情報収集衛星の意義に関する鈴木一人教授の視点

情報収集衛星レーダ4号機打上げ成功に際して、鈴木一人先生から情報収集衛星の意義について連続ツイートがありましたので、まとめてみました。
宇宙 国際紛争 情報収集衛星 衛星画像 インテリジェンス 護憲派
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Kazuto Suzuki @KS_1013
情報収集衛星の軌道投入成功。衛星、ロケットとも無事に上がり何より。これで初めてIGSが光学3機、レーダー2機という初期設計条件を満たす配置となった。この間、いくつか問い合わせがあったので、私の反応を以下で紹介しておきたい。 http://t.co/wA9NPEhy
Kazuto Suzuki @KS_1013
①情報収集衛星というと、ハリウッド映画のようなを想像しがちで、宇宙から何でも見れるような錯覚を起こしがちだが、衛星を使った画像インテリジェンスというのは、オンタイムの詳細なデータを取るよりも、一定の時間の中でどのような変化があったのか、ということを見定めることに一番適している。
Kazuto Suzuki @KS_1013
②ということは、毎日同じような画像を眺め、僅かな変化に神経を使うという地味な作業。なので、まずは新聞などの公開情報などを組み合わせ、何が起きているのかを大まかに察知し、その上で大きな範囲をカバーする画像を分解能の低い衛星(商用衛星でも可)で継続的に撮る。
Kazuto Suzuki @KS_1013
③それを眺めながら、変化のあるところをピンポイントで情報収集衛星で撮像する、という大きなインテリジェンス活動がまずは必要で、情報収集衛星はそのインテリジェンス活動の一部を担うに過ぎない、ということが大事なポイント。
Kazuto Suzuki @KS_1013
④アルジェリア人質事件で情報収集衛星の役割が問題視されているが、衛星はオンタイムで常時監視することができない。衛星が出来ることは、日系企業や邦人が活動している地域についての継続的な情報収集をし続けること。
Kazuto Suzuki @KS_1013
⑤今、アフリカは様々な武装勢力が国家のコントロールを離れて活動しており、そうした勢力がいつ日本の企業施設や邦人労働者に危害を加えるかわからないので、安全保障上の関心が薄い地域においても、邦人保護の観点からの情報収集を継続的に行うことが重要。
Kazuto Suzuki @KS_1013
⑥蛇足を承知で一言付け加えれば、私は護憲派の人ほどインテリジェンスに力を入れるべきだと考えている。護憲派が訴える憲法第九条の精神は「国際紛争を武力で解決しない」と言うことのはず。
Kazuto Suzuki @KS_1013
⑦そうなれば国際紛争が起こった時、それを武力を使わずに解決するためには外交で解決するしかなく、その外交を進めるためには情報が絶対に必要。どこで何が起こっており、どのような脅威が日本や在外邦人に迫っているのかを知らなければ、外交で解決することはできない。
Kazuto Suzuki @KS_1013
⑧そのためにも、情報収集衛星を「宇宙の軍事利用」などと非難するのではなく、憲法第九条の精神を守るためのインテリジェンス活動の一部として見ることが大事。(了)

コメント

A.C.✨NCC1710hh2 @AerospaceCadet 2013年1月27日
情報活動も重要だし先の北朝鮮のロケット打上げでも目に見える形で役に立ってるはわかるけれど、民生用の陸域観測技術衛星の観測が途絶えてるのにIGS予備機を打ち上げるのは正直どうかと思うよ。
hiroharu.minami @hiroharu_minami 2013年1月27日
「私は護憲派の人ほどインテリジェンスに力を入れるべきだと考えている」 ものすごく同感。戦争したくない国ほど、諜報には力入れるべき。
最終回の人 / プロペラおじさん @SgtCoward 2013年1月27日
戦争をするための偵察衛星ではなく、戦争を避けるための偵察衛星か…
quajzn @quajzn 2013年1月28日
必要性は大変よく分かったが、「運用面での法整備がどうなっているのか」というのに対する不安は残る。
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