴任。専門は国際法。

皆さんから寄せられたコメント

かみの @kamino_saga

自分に関係ないし、と思ってる日本人が多い気がする。どう思うかはそれぞれに任せますが、知識だけでも得ましょうよ。 RT @WEDGE_Infinity: 尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう http://t.co/0RaXFOvV

2013-01-18 14:00:36
DOPP@放浪㌠ @Dop_

残念なのは、この記事で中国側から反論が来ないだろうという事だ。この記事がネットで見れないであろうという事と本当のことでぐぅの音も出ないだろうから。 :尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう  WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/RCsGp0mH

2013-01-18 16:48:19