災害時におけるリスク・コミュニケーション by 福田充氏(日本大学)の個人的なまとめ

福田充「災害時におけるリスクコミュニケーション」2013年1月29日,警察政策学会フォーラム「来るべき危機にどう備えるか」の個人的なまとめ。 http://homepage3.nifty.com/fukuda326/
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福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

今日は警察政策学会シンポジウムで講演します。福田充研究室が実施した東日本大震災被災者調査、福島第1原発事故被災者調査、委員を務める(財)日本防火・危機管理促進協会の防災調査などのデータをもとに東京直下型地震による震災とリスク・コミュニケーションについて話します。

2013-01-29 09:07:16
Shaw @tk_shmd

福田(2013) 災害時におけるリスク・コミュニケーション(RC)於 警察政策学会フォーラムの個人的まとめ。リスク(発災前・潜在)クライシス(発災後・顕在)。警報や避難命令などクライシス・コミュニケーション(CC)には段階別に法的・技術的・社会心理的課題が。

2013-01-30 06:56:13
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(2)東日本被災者調査。大津波警報・原発事故屋内退避情報ともに回答者の約4割は「聞いていない」。津波生存者でもこの数字。知ったきっかけは防災無線中心だが、原発からの距離(被災程度)で利用メディアが異なる。テレビは停電、ラジオは平時の利用習慣が問題。

2013-01-30 07:04:50
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(3)東日本被災者調査。利用し役だったメディアはラジオと口コミ、新聞などアナログ中心テレビ・ケータイ・SNSなどデジモノは総じて低調。情報ニーズは岩手宮城では家族知人の安否、福島では原発・放射線(ただし複数回答の選択肢が異なるようなので比較可能か?)

2013-01-30 07:37:32
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(4)警報は単に住民に伝達するだけでなく、住民が対応行動を取って初めて成功といえる。しかし、避難行動を例にとっても、正常化バイアス、未経験・無知、経験の逆機能(油断)など心理的阻害要因が。コミュニケーションの問題。

2013-01-30 07:47:39
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(5)メディアの災害報道は、被災者のみならず、政府自治体や外国への情報提供など役割は大きい(なるほど!)。一方で報道災害、メディアスクラムなど各種の問題点も(きれいに整理されてました感服)。研究者が被災地を荒らす調査災害にも言及。

2013-01-30 07:53:30
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(6)ひるがえって首都圏。帰宅困難者問題も10年前に比べ社会の理解は増進(データがあるのがすごい)。家族の安否情報がキーで、家族の安否が確認できたので都心に留まる決心がつくことも(心理学的にも大変興味深い)

2013-01-30 07:57:59
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(7)防災ネットワークは災害の社会教育のインフラとして重要。一方で、担い手の高齢化、財源確保、個人・組織間の温度差など問題点は多い(斯界も全く同じ問題が・・組織基盤が同じなので当たり前かもしれないけど)。

2013-01-30 08:03:52
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC(結)最後に提言3点。1.各学会を基盤に研究者・官庁・マスコミ/メディアの連携。2.警察・消防・自衛隊で用語や地図の統一、3.地域住民との関係重視・コミュニティの再構築。交通取締や犯罪捜査を行う警察は他2者に比べハンデはあるが役割は大きい。

2013-01-30 08:23:21
福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

警察政策学会シンポジウム「来たるべき危機に備える」無事終了しました。警察、自治体、住民、研究者が東京直下型地震対応を議論。会場一杯の参加者の皆さんから貴重な質問意見もいただきありがとうございます。勉強になりました。この議論こそ震災対応の重要なリスク・コミュニケーションです。

2013-01-29 20:34:42
福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

警察政策学会シンポジウム講演の私自身の反省点、論点とデータを盛り込み過ぎて時間が足りなかったこと、調査データと理論偏重だったことです。研究者の役割演技としてある程度自覚してやっていますが、今回は特に顕著でした。反省。今年もたくさん講演と学会報告、次に生かしたいと思います。

2013-01-29 20:43:13
Shaw @tk_shmd

今日のような実務関係の集まりは、成功事例の紹介に終始してしまい、一般化可能性に欠けるのは宿命だと思ってます。このため、研究者が実証的な知見に基づき発言するのはとりわけ重要で、役割演技以上の役割ではないかと。@fukuda326

2013-01-30 00:13:06
福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

ありがとうございます。救われます。@tk_shmd 今日のような実務関係の集まりは、成功事例の紹介に終始してしまい、一般化可能性に欠けるのは宿命だと思ってます。このため、研究者が実証的な知見に基づき発言するのはとりわけ重要で、役割演技以上の役割ではないかと。

2013-01-30 00:47:03
福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

警察政策学会シンポジウム、会場に警察庁、警視庁、防衛省、自衛隊、消防、病院、マスコミ、現場のプロのすごい方々、大先輩が集結しておられて、皆さんのご意見、ご教示をいただきたく思いました。一人一人ご挨拶できず失礼しました。うちの学生たちもたくさん参加、皆さんに感謝です。

2013-01-29 20:49:31
福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

大震災時の発災直後の被災地内でのソーシャル・メディア、ネット、スマホの不可能性、可能性については、調査データからも私自身非常に否定的ですが、通信環境の被害の程度に大きく依存することは確かです。自治体は困難ですが情報ボランティアの活動に期待するのが現状です。@tk_shmd

2013-01-29 21:01:05
Shaw @tk_shmd

私も、電源や通信容量面で脆弱なケータイやネットだけに頼るのは心配でした。一方で被災地3県と東京では、住民のデモグラフィックが異なり、平素の情報行動も違ってくるように思えたので、そこはどうなんだろうと素朴な疑問を持ちました。@fukuda326

2013-01-30 00:49:32
Shaw @tk_shmd

(承前)平時と非常時で情報システムは変えない方がよい、という話を聞いたことがあります。電車内で人々がスマホの画面に見入っている姿を見るにつけ、非常時に推奨されるアナログな仕組み(ラジオや紙媒体)への適応がより困難になるのかも、と思いました。@fukuda326

2013-01-30 00:53:11
福田充 Mitsuru Fukuda @fukuda326

警察政策学会シンポジウム、実は「目からウロコ」がたくさんありました。災害時の要援護者対応で個人情報保護がネックになっている問題を私が指摘した際、横須賀市が実務的にどう問題をクリアしたか小貫・危機管理課長が即答され、納得。皆さん誰もが闘っているのだと心が熱くなりました。

2013-01-30 00:56:54
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC・感想。30分の発表に授業5コマ分くらいの内容が凝縮。実証的知見も踏まえ、かつ、提言や示唆にも富む。災害や危機管理の現場に入り、オールハザードで取り組んできた講演者ならではの説得力ある講演で、話に引きこまれた。

2013-01-30 08:30:24
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC・感想2。全体のテーマである首都圏直下地震。平時は情報集積しITインフラも整っている東京だけに、発災直後の情報環境がどうなるか姿が見えない。阪神は都市基盤は似ているが日が経ち、最近の東北や中越とは都市度が異なる。想像力が必要だと思った。

2013-01-30 08:39:26
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC・感想3。311の時は都心オフィスビルにおり、その日は帰宅できずに都心に留まったが、全体像は分からなかった。確かに電気や基地局止まった状態で、安否情報(最近は公衆電話みない)や交通情報(最近ある駅の大型ビジョンもNG)をどう伝えるかは大問題でしょうね。

2013-01-30 08:46:07
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC・感想4。講演者のお立場の「オールハザード」。なるほどだと思いましたが、一方で、公衆のリスク認知特性を考えると、地震洪水のように、一度に発生し、よりカタストロフィックで多くの人が巻き込まれるハザードに注目が偏るのではないかと気になりました。

2013-01-30 08:51:30
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC・感想5。つまり疾病、交通事故、財産犯罪のように、社会全体への不利益は大きいが、個別被害は目立たない(かつ自己責任化)ハザードに対する公衆や実務者の関心は向きにくいかと(一次バイアスですね)。近接分野の講演を聞いて、自分野を相対視できたのもよかった。

2013-01-30 08:58:48
Shaw @tk_shmd

福田(2013)災害時RC・感想(結)個人の備えの促進地域住民やボランティアをめぐる課題多機関連携など実に多くの共通点が。「リスクの・・」書評にも書きましたが、実証的知見を蓄積し発言を続けておられることに心から敬意を表します。ありがとうございました。@fukuda326

2013-01-30 09:06:48