数学的帰納法はなぜそう呼ばれるか
induction/deductionの対立図式が形成されたとき、はたして当初から「証明として確実かどうか」という観点がメインだったのかどうか、もっと「論証のノリ」のようなものに着目した違いだったのだろうか、という点が今でも疑問。
2013-01-20 17:35:37「幸いにして、当初の意味での演繹的な議論はその後、磨きに磨かれて厳密な証明の方法としての立場を勝ち取り、その代名詞と化した。いっぽう、帰納的な議論のほうはそうはいかず、認められた数少ない例が数学的帰納法であった」といった経緯だったら腑に落ちるのだが完全な妄想。
2013-01-20 17:46:35@silver_pork その感覚が現代の我々の感覚ゆえだったりするのかなぁ、と。数学的帰納法になぜか「帰納」という語が入っていることに、(他の証明法に比べれば)「無理もない」と感じる人は、現代でも一定数いるのではないかと思うのです。
2013-01-20 17:51:45@silver_pork 「いくつか調べて成り立つから、全部そうだろう」と進むのと、「n=kで成り立てばn=k+1でも」と進む類似性。前者は憶測にすぎず、後者はそれ自体が証明の対象である点が、我々から見たら激烈な違いですが、その辺りが当初は渾然としていたのではないか、とか。
2013-01-20 17:59:10@y_bonten んー、帰納法が「いくつか→全部」のステップを指すのに対し、数学的帰納法は「k→k+1」ではなく「0、kならk+1→全部」のステップを指すという違い、「k→k+1」は"全部"に至る推論ではないという違いが大きすぎて…昔はそこら辺曖昧だったんですかね。
2013-01-20 18:04:11@silver_pork ハッキングの方法は無理があるよね〜、と『蓋然性の出現』を読んだときに思ったので、ちょっと批判的に検討してみたいです。歴史的にはパスカルが数学的帰納法を最初に(アラビア?)定式化したとか言われているけど、帰納法と呼んでいたかはちょっと調べないとわからない。
2013-01-20 18:04:11@shinjike ほう、パスカルだったんですか!なるほど。論文やレポートに「はたしてパスカルはこの問題に気づいていたのだろうか」と書いてドヤ顔するチャンスですね(ばか)
2013-01-20 18:05:40@silver_pork おっしゃる通りですね。数学的帰納法を見て「これで証明になってるの?」と感じる人(私も初めはそうでした)は、その辺りが曖昧かもしれず、昔の人と感覚を共有できるかもしれません。
2013-01-20 18:09:55@silver_pork これによると"mathematical induction"の命名はド・モルガンらしいです。 http://t.co/X6rXdGm3 「数学的帰納法の命名はド・モルガンによるらしいが、本論の目的はその名前の歴史的由来ではない」とドヤ顔するチャンスです。
2013-01-20 18:10:521838年に、ド・モルガンは「数学的帰納法」という用語を定義・導入し、その数学的帰納法が厳密な基礎に関する明晰性なしに用いられてきた過程を示した。http://t.co/2Mq9G2ZY
2013-01-20 18:27:48数学的帰納法の名前の由来については、カッツ先生はこれを参照せよとのこと。 Origin of the Name "Mathematical Induction" Florian Cajori http://t.co/Y7HjLupX
2013-01-20 18:37:48カッツ『数学の歴史』第11章、練習問題43.「パスカルと他の人々の技法を記述するために、誰が最初に「数学的帰納法」という術語を使用したのかについて調べよ。この術語はなぜ選ばれたのか?」 いい問題だ。
2013-01-20 18:40:27