茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第854回「トラがショウにでると、なぜ観たくなるのか」

脳科学者・茂木健一郎さんの2月6日の連続ツイート。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

サイパンのホテルから、「朝ごはん前」の連続ツイート第854回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。これを書いたら、テラスに行って朝ごはん食べるのだ。おなか空いた。

2013-02-06 05:56:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(1)飛鳥を下りたのが昨日。TLを見ていると、日本は相変わらず一つのことを話題にすると、みんながそのことに集中する傾向があるな、と思う。今朝で言えば、中国船によるレーダー照射だろう。けしからんことだと思うし、困ったことだとも思うが、みながその話をしているのも何だかと思う。

2013-02-06 05:57:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(2)それで、さっき、仕事の合間に夜明け前の暗いビーチまで往復した時に、「そうだ、今日の朝の連続ツイートでは、全然関係ないことを書こう」と思った。それで、エレベーターに乗ったら、昨日ホテルに着いた時から気になっていた、二人のマジシャンがやるショウのポスターがある。

2013-02-06 05:59:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(3)実は、昨晩、迷ったのだった。夕飯は、結局、カフェみたいなところでワンタン・スープとナシゴレンを食べたのだけれども、二人のマジシャンがやるショウというのも見てみたかった。というのも、ポスターに、「LIVE TIGER」(生きたトラ!)と書いてあって、写真もあったからだ。

2013-02-06 06:00:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(4)サイパンのリゾートホテルで、連日ショウをやっている二人のマジシャンの人生(何とはなしに都落ちの感もあるが、実はすごかったり、人生訳ありだったりするかもしれない)にも興味があるが、何と言っても、「生きたトラ!」が出るというと、俄然ショウを見たくなるのはどうしてなのだろう。

2013-02-06 06:01:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(5)エレベーターで、ショウのポスターを見ながら、「ううむ。このショウを見たいな、と思う時価総額の、半分くらいは「生きたトラ!」だな」と思った。それで、なんで人は、トラがショウに出ると言うと、観に行きたくなるのだろう、と考え始めた。しまった、もう連ツイの半分使っちゃったね。

2013-02-06 06:03:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(6)不思議なことに、動物園では、「生きたトラが観たい!」という衝動にかられることはまずない。何よりも、動物園では、生きたトラと言っても、檻の隅の方で寝ていたり(本当に生きているのか!?)、ただあっちいってこっちいって往復していたり、観ていてあまり面白くないことが多いから。

2013-02-06 06:04:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(7)ところが、ショウに出てくる生きたトラは、何か芸をやることになっている。しかも、その芸は、トラさんが本来持っている性質(どう猛だったり、敏捷だったり、素早かったり)を活かしたものであることが多い。だから、私たちは、「しめた! 本当のトラを観るチャンスだ!」と思うだろう。

2013-02-06 06:06:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(8)ここで肝心なのは、野生でトラを観た場合には、その本来持っている性質(どう猛だったり、敏捷だったり、素早かったり)を体験できるチャンスがあるが、同時に自分の命も危なくなる可能性が高いということだ。つまり、ショウのトラは、安全にコワイものを観ることができる、またとない機会。

2013-02-06 06:07:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

とな(9)こう考察してくると、ショウで「生きたトラ」を観たい!という私たちの衝動は、なかなかに深いものであることがわかってくる。そして、人々の関心が集まるものは、多くが、生きたトラのようなものではないかと思う。生命が本来持っているどう猛さ、闊達さを、安全に観たいのである。

2013-02-06 06:08:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

やっぱり、昨日ナシゴレン食べないで、生きたトラ観に行けばよかったな。以上、連続ツイート第854回「トラがショウに出ると、なぜ観たくなるのか」でした。

2013-02-06 06:09:32