小説としての体裁と構造をどう構築するか

作家の榊一郎さん(@ichiro_sakaki)のプロットの構成に関する呟きから始まり、小説を作成する上での文章の書き方や、物語の構造を把握することの重要性などをまとめました。私用ですので、欠けているところが多々あります。
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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

いや、実際問題、大抵の小説公募の枚数規定、プロの作家から見ると大抵は「え? こんなに短いの?」となっちまいます。実際には十分に書ききろうとすると400~500枚になる事はざら。

2010-08-26 16:55:33
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

なので、削れる処は削る、必要なところは残す、作業の上で、「これは意味があるから残さなきゃ!」と思えるかどうかだと思いマスる。

2010-08-26 16:56:58
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特に台詞はキャラクター性に関与してきますから、あまり「ぶれる」様な台詞を意味もなく挿入するのは避けた方が無難。逆に意味があればやらないと、キャラに幅が出ない。

2010-08-26 16:59:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

今では特にやってませんが。某専門学校(今とは違うところ)で講座を受け持っていた時には、定期的に何人か内弟子をとってました。まあアシスタントとして使う為なんですが。

2010-08-26 22:29:05
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

この時の、「選別方法」。つまり「彼(彼女)は使いのものになるかどうか?」を見極める方法。まあ絶対ではないんですが、ある程度は見抜けました。

2010-08-26 22:30:15
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ある年の志望者五人。その内、三人が全く同じパターンでした。どうなったかというと、「ひたすらあらすじを喋る」です。

2010-08-26 22:36:16
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勿論、「あらすじを喋る」でも、面白さを伝える事は出来ます。本来は。しかしここで「五分」という時間がきいてきます。当たり前ですが、漫然と喋っていると五分はすぐに過ぎます。

2010-08-26 22:37:25
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しかも、普段から「物語の構造を分解して自分の中で整理する」という見方をしていない人間は、どうしても、真っ直ぐに筋を語れません。途中まであらすじを喋って、しかし後半の伏線に絡む重要な要素を喋っていない事に気付いて、慌てて引き返し、またそこから喋って――を繰り返し。

2010-08-26 22:39:00
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結局、全体の半分も語れないままにタイムオーバー。「あらすじ」を語ろうとした三人が三人ともこれでした。

2010-08-26 22:39:46
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ここで重要なのは、先に書いた通り「普段から、物語をどういう見方をしているか」です。基本的な構造、重要なポイント、そういう部分をきちんと見ていれば、幾らでも物語はコンパクトに要約できます。それこそ、先に言っていた「名刺の裏に書ける」程度の分量にすら。

2010-08-26 22:40:46
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つまり「何が求められているのか」を理解した上で、「自分の過去の知識の中から、最も説明しやすい対象を、ポイントを絞って語る」だけの事なのですが、これが意外に難しい。この五人の志願者が殊更に劣っていた訳でもなく、これは、普段からそういうものの見方をしていないと、出来ないんですよ。

2010-08-26 22:48:30
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なので。プロット構築とかに慣れようと想う人は、自分が見て面白かった物語を、自分なりに構造分解してみると、「物語の基本構造」みたいなのが見えてくる事があります。

2010-08-26 22:49:34
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おすすめなのは、まず「あらすじ」を原稿用紙二枚分位にまとめる事。察しの良い方はこの瞬間にお気づきでしょう、原稿用紙二枚ってのは、新人賞応募原稿につける梗概(あらすじ)の枚数です。

2010-08-26 22:52:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

更に、「あらすじ」がまとまったら、登場人物、世界観を語る上で必要な単語、を書き出して、注釈をくわえていく。

2010-08-26 22:53:03
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

更に可能なら、物語のテーマ、あるいは作品としてのコンセプト、想定される読者層(購買層)まで逆算して書き出せれば完璧。

2010-08-26 22:53:55
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はい、おわかりですね。既存の作品を、分解して企画書に戻す作業です、これ。

2010-08-26 22:54:31
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

これを何本もやってると、大抵の作品を見たら、まず、この企画書レベルにまで分解して見る癖がつきます。たとえぼんやり作品を見ていても、気が付いたら脳の裏側で分解して分析する癖が。

2010-08-26 22:56:00
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とにかく、こうやってお話そのものからその内側、骨格たる基本構造を見る癖がつくと、今度はこれを応用する事が出来るようになります。いわゆる換骨奪胎ですね。

2010-08-26 23:01:04
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

基本のテーマやコンセプト、物語構造だけを残して、キャラクターを変え、世界観を変え、ガジェットを変え、とやっていく。

2010-08-26 23:01:52
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えーと。じゃあ、まあ、事実上手に入らないと思いマスが、すんません、うちのデビュー作で。「ドラゴンズ・ウィル」という作品。

2010-08-26 23:08:48
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

これは端的に言えば、「女の子が破邪の聖剣を借りて邪悪な竜退治に行ったら、実はこれが存外平和主義者で良い奴で、仲良くなってしまい、最後にはこの竜が、女の子の住む街を救う」という話。

2010-08-26 23:10:12
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

そしてテーマはというと「存在の意義」です。自分は何の為にこの世に存在しているのか。それは誰かに決められたものなのか、それともそもそもそんなものは最初から無いのか。在るとしたら、それは、逆らえないものなのか? そんな話。

2010-08-26 23:11:30
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ではこれをまず、ガジェットから変えます。「邪悪な竜」というのを、別の何かに変えます。作中では、「邪悪な竜」というのは、人間を脅かす為に存在し、そして最後には必ず退治される為「だけ」にこの世に在る、という設定。

2010-08-26 23:13:43