ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話

「チェルノブイリ事故の被害をうけたベラルーシ、ウクライナ、ロシアの大半の汚染農地はポドゾルおよびピート(泥炭土)からなる低肥沃な土壌。栄養分が少なく腐植質で、酸性pH、砂が多い」 こういうことならたとえセシウムの土壌濃度が同じ場所どうしを選んで比較しても、チェルノブイリ事故後のウクライナ、ベラルーシ、ロシアと福島事故後の日本とでは農産物への影響に大きな差がついて当然です。
科学 ウクライナ 放射性セシウム チェルノブイリ事故 農産物 酸性土壌 砂地 ロシア ベラルーシ 移行
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nao @parasite2006
ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話1:「チェルノブイリ原発事故被災国等調査報告および東電福島第一原発事故との比較」(福島事故後日本の農水省が派遣した調査団の報告)要旨http://t.co/4s0bXeQM スライドhttp://t.co/vg2Kd8X7
nao @parasite2006
ウクライナのチェルノブイリ事故汚染地域(特に原発の西側のジトーミル州)の主な土壌は草原ポドゾル、草原疑似ポドゾル、泥炭土。粘土鉱物が少なく、有機物含量は泥炭土を除いて小さい。いずれも放射性物質の保持能力が小さい土壌(http://t.co/4s0bXeQM p.1-2)
nao @parasite2006
草原ポドゾル土壌に作られた畑の写真がスライドhttp://t.co/vg2Kd8X7 p.11(場所はチェルノブイリ原発の西約70 kmのナロジチ。菜の花プロジェクトで知られる)。砂が多く粘土が少ないやせた土壌でセシウムが作物に移行しやすい。
nao @parasite2006
草原ポドゾル(ロシア語でsoddy-podzol)は芝地灰白土ともいい、痩せた草が生えた薄い堆積腐植層の下に特有の灰白色の層があることからついた名前。http://t.co/4EKajUbT ソドは芝草の生えた土地。ポドソルは亜寒帯(特にシベリア)の針葉樹林(タイガ)の酸性土壌
nao @parasite2006
泥炭土は粘土が少なく有機物が多い酸性土壌。セシウムが特に移行しやすい。伝統的に放牧地として利用されてきたことが牛乳への放射性物質移行の原因に。http://t.co/aV7DUoRh (出典はECが2000年に開催したシンポジウムの資料http://t.co/VmLQ5giL
nao @parasite2006
ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話2:京大原子炉実験所の原子力安全研究グループの資料より「チェルノブイリ原発事故による土壌中放射能の物理・化学的性状とその移行性」http://t.co/VmKx01p3 ベラルーシの研究者によるシンポジウム報告
nao @parasite2006
ベラルーシの牧草地土壌は主に砂ローム、改良泥炭、ポドゾル砂http://t.co/VmKx01p3 後ろ2つは粘土質が少なく、セシウム移行が起こりやすい土質。
nao @parasite2006
ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話3:東大大学院農学生命科学研究科食の安全研究センターが作成した「畜産物中の放射性物質の安全性に関する文献調査 報告書」http://t.co/K1TlK17U の文献概要http://t.co/5zHH8spc p.13の論文
nao @parasite2006
原典の英語論文はこれhttp://t.co/UxCv5PC7 (PDFファイルを用意してくれればいいのに)チェルノブイリ事故の被害をうけたベラルーシ、ウクライナ、ロシアの大半の汚染農地はポドゾルおよびピート(泥炭土)からなる低肥沃な土壌。栄養分が少なく腐植質で、酸性pH、砂が多い
nao @parasite2006
栄養分が少なく腐植質で、酸性pH、砂が多い(粘土質が少ない)結果、土壌内で放射性物質が移動しやすく植物による吸収が早い(裏を返せば移行阻止対策をとっても効果を上げるのは大変だろう)。
nao @parasite2006
こういうことならたとえセシウムの土壌濃度が同じ場所どうしを選んで比較しても、チェルノブイリ事故後のウクライナ、ベラルーシ、ロシアと福島事故後の日本とでは農産物への影響に大きな差がついて当然。
nao @parasite2006
とにかくチェルノブイリ事故後の周辺汚染地域は、事故後に放出された放射性物質の割合(Sr90が多い、Pu239, 240が多い。それも原発に近いほどhttp://t.co/VmKx01p3 )の面でも、これを受け止める土壌の性質(セシウムの移行が起こりやすい)の面でも明らかに不利

まとめ公開後にいただいたコメント:大変勉強になりました

KokyuHatuden @breathingpower
土質の差に加えて降水量も大きく異なりますね。.@parasite2006 さんの「ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話」をお気に入りにしました。 / “ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話 - To…” http://t.co/LPqke1eW
nao @parasite2006
ご指摘有難うございます。雨が降らないから、表面の土が雨でよそへ流れて行くこともあまりないわけですね。RT @breathingpower 土質の差に加えて降水量も大きく異なりますね。
おとみ@紫外線被曝中 @otomi_emishi
ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話 http://t.co/WsQnb2xU @地形も違うしね。あちらは川が蛇行しまくりの三日月湖が沢山ある平坦な地形。日本は急流が多い山や丘陵地。そして台風がくる。
Toshi Motooka @toshi_moto
大変に興味深く拝見致しました。総論としてはこのような形であろうと思うのですが、ただ、腐植が多い場合にはプラントオパール由来の非晶質含水型珪酸の量が多くなるように思うのですが、これの影響は考えなくても良.. http://t.co/ADVB0ZZx

→これの影響は考えなくても良いレベルなのでしょうか?

nao @parasite2006
@toshi_moto ご教示有難うございます。確かに植物体内には非晶質含水シリカhttp://t.co/khu5U7ll が存在して1価の金属陽イオンを結合しますね。ただ植物体内の非晶質含水シリカが.. http://t.co/7tx7Nthb

→実際に腐植経由でどのくらいの量土壌中に持ち込まれて、土壌のセシウム保持力を上げているのだろうかとも思います。またたとえ植物体由来のケイ素が土壌中に持ち込まれていたとしても、土壌が酸性の場合実際どの程度セシウムを結合できていたのかしら。

混沌の媒介 @ph_nglui
緯度経度違うのもあるし、農地の作り方も違ったと思う。 / “ベラルーシとウクライナの土質は日本とかなり違うという話 - Togetter” http://t.co/3iqLbR0r

参考:土質が違えばそこに住む人の内部被曝量に差が出ていたという報告(自給自足が基本の地域ならでは)

ツイートまとめ チェルノブイリでの内部被ばくと土壌 IAEA (2006) Radiological Conditions in the Dnieper River Basin http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1230_web.pdf チェルノブイリの土壌についての覚え書き:http://togetter.com/li/474705 1770 pv 38 1 user

参考2:土質の違いは川の水の中の微粒子や川底に溜まる土砂の性質にも現れます

灰猫(にゃーん野郎) @nekoyasshiki
福島第1付近の河川 放射性物質溶けにくく 鉱物粒子が吸着か | 河北新報オンラインニュース kahoku.co.jp/tohokunews/201… via @kahoku_shimpo
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コメント

Toshi Motooka @toshi_moto 2013年1月25日
大変に興味深く拝見致しました。総論としてはこのような形であろうと思うのですが、ただ、腐植が多い場合にはプラントオパール由来の非晶質含水型珪酸の量が多くなるように思うのですが、これの影響は考えなくても良いレベルなのでしょうか?
nao @parasite2006 2013年1月25日
toshi_moto ご教示有難うございます。確かに植物体内には非晶質含水シリカhttp://t.co/khu5U7ll が存在して1価の金属陽イオンを結合しますね。ただ植物体内の非晶質含水シリカが実際に腐植経由でどのくらいの量土壌中に持ち込まれて、土壌のセシウム保持力を上げているのだろうかとも思います。またたとえ植物体由来のケイ素が土壌中に持ち込まれていたとしても、土壌が酸性の場合実際どの程度セシウムを結合できていたのかしら。
nao @parasite2006 2013年3月26日
@sushikubo さんのまとめ「チェルノブイリでの内部被ばくと土壌」http://bit.ly/YbJ4H8 の引用を追加させていただきました。有難うございました。土質が違えばそこに住む人の内部被曝量に差が出ていたというIAEA報告。自給自足が基本の地域ならではの事情。
nao @parasite2006 2017年10月3日
「参考2:土質の違いは川の水の中の微粒子や川底に溜まる土砂の性質にも現れます」を追加しました。
こなみひでお @konamih 2017年10月3日
日本の土壌中の粘土鉱物がセシウムイオンを強く吸着することを知ったのは大きな驚きだった。
けいぶる・ぼーく @madfall1213 2017年10月3日
ポリーシャの風景を創りしもの 阿武隈とも相双とも異なりし風景を創りし土壌から想起される相場観大切
けいぶる・ぼーく @madfall1213 2017年10月3日
ポリーシャ…阿武隈とも相双とも異なりし風景を創りし土壌から…想起すべき相場観
KokyuHatuden @breathingpower 2017年10月5日
詳細な検証、ありがとうございます。福島県にとって大きな福音です。 参考までですが、粘土がCsを吸着することは、日本土壌肥料学会が2011年4月12日に資料を掲示しています。 http://jssspn.jp/info/nuclear/cs.html
KokyuHatuden @breathingpower 2017年10月5日
サイエンスポータルに2014年11月6日付で掲載された記事「福島の土がセシウム取り込む仕組み解明」 http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2014/11/20141106_01.html
nao @parasite2006 2017年10月5日
breathingpower 日本土壌肥料学会は震災直後から農業の復興に役立つ情報を積極的に発信していて、私もずっと見ていました。今もこのページhttp://jssspn.jp/info/nuclear/index.html にまとめられていて、折にふれて情報発信が継続されていることがわかります。
nao @parasite2006 2017年10月27日
「放射性セシウムを結合した土壌をいじって遊んだこどもが土のついた手を口に突っ込んで土を食べてしまったらどのくらい内部被爆するか?」という疑問に答えた論文の紹介を追加しました。
nao @parasite2006 2017年10月27日
菊池誠(@kikumaco )先生のツイートを1件追加収録させていただきました。ありがとうございました。