2010年8月27日

歴史学のこと、二国間(特に日韓)共同歴史研究のこと

歴史学に関する拙長文から、派生してtibizu氏とsleep_hatter氏、tibizu氏とCSambo氏による議論など。あとから長い議論に派生したことに気づいて纏めた(後すぎて検索も困難でやんの)ので、たぶんCSambo氏の発言を拾いきれていない。
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歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

遠回りな話だが、歴史学のことについてだらだらと<長文予告

2010-07-26 20:54:41
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

つうても俺自身半可通でしかないわけだが、歴史学の方法を巡っては遡れば色々あるんだが、『まず史料ありき』というのが今でもメインストリームですな。

2010-07-26 20:57:00
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

史料に則ることが何故メインストリームか。科学としての方法論が概ね確立しているからだ。

2010-07-26 20:58:04
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

『あることの起きたとき、その同時代に記録されたもの、の可能ならば原本』が一級史料と呼ばれる。通知文書そのもの、契約書、書簡、日記等。

2010-07-26 21:00:59
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

編纂物や後年の記録は基本的に一級史料よりは一段劣るものと見なされる。歴史書、故事記録等等。だいたい、日本書紀や古事記からしてこの手のものでしかないわけだが。

2010-07-26 21:03:26
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

伝承・口伝をまとめたものとか、創作混じりの『歴史物語』『軍記物』までくると最早何十にも眉に唾せねばならない。

2010-07-26 21:05:13
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

そのように序列があることを前提に、まず一級史料を集めてその中で事実を確認する。一級史料とはいえ史料記述者の主観からは自由ではないから、それ単独では即『史実』とは言い得ないのだ。

2010-07-26 21:08:05
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

それで足りない部分を二級以下の史料を、一級史料と矛盾がないことを慎重に検討しながら採用して補う。

2010-07-26 21:08:55
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

これが『史料批判』という歴史学の根幹をなす作業、科学的技法である。科学的、てのは同じ史料さえ揃えば追試・検証可能だから。

2010-07-26 21:10:48
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

(勿論本来は、『一次史料が本当に一次史料として真正か』を検証する作業が先にあるわけだが。著名な歴史上の人物なら筆跡等まで比べるし、出所が怪しげなら紙の炭素年代鑑定とか行われる例もある)

2010-07-26 21:13:10
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

古代みたいに『ほとんど』紀記のような二次以下の史料しかない世界というのは歴史学上もカオスを極めるわけだが、考古学(木簡や金石銘は即ち一級史料とも言える)の成果を踏まえて考察するのが最近の定石。

2010-07-26 21:17:58
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

何の文字記録もない時代はそもそも歴史学の射程圏外なので、そのへんに興味のある方はとっとと考古学方面にいっとけ。

2010-07-26 21:19:12
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

そういう制限のない近現代史こそ、本来冷静かつ縦横無尽に史料批判を用いて歴史学に則った議論が出来る時代であるはずなのだ。なのに、やれ偏向教育だの、やれ愛国だの、やれ売国だの、機密事項だの、歴史学レイヤー以前の段階での議論が絶えないこと。

2010-07-26 21:23:33
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

本当は日韓共同研究にこそ、そういう冷静な史料批判合戦の場になってほしかったんだが、互いの偏向をしただけで投げっぱなしスープレックスに終わったことは、とてもとても悲しいことだ。

2010-07-26 21:26:00
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

物語としての歴史、国を称えるための歴史。それはそれであっても構わんし、俺も趣味・信仰(神道モノとして)としてはそっちの方が好きよ。でも、 そ れ を 歴 史 学 言 う な 恥 ず か し い 。

2010-07-26 21:28:41
ちびず @tibizu

@hmmr03 歴史学のツイート、大変興味深く読ませていただいてます。日韓共同研究はそもそもが小泉時代にはじまってますから…イデオロギー色が強すぎたのかな、と。それでも日中よりはマシな結果と思っていますが。

2010-07-26 21:29:15
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

……どっちかっつうと、日本国通史・暗記科目としての歴史授業は小中で終わりにして、高校では史料批判の技法を教えて貰いたいもんだ。理系に進んでも考え方としては無駄にならんと思うぜ?

2010-07-26 21:31:37
ちびず @tibizu

@hmmr03 ドイツとフランスが、80年の対話を通して、史料批判合戦の場になっているように思います。ドイツとポーランドも頑張ってますが、あれももう40年くらいですか。日韓、日中じゃちょっと、対話に時間をかけなさすぎなのかも。もうすでにうんざり感がありますが…(笑)

2010-07-26 21:32:50
ちびず @tibizu

独仏共同教科書は史料重視、対立する史料を載せて、高校生に分析させる試みをやっているそう。歴史教育って本来そうあるべき、と私は思ってます QT @hmmr03 どっちかっつうと、日本国通史・暗記科目としての歴史授業は小中で終わりにして、高校では史料批判の技法を教えて貰いたいもんだ。

2010-07-26 21:35:36
歩弥丸(ふみまる) @hmmr03

@tibizu というより日中・日韓ではまだ感情的・『国の正当化ありき』的論説が先行して、史料批判合戦に至ってない印象が強いです。仏独の例に倣ってもう数十年粘り強く史家が議論を戦わせてくれるとよいのですが。

2010-07-26 21:36:07
ちびず @tibizu

@hmmr03 独仏は政治環境に支えられた側面もありますが…。近いところで言うとやはり独・ポーランドになるんでしょうか。ここの対話は40年経ってようやくポーランドのドイツ人に対する加害問題に言及することができたそう。ドイツは長いこと譲歩しかしてませんでしたよ。気長な戦いでした…

2010-07-26 21:40:55
ちびず @tibizu

@hmmr03 ですので、もう数十年粘り強く、というのに激しく同意。感情論を振りかざして国家の正当化に必死な人達は置いておいて、双方の史家の方々が粘り強く話し合える場があって欲しいと思う今日この頃です。難しいのかな…。

2010-07-26 21:44:25
ちびず @tibizu

@sleep_hatter 所謂、「史科批判」の手法を歴史の授業でやるんですね。つまり歴史の授業がそのまま歴史学の授業である、と。日本の教育の方法じゃとてもできるものではないのかも知れませんが…(^^;)私個人の意見としては、一番理にかなった歴史教育と感じました。

2010-07-26 21:47:05
月夜 @sleep_hatter

@tibizu 純粋に面白いって思うけどね。高校生の時ヒトラーは悪人だって思ってたけど、今資料をあさってみたら愛国者なのよね。どっかの学校で試験的に導入してみればいいのに。

2010-07-26 21:59:07
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コメント

ちびくろ参謀 @CSambo 2010年11月21日
今頃になってまとめに気づきました。 史料ありきの話のはずが、歴史共同研究委員会の報告も見ていない人に「共通教科書があるべき」と押しつけられているのに気づき、激しい怒りを覚えて相当に手厳しい事を書いた記憶があります。こちらもログが残っていないので提供できません。
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ちびくろ参謀 @CSambo 2017年1月27日
対馬仏像判決で誰の目にも明白になったけど、相互理解を謳いながら相手を観察していなかったのだよね。この頃のサヨクは。
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Rogue Monk @Rogue_Monk 2017年1月27日
「相互理解で友好親善お花畑」的な幻想を捨てんとなぁ。 そもそもキリスト教で「ある程度の」文化的な共通基盤がある欧州と、国ごとの独自性が強い極東アジアでは安易に同じことは期待できないと思うが。
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