小太刀先生の突発TRPGマスタリング講座(仕事休憩)

参考になりそうでしたので、自分用にまとめてみました。
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小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

突発的TRPGガイド(仕事の休憩として):「自分はこのように上手なマスタリングができる」「しかるに他者はやり方を伝えたのにできない」という悩みを抱えているアナタ。その悩みの九割がたは、じつはあなたが無意識にやっているノウハウが言語化できていないことにあります。

2013-01-27 00:51:56
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

たとえばよく見るのが、「シナリオの構造は論理化できているが、マスタリングの時に行なっていることが論理化できていない」例です。しゃべり方や視線の向け方、立ち方、衣服、タッチタイピングetcによる印象操作によって、物語を望む方向に誘導しているのに、それに気がついていない場合ですね。

2013-01-27 00:53:10
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

三輪さんのシナリオ(特にクトゥルフ)は大変に上手くまた恐ろしいのですが、僕が同じシナリオをやってもそうはなりません。何故か。三輪さんが発話のタイミングや音程によって恐怖を演出し、時にその体格でPLを威圧、あるいは無力化してKPに集中させることも含め、演出に織り込んでいるからです。

2013-01-27 00:54:21
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

これを無批判に僕がシナリオだけコピーすると、板野作画のないイデオン劇場版のようなことになってどうも上手く行きません。個人の名人芸、という要素は確かにあります。

2013-01-27 00:55:13
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

しかし言語化し解体できる部分も確かにあり、たとえば、「三輪さんは開始後何分で正気度チェックを行なっているか?」「平均すると何時間で神話生物を登場させるか?」といった要素は分析解体が可能です。このようにして積み上げられたノウハウによって、マスタリングガイドは日々進歩しております。

2013-01-27 00:56:20
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

たとえばテストプレイですと、「GMはこのゲームのルール解説に平均何分かけているか」「レコードシートを書き込むのに何分かかるか」「どの漢字の記入に苦労するか」「オープニングフェイズにおけるPC1の平均的な発話数は」といった要素は数値化可能であります。

2013-01-27 00:57:24
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

ええと何の話だ。思いつきで書いてると話がそれて行きます(よくないライティングの例)。つまり人間の行動は多くの部分を無意識に依存しており、ノウハウを他者に語って伝わらない場合、自分の無意識行動の「意味」を分析する行為が重要です。

2013-01-27 01:00:43
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

人間はある行為に対しては必ず何らかのリアクションを返します。GMであれプレイヤーであれ、自分がある行為(腕組みでもポッキー食べるのでも)を行なった場合、他の人間がどう感じているか分析するのが勝利への早道です。

2013-01-27 01:02:33
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

これをうちの身内の用語では「ヒット確認」と言います。重要なのは、外した場合(相手が不愉快になったり無視したり)でも、その事実について落ち込まず、「む、外れた。なぜ外れたんだろう」と分析することです(激怒された場合は謝ってからね!)。自己嫌悪はこの際、何の得にもなりません。

2013-01-27 01:03:35
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

同様に、過度な自己肯定(「ヒットしなかった。これは相手が間違っているのだ」)も危険です。倫理はどうでもいいんですが、相手がそう判断した理由の分析になってないからですね。

2013-01-27 01:05:38
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

これを高度化させると他者vs他者のヒット確認が行なえるようになり、それらのデータを経験によって蓄積し、先ほどの数理的なデータを組み合わせることによって、マスタリング技術は飛躍的に向上するはずです。ガン=カタの説明みたいになってきたな。

2013-01-27 01:07:14
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

補足:なお、これは「あなたのテクニック」を否定しているわけではなく、「個人個人によって違うテクニックを分析することでテクニックを普遍化し、向上させるためのテクニック」です。為念。

2013-01-27 01:07:52
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

アマチュアのレベルでも、「同じシナリオを何度も遊ぶ」はノウハウ蓄積として大事です。いろんなことがわかるので是非やってみてください。僕は天羅の「吸血姫」やTORGの「夜明け前」、「蓬莱学園の秘密!!」あたりをさんざんやりました。

2013-01-27 01:12:01
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

と。追記。あと、ノウハウが伝わらない場合に意識すべきは、使っている言葉の違いです。たとえば「ネコ」と口にしたときに、それが動物の猫なのかレズビアンの受け役なのか手押し車なのかはわからないわけであります。もちろん、基本的には文脈から判断するのですが。

2013-01-27 01:31:22
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

難しい言い方をするとシニフィアンとシニフィエの関係なのでありますが(気にしなくていいです)、ノウハウ伝達ではこれが障害になります。たとえば、僕が「ゲッターロボみたいな」と言った場合、これは暗黙のうちに石川賢のコミック版なのですが、7割の読者の方はそう取らなかったと思います。

2013-01-27 01:32:38
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

TV版のゲッターかもしれませんし、スパロボのゲッターかもしれず、OVAゲッターかもしれないわけです(さらにそれらに細かい差異があります)。つまり、この時点で「ゲッターロボみたいな」という会話は成立しないのです。

2013-01-27 01:33:17
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

もちろんこれを突き詰めると「私とあなたの言語は同じではない」というややこしい問題に直面するので、実際のレベルにおいては、「齟齬が発生したら、自分が使っている単語の意味が相手にとって違うかもしれない」と認識するのがせいぜいと思います。

2013-01-27 01:34:17
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

ちなみに、自分の知る限りでは一番多い齟齬は他ならぬTRPGタイトルによるものです。「カオスフレアならPCはこうあるべき」とかですね。これがどういう誤解を招くかというと、9割型「カオスフレア」は「自分の身内におけるカオスフレア」の略なのです(笑)。

2013-01-27 01:36:00
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

人は暗黙の了解やその場の雰囲気なしにコミュニケーションを進めることはできないのですが、そこにトラブルが発生した場合、立脚する前提において誤解がある可能性をまず疑うと、だいぶスムーズになります。「TRPG」「遊んでるゲームのタイトル」「世界観」は疑うとよいです。

2013-01-27 01:37:01
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

実際にはTRPGは遊んでいる現場において無意識にルールや世界観が取捨選択されたり省略されたり追加されたりしているので、「同じ」ということはないのであります。皆正しいのですよ。

2013-01-27 01:39:03
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

追記の追記。さっきのシニフィエとシニフィアンの解説は「文学部唯野教授」の引用であります。文字数の都合で入らなかった。

2013-01-27 01:41:20
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

ちなみに、このあたりの概念が共通であるという誤謬を生かした(?)よくないプレイは、「●●というRPGだからこうやって遊ぶべき」という押しつけです。「カオスフレアだからPCは妙ちきりんな背景であるべき」とかですね。

2013-01-27 01:45:16
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

これは「自分が遊びたいカオスフレアは」と言えばコミュニケーションができるのですが、聖典のようにルールブックを持ち出すと話がややこしくなるわけです。あたかも、それに反すると異端者であるか、誤解していると認識されてしまうわけですね。

2013-01-27 01:46:07
小太刀右京/Ukyou Kodachi @u_kodachi

ケンカが目的ならそれでもいいのですが、コミュニケーションの場合は、基本的におすすめしません。あるいは、「ルールブックの●●pにあるとおり、これはこういう趣旨のゲームであるから」くらいはまとめるべきです(その場合もGMが最優先ですが)。

2013-01-27 01:46:53

番外編→たのあきら先生とのおはなし

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