オタク系web小説における「五つの壁」の話。

小説家になろうの作品群を読んでいてふと思いついた仮説。
4

「キャラ漫才」という概念

物語 奏多 @k_monogatari

オタク系のweb小説における「定型」や「お約束」の機能の仕方には一種独特のものがある気がして色々考えていたんだけど、「キャラ漫才」という概念を軸にして考えると色々分かりやすくなる気がした。挿絵などに頼ることの難しいweb小説の中で「(オタク文化風に)キャラを立て」ようとした時に、

2013-01-19 01:32:42
物語 奏多 @k_monogatari

一番お手軽で一番普及したのがボケとかツッコミとか天然とかSMとかのような会話(=台詞のやり取り)における役割分担を利用する、すなわち「キャラに漫才をさせる」事だったのではないか。歴史的にはたぶん同人4コマや萌え4コマとかの影響。それともあかほり作品あたりまでさかのぼるのかな?

2013-01-19 01:44:09
物語 奏多 @k_monogatari

ともかくそうやって既に認知された「属性」表現に「漫才における立ち位置」を加える事で小説においてもより強固なキャラ表現を低コストで調達できるようになって大成功、と思いきや実はここには一つ大きな落とし穴があって、実は「キャラ漫才」ってそれ単体で成立しうる「一つの物語」なんですよね。

2013-01-19 01:55:45
物語 奏多 @k_monogatari

だから「キャラ漫才」を多用しすぎると、本筋のストーリーと単なる会話に過ぎないはずの「漫才」が主従逆転・換骨奪胎して本筋の方が完全に後景化してしまう。真面目な話の盛り上がりをチートとかで茶化すような話は大体この力学に縛られている。

2013-01-19 02:06:32
物語 奏多 @k_monogatari

でもこれまさに正しく「山なし意味なしオチなし」路線へまっしぐらというか、すべてをネタとして処理してしまうから盛り上がりが無くなっちゃって、それを偽装しようとするとそれはそれで高度な技術が要求される。「漫才」が無いと間が持たないしあっても話が平板無意味化して困る。まさに出口が無い。

2013-01-19 02:25:54
物語 奏多 @k_monogatari

これを回避するにはそれなりに骨太なストーリーを用意しアクセントとして「漫才」を活用するという高等テクというか真面目な努力が普通は必要なんだけど、まあとにかくお手軽に書きたいと思うと高コスト過ぎる。で、どうするかって時に出てくるのが物語のリアクション芸化=異世界探訪ものな訳です。

2013-01-19 02:30:28
物語 奏多 @k_monogatari

出会った人や起こった事件に主人公達が片っ端からリアクションしていく事そのものを本筋の話とすれば、漫才もリアクション(芸)の一環として回収されるのでお手軽に全ての問題が解決します。あくまでも「リアクション」が軸なので真面目な話をする時は漫才から自然に移行できて逆も可能だし割と万能。

2013-01-19 02:42:38
物語 奏多 @k_monogatari

で、この「漫才リアクション形式」を使うとキャラクターの変化・成長を書くことが凄く難しくなるんですよね。そもそも元々の動機が「(固定されて明確な)キャラを立てたい」という所にあったんだから当たり前と言えば当たり前の話なんだけど。RPGっぽいレベルやスキルがよく多用される理由はこれ。

2013-01-19 03:06:30
物語 奏多 @k_monogatari

つまりレベルやステータスというメタ的な指針によってキャラクターの変化や成長を表現している訳です。で、その先に世界丸ごとゲームなゲーム現実化ものやVR監禁ものがある、と。

2013-01-19 03:10:54

「リアクション芸」としての学園ハーレム

物語 奏多 @k_monogatari

ちなみに、次々新しい女の子が登場して主人公達が「リアクション」を取る事を繰り返す学園ハーレムものも一応この類型に当てはまるんだけど、勇者召喚やVRもの程には「ストーリーのお約束」が整備されていないんで若干ハードルが高め。平たく言うとゴールが決まってないから考えないといけない。

2013-01-19 02:54:19
物語 奏多 @k_monogatari

@k_monogatari ラノベによくある「学園ハーレム+能力バトルもの」もこの構造の延長線上にあると考えると色々分かりやすくなる気がした。能力や道具や必殺技の獲得がレベルやステータスに相当。キャラ固定の必然ヒロインは過程抜きに惚れる。無時間なハーレムに戦闘と勝敗で緩急や起伏。

2013-01-24 00:27:22
物語 奏多 @k_monogatari

この話 @izumino さんの提唱する所の「ねぎま串方式」 http://t.co/ViIkg6YX とかと比較すると色々見えてきそう。「パートごとのリアクションの主体が誰か」あたりが入口になるのかな。……大変そうだから誰かやってくれないかなぁ。あるいは既に出てる話題なのかな?

2013-01-24 00:51:02
物語 奏多 @k_monogatari

あとこの話、 http://t.co/4J0aVvvl の話題ともわりと密接に関わってる気がする。

2013-01-19 04:32:21

web小説の「五つの壁」

物語 奏多 @k_monogatari

ちなみにここまでの話はweb小説の成長段階ないし行き詰り(つまりエタり)やすいポイントの話でもあって、まず最初に設定の羅列を超えてキャラ漫才で話をつないでいけるかというのが第一の壁、次にキャラ漫才による平板無意味化をギャグセンスないしアイデアやシチュエーションの連続という物量で

2013-01-19 03:24:03
物語 奏多 @k_monogatari

乗り越えられるかが第二の壁。ちなみに物量が必要なのはリアクション芸は弄るネタが続かないと面白くないから。で、大体この辺の段階で話を最後まで書ききって完結させられるか否かの問題が浮上してきてそれが第三の壁。

2013-01-19 03:29:51
物語 奏多 @k_monogatari

第三の壁を超える所まで来ると、(定型の枠内なら)ストーリーは一応書けるようになったので、次はキャラ描写を深める=ドラマを強化する流れになる。でもそうなるとキャラを固定しようとするキャラ漫才の扱いが次第に難しくなっていく。ここを超えるのが第四の壁で、書籍化がちらつくのがこのあたり。

2013-01-19 03:37:07
物語 奏多 @k_monogatari

従ってその次の段階は当然のごとく「定型からの差分」という揺り籠から飛び出し自立した形でストーリーを物語っていけるようになる事で、これが第五の壁。ここまでくれば質はともかく体裁としては一応整うし運と努力と才能が有れば商業でもやっていける、のかも?

2013-01-19 03:46:12
物語 奏多 @k_monogatari

最近なろう系作品が続々出版化してるけど、第四の壁は超えてるものの第五の壁はまだ超えきってない段階で「商業化=なろうの文脈・定型からの自立」に手を付けちゃってる感が多分にあって、そこから状況の変化に適応してこのさき生き残っていくのは中々に険しい道だろうなぁと素人ながら思う。

2013-01-19 04:11:22

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?