茂木健一郎の朝post10.08.23 「変化」

茂木さんの朝恒例post。8月23日の朝は「変化」について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(1)脳はオープンエンドで、一生成長し続けることができる。しかし、変化を妨げる要因もたくさんある。いかに変化をし続けることができるか。ここに、その人の潜在能力が生きるかどうかの分かれ道がある。

2010-08-23 09:24:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(2)創造性は、脳の学習のプロセスと深く関係する。最大の創造性は、自分自身が変わることである。多くの場合、感動が、新しいものと出会い、それを受け入れる脳の働きと連動して生まれる。感動できる人は、変化することができる人である。

2010-08-23 09:25:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(3)変化を妨げる要因もある。たとえば、認知的不協和。イソップ童話で、キツネが、自分がとることのできなかったぶどうを酸っぱいと決めつけ、失敗を合理化する。自分自身を振り返らず、他者を貶めることで変化を拒む。そのような人は成長することができない。

2010-08-23 09:27:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(4)逆に言えば、認知的不協和は、自分が変化するきっかけとなる。自分自身の今までの価値観、世界観と、新たに見いだした世界が一致しない時、安易に合理化して誤魔化さずに、自分自身を省みることができる人は変化できる。

2010-08-23 09:28:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(5)時には、負けることが変化へのきっかけとなる。明治維新の原動力となった薩摩と長州に共通していたのは、それぞれ薩英戦争、下関戦争で完膚無きまでに打ちのめされ、西洋列強の実力を知ったことだった。今までのやり方で何とかなると考えていた江戸幕府とは、危機感が違ったのである。

2010-08-23 09:29:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(6)今日の日本は変化を迫られている。日本の中で既得権に守られている人たちではなく、グローバリズムの波の中に直接飛び込んで、徹底的に負けて、強烈な危機感を抱いた人たちの中から、変革の担い手が出現するだろう。

2010-08-23 09:31:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(7)恋愛は、しばしば変化のきっかけになる。変化への柔軟性が高い人ほど、自分を変えてくれる人、成長させてくれる人を好きになる。単に相手を支配したり、所有したりすることで満足する人は、恋愛を通して成長することはできない。

2010-08-23 09:32:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(8)自分を変えてくれる他者は、最初は反発や違和感を抱かせる人であるかもしれない。反発や違和感は、今までの自分を守ろうとする精神の免疫作用である。やがて、相手が自分に福音をもたらす人であることがわかるにつれて、拒絶は受容へと変わり、生涯で最大の変化がもたらされることになる。

2010-08-23 09:33:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(9)古来、「男子三日会わざれば刮目して見よ。」と言う。すぐれた人は、どんなに完成しているように見えても、成長し、変化し続けている。三日会わなければ、まるで初めての人のように刮目して見なければならない。

2010-08-23 09:36:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(10)自分が何ものであるかを決めつけてはいけない。明日の自分は、今日の自分とは全く違う存在になっているかもしれない。そのような心構えでいる限り、人はいつまでも成長し続けることができる。

2010-08-23 09:37:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「変化」についての連続ツイートでした。

2010-08-23 09:37:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

変化(番外1) 「無知の知」の大切さを説いて、当時のギリシャの人たちに衝撃を与えたソクラテスが、獄中で最後に読んでいたのは、「キツネとぶどう」のエピソードを含む『イソップ童話』であった。

2010-08-23 10:02:12