イザヤベンダサン@Isaiah_BenDasanの「貯蓄は将来の安全確固が前提の筈で、保険は将来の不安が前提の筈」
1】前略~こういうゴマのハエだらけの社会に生き続けてきた国民は、また特にその中のユダヤ人は誰でも保険という事を考える。しかし日本では厳密な意味での保険といった考え方は極めて稀薄である。日本人の生命保険に関する考え方は戦前には貯金の一形態であり今でもその色彩が強い<日本人とユダヤ人
2013-01-30 01:58:322】当時は徴兵保険などというのがあったが、これは保険ではなく一種の貯蓄である。今でも「子供が大学に入るころ満期になるように」などというのもこれと同じである。これは少しくおかしい。保険と貯金とは正反対の筈である。貯蓄は将来の安全確固が前提の筈で、保険は将来の不安が前提の筈だ。
2013-01-30 02:58:313】これは大部分の日本人が~略~その心底では保険の必要を認めていない(即ち安全は「ただ」の筈だ)から、従って保険のセールスマンはこれを一種の貯蓄ですよ、利殖ですよ」といって売り込まざるを得なくなる。
2013-01-30 03:58:344】いわば正反対のものにすり替えて売っているのであり、恐らく日本ではこれ以外に方法がないであろう。本当に保険に入るのなら、その前に家の構造から子供の教育まで、当然やっている事がある筈である。
2013-01-30 04:58:325】フランスの農民がナポレオン金貨を床下に埋めるのも一つの損害保険、ユダヤ人がダイヤの指輪をはめるのも一つの生命保険である(といってもおわかりにならないであろう。数人の暴漢に襲われたら、指輪をぬいて「ダイヤだぞ」と叫びつつ相手に投げつけ、その暇に逃げる)。
2013-01-30 05:58:326】これは序の口であって、ユダヤ人なら子供の時から徹底した保険教育をうける。それがどのようなものか、次の話を読んで頂きたい。実をいうとこの話は余りしたくないのである。もう十年以上前だが、私はある日本女性から「ユダヤ人は嫌いだ」とはっきり面と向って言われた事がある。
2013-01-30 06:58:317】彼女はアメリカに留学していたが、ある日、偶然、隣家のユダヤ人か実に奇妙な事をするのを見聞してしまった。このユダヤ人には五人の子供がいた。ある日その父が息子の一人に「二人で財産を隠しておこう」といい、百ドルを屋根うらの壁のすき間に押し込み、それを「兄弟にも母にも(続
2013-01-30 07:58:348】続>絶対に言ってはいけない」と言っているのを知ってしまったのである。「何ということでしょう。本当に守銭奴ですわ、親兄弟にまでお金を隠すなんて――あれじゃあ、偏見をもたれるのもあたりまえですわ」。そんな奴らは人面獣心といった言い方であった。
2013-01-30 08:58:449】~略~この日本女性が見聞したユダヤ人の場合にも、その前に父親がこんこんと息子に言ってきかせた事がある筈なのだ。これが危険の分散即ち保険の第一歩なのだ。そしてそうするのが家族の為であり、家族の安全の為であって、家族を愛しているからにほかならない。
2013-01-30 09:58:4710】もし仮に家族の一人がマフィアにでも誘拐されたとしよう。~略~無名のユダヤ人の子がひとり消えても新聞種にもなるまい。警察がユダヤ人に何をしてくれよう。地方警察の中にマフィアの手先がいないと誰が保証してくれるであろう(と考えざるを得ないのは残念なことだが――)。
2013-01-30 10:58:4611】息子は拷問に合い、家の金のありかを全て白状させられた上で、嬲り殺されてセメントづめにされて海に投げ込まれても、何のニュースにもならないであろう。だがもし私がこういう目にあったら、家の金のありかなど知らない方が気が楽であろう。
2013-01-30 11:58:4512】たとえ自分の身の不幸はなげいても、知らないことは本当に知らないのだから、どんな拷問にあっても家族に累を及ぼす心配はない。私ならその方が気が楽である。中世以来、何度も繰り返されたゲットー掠奪は、相互に知らないことが保険の第一歩とユダヤ人に教えた。
2013-01-30 12:58:4713】勿論、掠奪が終れば生き残った家族はみなそれぞれ自分だけが知っている場所から金を取り出して、互いに助け合ったことは言うまでもない。わざと知らせない、わざと知ろうとしない、ということは、守銭奴とは違う行為なのである。
2013-01-30 13:58:5014】だが「誘拐に対処するよう教育せよ」といえば「それは人間不信を教えることだ」という反論か出るほど平和な日本では、今でも、このことを本当に理解してくれる人は少ないであろう。まして十数年前では、私はその日本女性に、何も言えなかったのである。
2013-01-30 14:58:4626】自己の安全に収入の大部分を割かねばならなかった民と、安全と水は無料で手に入ると信じ切れる状態におかれた民と、――私はただ溜息が出てくるだけである。だが、余りに恵まれるという事は、日本人がよく言うように「過ぎたるは及ばざるが如し」で、時にはかえって不幸を招く。
2013-01-31 02:58:29