変則単語しりとり【ニキと蜂村】ログ

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

始める前にまず、今回のルールをば。(´ω｀)【基本ルール】交替で１ツイートずつ文章を綴り、最後を体言止めで終わらせます。次の人はその最後の単語を文頭に使用して、文章を作ります。リレー小説ではないので、ストーリーは別に繋がっていなくてOKです！

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

【今夜の追加ルール】登場人物の名前２人設定し、その名前を固定で使用して文章を作成する。人物の性別、性格などは各文章毎に変わってよい。また文章毎に人物が死亡しても構わない。性別も流動してよい。それ以上人物が出て来る場合は適宜増やしてよい(増やした人物もその後誰が使用してもよい)

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

つまり、名前だけ固定された人物たちが、単語しりとりによる文章の中で色んなシチュエーションで色んなことをする、というようなものになります(´ω｀)

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

固定されるのは人物の名前だけであり、性別、性格などあらゆる設定は流動的なものとする(逆に、自分の担当分においては常に同じ設定を貫いてもよいとします)

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

ではまずわたしから１人、人物名提示させていただきま〜す！(´ω｀)名前は　蜂村(はちむら)。下の名前は指定しません。表記も自由になさってくださいませ！ @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 名前は「ニキ」　名字名前不詳、ひらがなカタカナ漢字Alphabet指定ありません。人間じゃないかもしれません。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

「しりとりをしても、お前に勝てる気がしない」と蜂村は言った。ニキは「なぜ」という顔で彼を見つめた。蜂村は答えた。「なぜって、お前の言う言葉は俺が脳内で想像しているものだから、溺愛するお前を勝たせないようにするのは、不可能だ」蜂村の目に映る今日のニキは、球体。 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 球体の押し売りにあって困っている。玄関開けたら目の前に、両手いっぱいに球体を抱えた球体が立っていた(脚は無い)。「蜂村様はこちらでしょうか」「違います」「表札には蜂村と」「……影武者です」嘘下手すぎだ自分。「引き取ってもらう契約なのです」しつこくて耐えきれずため息。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

ため息、とラベルの貼られた薬瓶を前に、ニキは途方に暮れていた。しばしの逡巡の後、思い切って瓶の蓋を開ける。はあ〜、と大きなため息が部屋に広がった。それだけ。ニキもため息をつこうとしたがあまりのくだらなさに、もう出ない。本当にこれだけなの？ハチムラの遺品。 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 「遺品なんです！！」「それなら尚更貰えません」「でもノルマが！！！」哀願するような球体押し売りの球体の曲面に免じてひとつ買ってやった。「蜂、球体もらった」「要らんわ」「どうする」「捨てとけ」家の裏手にある川へ、ボチャン。どんぶらこっこと流れていった。まるで、桃。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

「桃から生まれたからといって、桃太郎と呼ぶな！出自に縛るのはやめてもらおう。そうだな…蜂村。俺の名は蜂村！蜂のように生きるのだ。もしくは村のように増えるのだ」桃から生まれた男は言った。「増えたいの？」私は彼の桃でできた両拳を眺めながら。「なら、する？結婚」 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 結婚してからというもの、エリアに足を運ばなくなってしまった。二機の溶鉱炉が交互に立方体の焼却にいそしむ風景がおれは好きで、自転車漕いでよく見に行ったものだ。のびやかな黒煙が錆びた煙突からたなびき、その甘ったるい蜂蜜のような匂いを微かに嗅いだ、高校時代、あの夕暮れ。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

夕暮れ買います、と球体は言ったのだ。「あなたは今後一生、夕暮れを見られなくなる。代わりに500万円差し上げます。払いたいでしょ？ニキさんの入院費」「…それで、売ったの？だから夕方になると消えちゃうの？」病室のニキに問われ、俺は正直に答えた。「うん」「馬鹿」 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 「馬鹿め、私には負けられない理由があるのだッ！！」ドガン！バーン！！決まったァ！！勝者、〈14番目の立体〉ニキ！！！！　彼女はクルリと回り客席に一礼。その凛とした笑みが球体系男子の心を鷲掴み。格好良いに決まっている。ニキは皆の理想の投影、言わば、空想の、ヒロイン。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

ヒロインが怪物に食われてしまったので、物語が終わった後、勇者ハチ＝ムーラは独りになった。本当はヒロインと結婚するはずが、作者が"悲劇のほうがウケる"と変更したのだ。完結後の世界で立ち尽くす彼にニキは声をかけた。「わたしと遊ぶか」「君は誰？」「背景の、木」 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 木枯らしが吹きすさぶ中、蜂村タダシはコートの前をかき寄せながら、うつむきがちに森を歩く、数歩先には軽やかにステップを踏む白いワンピース一枚のその人、ときどき振り返っては蜂村に微笑を寄せ、たびたび念を押す。「式場はとても広いの。見失わないで。ちゃんと持った？　写真機」

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

写真機を構えると周囲の人々の視線が刺さった。当然だ、葬式場で写真を撮るなんて。だがそれが彼女の願い。遺言ではなく、リアルタイムの。「かわいく撮ってね」自分の棺桶の隣で白ワンピース姿の二木はポーズをとった。俺は少し涙を拭いてシャッターを押す。「ハイ、チーズ」 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 「ハイチーズがあるってことはローチーズもあるんかな」思いつくままに呟くこの男は真性のバカだと思う。「@ﾊﾁﾑﾗ 乳成分の濃度によってハイロー分かれていて一般的なプロセスチーズがちょうど中間です」「@ﾆｷ モッツァレラってどっちかな？」……騙されないでよ、単純な人。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

「人の体に球体の精神！」俺と体を交換した、謎の球体だったものは叫んだ。「でも球体ってその形状にアイデンティティーがあるのでは？形が俺なら君はもう蜂村では？」球体の形をした俺がそう言うと、俺の形をした球体は悲しい顔をして中身も俺になった。つまり俺は合計２人。 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 2人が並んで歩く背後を、球体がぼよんぼよんと跳ねながら、一定の間隔をあけてついて来る。こちらが早足になると球体のぼよんも早くなり、歩みを止めればその場でバウンドしている有様。高等意志なんて無さそうである。逡巡の後2人は決める「まこう」二手に分かれたものの球体も分裂。

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

「分裂した」蜂村が、二つになった頭部をこまったように傾げる。「ほほう」ニキは麺を食う手を止めてその頭を眺めると、突然ひとつをもぎ取った。「ウワア！何すんだ！」「お前は２つもいらん。取った」もいだ頭部を裏庭に埋めると数日後、小さい蜂村が発芽。それを売却。 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 売却手続きには保護者の同意が必要なんて聞いてないよぉ！　両手いっぱいに球体を抱え憤慨する球体(手はない)。「規則ですので」球体の保護者って何だろう、バイト身分ながら親身になって考えてしまう……「……はい今親身になったー！ 今日から球体のマザー！！」

黄色いT長（文章遊び用） @T_C_Z

マザーファッカーと大きく書かれた趣味の悪いTシャツを、銀色の球体が、ぱつんぱつんにして無理矢理着ている。球体は言った。「○」球体語はわからないが、あのTシャツは間違いなく…「蜂村！蜂村なのか」「◎」なぜこうなったのか全く謎だが、まあとりあえず、抱擁、接吻。 @mtn_river

山川夜高🏖せ-08・11/11(土)文学フリマ東京出店 @mtn_river

@T_C_Z 接吻。当たり前のように球体は人体に変わった。球の天辺にキスしたのは間違いだった。人でいうところのつむじだったのだ。「蜂村のつむじ8個ある」「嘘だあ」全てのつむじに唇を落とした。「ニキさんこっちは」「頭顔面部はなあ」「にきちゃんってば」知らんぷりが心地いい。黙殺。閉幕