内藤正典教授による「アルジェリアの人質事件」と「マリ紛争」について-2013-1-21-

同志社大学の内藤正典教授による「アルジェリアの人質事件」と「マリ紛争」についてのツイートです
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masanorinaito @masanorinaito

なにが公正であり、なにが不公正であるかは、ごくふつうの市民の感覚でさえ、十分にわかる。それを越えた専門家でないと理解できない公正と不公正など、それは議論に値しない。

2013-01-21 13:15:08
masanorinaito @masanorinaito

前にも書いたが、ネルソン・マンデラはテロリスト扱いされなかったか?ヤセル・アラファトはテロリスト扱いされなかったか?毛沢東(ただし抗日運動当時の)もテロリスト扱いされなかったか? むろん、彼らの当時「テロリスト」という表現は使わなかったが、扱いとしては同じようなものだったはず

2013-01-21 13:13:36
masanorinaito @masanorinaito

予想通りだが、欧米諸国はアルジェリア政府の強硬策を支持し始めた。「テロとの戦い」という言葉は、いかなる抵抗も許さないほどの絶対的真理となっている。だが、問題は、「それが本当にテロとの戦いなのか?」の検証を経ていないことにある。

2013-01-21 13:12:10
masanorinaito @masanorinaito

問題は、好きか、嫌いかではない。当事者が民主的なプロセスで選んだものに対して、外部者は、しばらく静かに見守るべきである。私たちの価値観とあわないことなど、当然、予想できる。しかしだからといって、危険な芽は早めに摘み取れとばかりに、政治的、軍事的に介入するのは不公正である。

2013-01-21 13:10:04
masanorinaito @masanorinaito

つい最近、「アラブの春」のエジプトでも、私たちはそれを目撃したではないか。タハリール広場で自由と民主主義を訴える西欧化した若者たちが選挙で勝利できなかった(つまり民衆の支持を得られなかった)となるや、革命はイスラーム主義者に乗っ取られたと欧米のマスコミは騒ぎたてた。

2013-01-21 13:08:04
masanorinaito @masanorinaito

しかし、もしそうなら、民衆の支持をどうして集めることができるのか。民衆が支持しはじめると、欧米諸国は、支持しない民衆の声だけを拾い集めて、イスラーム組織が台頭したら、こんなに酷いめにあわされるというプロパガンダを繰り返す。

2013-01-21 13:06:35
masanorinaito @masanorinaito

9・11が起きると、世界は一斉にタリバンを「山賊」「野盗」「テロ組織」呼ばわりして、彼らを力で排除することを支持した。欧米諸国は、自らの価値観体系にそぐわない集団を、絶えず「ならず者」扱いし、暴力的に抹殺することを肯定してきたのである。

2013-01-21 13:05:24
masanorinaito @masanorinaito

アフガニスタンがソ連侵攻に抵抗しつづけ、ソ連軍が撤退した後、北部同盟の「山賊」「野盗」による凄惨な暴力的支配で大混乱に陥った。そこにタリバンが勢力を拡大して、イスラーム法による秩序を回復した。

2013-01-21 13:03:21
masanorinaito @masanorinaito

イスラム武装組織を山賊扱いするだけでは粗雑の謗りを免れない。

2013-01-21 12:38:16
masanorinaito @masanorinaito

暴力性を肯定するようなもの。ジャーナリストなら証拠に基づけない解釈は控えるべきである。かつてアフガニスタンのタリバンも野盗テロリスト扱いされ、野蛮な方法で抹殺されるべきとされた。だがそれは真実ではなく、タリバンは徐々に勢力を回復した。

2013-01-21 12:37:56
masanorinaito @masanorinaito

では実態は、どうかと言えば、ろくでもない野盗集団と独裁者や侵略者フランス等に抵抗するイスラム武装組織が混在しているということ。だが野盗集団は次第に改心してイスラム法に従うようになっていく。「天声人語」が言うように単なる山賊だと規定するなら、彼らを法の裁きなしに処刑する軍事国家の

2013-01-21 12:29:24
masanorinaito @masanorinaito

金づるは誘拐の身代金、武器や麻薬の密輸と聞く、イスラム武装組織の実体は聖戦をかたる山賊と。フランスなど欧米の反イスラム宣伝に便乗した粗雑な文。そういう行為をしていれば当然イスラムをなのる資格はない。他方、イスラム組織はそういうことはしないというのも事実。

2013-01-21 12:21:00
masanorinaito @masanorinaito

今朝の朝日「天声人語」 北アフリカから中東に及ぶ「アラブの春」で体制のタガが緩んで砂漠はテロリストの楽園と化しているそうだ、と。では、独裁者の支配が良かったとでも言うのか?被害者の心情を思いやることと問題の構造にでたらめな解釈を加えることは別である。

2013-01-21 12:11:03
masanorinaito @masanorinaito

安否がいまだ確認されないことへの家族の祈りを考えるとなんとも言えぬ重く苦しいものを感じる。血盟団だか何だか知らんが、おまえたちも、アルジェリア政府も、このままで済むと思うなよ。

2013-01-21 04:11:37
masanorinaito @masanorinaito

彼らを追い詰め、差別し、搾取しつづけてきたことで、最後の手段としての暴力的ジハードに駆り立ててしまったのである。ここでいう彼らというのは、ごく普通の市井のムスリムである。ムスリム男性は誰しも戦士たりうるし、同じムスリムであってもイスラムを正しく実践しない統治者は最後に力で放逐する

2013-01-21 02:36:46
masanorinaito @masanorinaito

不幸にして、我々がムスリムの価値観を話題にするのは、テロや紛争や衝突のときだけであるために、日常の彼らの価値観を知ることができなかった。

2013-01-21 02:34:52
masanorinaito @masanorinaito

ムスリムと付き合うことは、そんなに難しいことではない。彼らの価値観は、神の絶対性の不可侵を除けば、非ムスリムとの共生を不可能にするようなものではない。

2013-01-21 02:34:09
masanorinaito @masanorinaito

愚かなことをしたものである。これから当分、世界のムスリムの怒りの矛先はフランス共和国に向かうことになろう。フランスは、テロとの戦いを名分にマリに侵攻したことで、自ら、テロの脅威を高めたのである。

2013-01-21 02:31:19
masanorinaito @masanorinaito

厄介なのは、この問題に関する限り、左派も右派もいっしょだということである。あれだけ強権的で右派色が強かったサルコジではなく、社会党出身のオランドが、いま、マリを侵略し、アルジェリア軍の強硬策を全面的に支持していることが、それを物語っている。

2013-01-21 02:29:55
masanorinaito @masanorinaito

そういうやつは処罰できるというのが、ここ十年フランスがムスリム移民に対してとってきた政策である。フランス政府が、啓蒙は、植民地支配のプラスの側面だと考えているだろうな、と私が思っているのは、こういう態度をまざまざとみてきたからである。

2013-01-21 02:28:33
masanorinaito @masanorinaito

しかし、移民はフランスの法を犯しているわけではないし、彼ら自身そんなつもりはない。しかし、フランス共和国にとって、世俗主義は憲法上の原則であり、それに従えないというのなら、早い話が「憲法違反」ということになる。

2013-01-21 02:27:28
masanorinaito @masanorinaito

自由・平等・博愛の最後の博愛は、 fraternitéで、本来、「あんたなんか嫌いだ」と言うような人にも平等に愛を与えるという意味ではない。仁義を切って杯を交わしたら愛してやるという意味にすぎない。フラタニティとは、同胞愛のような意味だから、同胞になるのは嫌だという相手は愛さない

2013-01-21 02:25:24
masanorinaito @masanorinaito

こういうことを繰り返していくうちに、フランスは、ムスリムを「啓蒙」できないことに気付き始め、一層、いらだつようになった。はっきり言えば、うちの国家原則に敬意を払い、順守するなら居てもいいが、できないなら出ていけという態度を明らかにしたのである。

2013-01-21 02:22:46
masanorinaito @masanorinaito

2005年に、パリをはじめ大都市近郊の貧困層向け住宅街で若者が暴動を起こしたのも、フランス社会に居場所を見いだせなかった若者の怒りが爆発したのである。暴動の主役になった若者には、イスラム色はなかった。

2013-01-21 02:21:29
masanorinaito @masanorinaito

しかし、そういう人たちも含めて、フランス社会は、やはり移民に対して、人種的、民族的偏見や差別を払しょくできなかった。フランスの価値を尊重してもなお、多くの移民は平等に処遇されたという実感をもてなかった。

2013-01-21 02:19:40