創作に対する史実からの批判について

歴史もの創作作品周辺でよくある「史実からの批判(所謂”実際には○○は…”)」ですが、これについて一つ思ったことを。まあ、当方も人のこと言えないので自戒も込めて。
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神無月久音 @k_hisane

歴史上の人物や事件を題材にしたドラマに対し、史実的な検証というか、ツッコミをするに際し、「創作に対し、『史実と違う』と、単に批判するのは極めて容易である」ということを忘れるのはいかんよな、と今更ではあるが思ったり。

2013-01-24 20:51:49
神無月久音 @k_hisane

これは、批判するなということではなくて、批判自体はいいとして、どういう意識で行うかという問題で砂。要は、自分の優越感を満たすために批判するというのは、実に野暮であるよなあ、というお話でアリマス。

2013-01-24 20:58:33
神無月久音 @k_hisane

これは別に歴史ものに限った話でもありませんが、批判するために作品を見るというのは、その作品が明白に間違っているorクオリティが低く、批判自体は正しいことこの上なかったとしても、それはやはり品がいいとはお世辞にも言えんよなと。有体に言うと見苦しいし、キツい言葉でいえば醜悪である

2013-01-24 21:04:50
神無月久音 @k_hisane

念のためいうと、ここで対象となるのは、「自分の優越感を満たすための批判」で砂。世の中、罵倒芸というものがあり、作品を批判するために見るという点では同じものの、それはあくまでそういう芸であり、同一視するべきではなかろうなのです。まあ、批判される側からすれば五十歩百歩かもですが。

2013-01-24 21:12:11
神無月久音 @k_hisane

まあ、創作と史実は分けて楽しむべき、という毎度のお話で砂。というか、どういう創作作品があるかが、その事件・人物に対する、現代のイメージ・評価を示すバロメータと言えるのではないかなあと思うところなので、単に史実と違う/違わない、という見方しかしないのは実に勿体ないなーと。

2013-01-24 21:20:40
神無月久音 @k_hisane

例えば、女体化十兵衛が出てる作品が20個以上あったり(http://t.co/NqwAlyO2)、「柳生十兵衛で画像検索すると、なんかピンクっぽい(http://t.co/RNEohv84)のも、何故そうなのかを検討したり、あるがままに萌えるのも、「楽しむ」という点では同じで砂

2013-01-24 21:27:30
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神無月久音 @k_hisane

ただ、それはあくまで「創作作品が、あくまで虚構である」限りの話でアリマス。仮に創作作品の内容が「実際にもそうだったのだ」という話が出た場合は、史実を元にした批判が出るのは当然であり、事実と異なるということは明らかにされるべきで砂。

2013-01-24 21:34:59
神無月久音 @k_hisane

何故ならば、「賢者は歴史に学ぶ」なんて言いますが、その学ぶべき「歴史」が、実は誰かの創作であり、虚構であるならば、そこから学んだことが、現実において役に立たない、あるいは害になる可能性が十分にあるからでアリマス。

2013-01-24 21:46:05
神無月久音 @k_hisane

例えば、ある軍人が、「かつて、このような方策を取り、勝利を収めたという記録にあやかり、この作戦を実行する」などと考えたとして、その方策が、実はその記録を書いた人間が「実際には違うけど、華がないから少し話を盛るか」というものだったりすると、その作戦はどうなるのか、ということで砂。

2013-01-24 21:51:01
神無月久音 @k_hisane

そこまでいかなくとも、物語上、悪役にされた人物に対して読者が悪印象を持ち、揚句に、実在の縁者に対し、悪影響が出るようなことがあれば、それは「創作だから」で済ますのはマズかろうと思うところ。その辺は前にも書いた話で砂。【隆慶一郎、その功罪】http://t.co/ngopIMdR

2013-01-24 22:00:30
神無月久音 @k_hisane

ちなみに、当方が荒山作品を「流石荒山先生ッ!俺たちにできないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれるあこがれるゥ!」とか言って超リスペクトするのは、もう見たまんま創作であり、史実云々を放棄し、脳をカラにして楽しめる超愉快作品だからでアリマス。

2013-01-24 22:01:54
神無月久音 @k_hisane

だって仮にも「歴史」の名を関した小説に、堂々とモスラを出すんですよモスラ。しかもその登場の根拠が「高句麗の始祖王朱蒙(チュモン)の父・解慕漱(ヘモス)が蠡(ラ)を使役したので慕漱蠡なる名の由来とされている」でターンエンドであり、その後はガンガン登場ですよ。どうしろと。

2013-01-24 22:08:08
神無月久音 @k_hisane

あれを「もしかしたら本当かも」とか思う輩がいたら、そうねえ、とりあえず「柳生大戦争」の荒山先生の捏造講座を10回読み返してみると吉なんじゃないでしょうか。参考:【『柳生大戦争 第一部 剣神降臨ノ巻』、或いは虚言講座柳生】http://t.co/7mQ3A71a

2013-01-24 22:08:52
神無月久音 @k_hisane

更に具体例を挙げるなら、こないだ出た「竹島御免状」文庫化記念の時のこちらをご覧頂ければ。【荒山徹「竹島御免状」文庫版発売記念】http://t.co/KTWs6bwC

2013-01-24 22:13:04
神無月久音 @k_hisane

とりあえず、創作は、それが創作で収まる限り、「史実と違う!」などとドヤ顔するために批判するような輩などスルーして無問題なのでアリマス。それを別の言葉で言うなら、例えばこうなるでしょうか。

2013-01-24 22:19:35
神無月久音 @k_hisane

「だって史実通りにしたら朝鮮妖術が使えないじゃないか!」

2013-01-24 22:20:08

せっかくなので補足

神無月久音 @k_hisane

なんぞ昨日のまとめ(http://t.co/h2wJrDDi)が相変わらず廻ってるついでに、引用してた隆慶作品についてのまとめ(http://t.co/ngopIMdR)も読んで頂けてるようで、ちょっとニンマリと。あれは割と気に入ってるので、ウケると嬉しゲでアリマス。

2013-01-31 20:01:25
神無月久音 @k_hisane

しかし、コメント欄見てると、なんか話伝わってないなあという塩梅のコメントもちらほらあったのでげんにょりと。当方別に創作作品を史実ベースの視点で批判するなとか、史実視点で創作について話をするのはよくないとか、ンな話はしちゃおらんのですが。

2013-01-31 20:03:21
神無月久音 @k_hisane

当方が言ってるのは、創作というか、エンタメ作品である以上、史実ベースで見れば、「ここが違う」「あれはおかしい」とか批判できる穴はどうしたって出るだろうし、そこで「批判するために作品を見る」ってのは流石にどうよ、という話でアリマス。

2013-01-31 20:04:42
神無月久音 @k_hisane

それってもう作品関係なしで、単に俺SUGEEEEって言いたいだけとちゃうんか、ということで、そりゃねーよと。なんにせよ、創作作品をネタに、史実視点からあれこれ語る楽しさを否定するって話ではないので、その辺はご理解頂ければ。

2013-01-31 20:05:29
神無月久音 @k_hisane

つか、せっかくなので、実際に当方が歴史ものの創作作品を見た後、史料を踏まえつつ、あれやこれやと話をしたのをご紹介してみようかと。お題はこちら。【宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-】http://t.co/zhqfJziF しかし、まだ公式サイトが残ってるんで砂。もう4年前の作品なのに。

2013-01-31 20:06:55
神無月久音 @k_hisane

当時、剣豪関連について調べを進めてた時期だったので「押井監督が武蔵を?これは面白そうなので是非見に行くべし」とwktkしてたので砂。インタビューでも監督は相変わらずでしたし。【『宮本武蔵-双剣に馳せる夢』原案・脚本押井守氏インタビュー】http://t.co/kSSpxPvA

2013-01-31 20:10:31
神無月久音 @k_hisane

ちなみに同時期(つーか今も続いてる訳ですが)、当方は史実ベースの柳生一族を題材にしたやる夫スレ(http://t.co/RfVBveTZ)(http://t.co/0pl9wwt1)を書いており、その辺の絡みもあって、尚更期待してたわけですよ。

2013-01-31 20:12:29
神無月久音 @k_hisane

で、いざ「宮本武蔵」を観た当方は、その後、心赴くままに感想を書いた訳ですよ。勿論史料をベースに。そりゃもうゴリゴリと。それは前ににのまえさんにまとめて頂いたのがあったのでご覧頂ければ。【K_hisane氏による映画「宮本武蔵」へのツッコミ】http://t.co/ISq7HKpu

2013-01-31 20:15:18