第13回宗教者災害支援連絡会（宗援連）情報交換会の内容（島薗進さん）

島薗進 @Shimazono

１【宗教団体の支援活動と政教分離】宗援連情報交換会http://t.co/djqrhy4I 昨日1/14悪天候なれど充実した集い。２つのお話と討議。大石真氏（憲法学、京大法学部教授）「「信教の自由と政教分離原則」再考」、長谷川正浩氏（弁護士、全日仏顧問）「政教分離と復興支援」

島薗進 @Shimazono

２【宗教団体の支援活動と政教分離】災害支援活動において被災者が望んでいる宗教活動や支援活動に宗教者や宗教団体が関わろうとすると、行政側から「政教分離」を盾に待ったがかかることが多い。たとえば、慰霊・追悼の読経を願う遺族の声も聞き届けられないというような事態も生じた。

島薗進 @Shimazono

１２【宗教団体の支援活動と政教分離】宗援連の今後の活動。２月９日には国際宗教研究所と共催でhttps://t.co/GK7laGtK　シンポ「3.11以後の日本社会と宗教の役割」が行われる。また4/1（月）には　「長期的な支援に向けて――現場からの報告」と題して情報交換会。

島薗進 @Shimazono

３【宗教団体の支援活動と政教分離】また、政府や自治体の復興支援策において、宗教施設の復興が「政教分離」という理由で冷遇される事態も生じている。これらについて、大石、長谷川両氏は先進諸国の例とはだいぶ異なり、「政教分離」が「信教の自由」を凌駕することには問題があるとの理解。

島薗進 @Shimazono

４【宗教団体の支援活動と政教分離】大石氏はドイツ、フランス等の例を引きながら、市民生活の中に自ずから含まれる宗教的な次元（魂のケア等）を病院、避難所等の「閉ざされた」共同生活の場から排除するのは特殊例、日本の憲法学はこの問題に対して適切に向き合うことができないで来たとの解説。

島薗進 @Shimazono

５【宗教団体の支援活動と政教分離】政教分離を厳しく規定しているというアメリカ、フランスでも「宗教団体」と国家・政府との結合を問題にしているのであり、公共的次元、政治的次元に宗教が関わることを禁ずるものではない。フランスも政教分離法後、国家と教会との友好的関係に向かった。

島薗進 @Shimazono

７【宗教団体の支援活動と政教分離】以下は私の理解。大石氏に質問もしたことだが、キリスト教をベースに組み立てられて来た欧米の制度枠組みは神儒仏共存、とりわけ国家神道のあり方に即して「政教分離」を理解するのは容易でない。憲法学と宗教学、関連諸学の共同が必要だが進んでいない。

島薗進 @Shimazono

８【宗教団体の支援活動と政教分離】ヨーロッパは公認教制度が標準と見なすのがよいとのことだが、ドイツでカトリック、プロテスタント、東方教会、ユダヤ教、ついでイスラム、仏教として並列して地位を認められるような形に日本ではならない。１つは国家神道の扱い。もう１つは宗教団体の多様性。

島薗進 @Shimazono

９【宗教団体の支援活動と政教分離】国家神道問題はさておき、災害支援で問題になるのは公共空間での機能を委ねうる団体を行政側が認定する際の問題。これについて、大石氏は東日本大震災後の「心の相談室」（仙台）や宗援連（東京）の活動は打開の糸口になっていると。ヨーロッパでも

島薗進 @Shimazono

１０【宗教団体の支援活動と政教分離】同様の事態は見られる。信念を他者に押しつける活動を行う懸念があれば容認されない。また、イスラーム、仏教などは多様な団体があるので、共同の機関を形成し、そこが政府・行政との窓口となっている。東日本大震災後の日本で「宗教・宗派を超えた」連合体が

島薗進 @Shimazono

１１【宗教団体の支援活動と政教分離】目立つのは新たな動向と言える。心の相談室（仙台）http://t.co/sOj4YmxP　 は、臨床宗教師養成の試みと連携している。 http://t.co/4M7gKhd1　大石氏もこれらが日本の政教関係の新しい展開に関わると見ている。

島薗進 @Shimazono

６【宗教団体の支援活動と政教分離】以上は、大石氏や石井研二氏（國學院大）らが関わって行われた「海外の宗教事情に関する調査」http://t.co/1sERvr4r　を下敷きにしている。しかしこの認識を日本の制度や判例と結びつけて具体化するのは容易でない。