ドイツFIT法改正案について
さあ、メルケル政権になって毎年、新年の風景とも言えるようになりましたが、1月末には環境大臣アルトマイヤーから突然のFIT法改正議論が飛び出して来ました。これまで秋の総選挙まではFIT法には手を触れないと言っていた政権が、態度を180度一変させた形です。
2013-02-03 14:25:22その提案内容はひどいもので、どうしてこうしたアイデアが出てくるのか(どんな強力なロビーが背景にあるのか)、理解に苦しみます。もちろん国会審議はまだで、単なる環境大臣の提案の域を出ていません。アルトマイヤーは、選挙前の夏休み直前の8/1に決議に持ち込みたいとしています。
2013-02-03 14:28:34提案内容を順に説明しますね。まずは、サーチャージの上昇に枠をかける方針が明記されています。今年の1/1には、FIT法によるサーチャージは、1kWhあたり5.28セントと急上昇しましたが、2014年度は値上げなし、2015年度からは値上げ幅は最大2.5%としたいそうです。
2013-02-03 14:30:15ということで、サーチャージの天井が決められるので、FIT法による再生可能エネ買取量にも天井を設けることになります。これは法律に明記したい意向です。
2013-02-03 14:33:01サーチャージの天井がほとんど上がらないように抑制されるので、新設は基本的に急激にストップします。そこで、妥協案として、新設の施設については、FIT法の規定による全量買取価格の支払い日を後ろにずらすなど、柔軟に対応することを可能とする条項も導入したいそうです。
2013-02-03 14:35:17そして唯一の理性的な項目ですが、電力大量消費者(産業)のサーチャージ免除措置を厳しくする。さらにこれまでサーチャージがかからなかった自家発電、自家消費分も系統から購入したかのようにサーチャージをかける。
2013-02-03 14:40:19そして強烈なのは、『FIT法連帯責任規定』として、既存のすべての施設に対し、サーチャージ天井を超えてしまわないように一定額の負担金を貸す、というものです。これは、憲法違反だろうと批判が出ていますが…
2013-02-03 14:44:05ということで、メルケル&アルトマイヤーがこのことを持ちだしたのは、この方針が選挙に有利に働くからという読みがあってのことだと思います。たくさんの批判、議論が噴出している状況ですが、推移を見守ってゆきたいと思います。http://t.co/zPyPxG0h
2013-02-03 14:45:46くれぐれも、こういうバタバタは日本では見習わないでおきましょうね。ドイツの一番の問題点は、サーチャージの負担免除の穴を大きく開けすぎたこと、そして量が大きくなりすぎた再生可能エネ電力の全量を電力取引スポット市場に入れたことで、市場価格が大きく下落し、…
2013-02-03 14:47:48…買取価格と市場販売価格の差額であるFITサーチャージが大きくみえるようになったことの2点につきます。アルトマイヤーの提案は、再生可能エネ市場を崩壊させる危険性はありますが、FIT法を徐々に市場に移行させるものには残念ながらなりません。
2013-02-03 14:50:27ということで、この議論が春から大きくはじまると、日本では、『ドイツのFIT法は失敗だった』とかまた書かれるんだろうなあ。
2013-02-03 14:51:36@murakamiatsushi スポット市場に全量投入することは避けるべきでしょうか?日本では回避可能費用が賦課金算出に用いられているため、スポット市場単価を用いるほうが透明性が高いと思っていますが、調達された電力の売り先、賦課金算出根拠とすべき費用は何が適切でしょうか?
2013-02-03 15:17:26@hfunatsu @murakamiatushi 私も回避可能費用の出し方が問題だと思っています。ただ現在の日本の場合に関して言えば、市場規模が小さすぎて、指標にもなりえない状況なのではと思います。twitterでは字数が少なすぎて議論がしづらいのですが、他にありませんかね〜。
2013-02-03 15:29:27@hfunatsu ドイツで再生可能エネ電力を全量を価格ゼロとしてスポットにぶち込んで、このことが問題、というかテーマになったのは07年からです。調達価格の低減、Merit-Oder効果バンザイと最初は言っていたのですが、12年には天然ガス発電が止まってしまいました。
2013-02-03 18:34:13@hfunatsu 感覚でしかないのですが、ドイツの気象条件だと不安定電力である風力7%±1%、PV3%±1%、合わせて10%±1%ぐらいの範囲を超えるまでには、何かの代替案を順次導入してゆくべきだったのかなと思います。
2013-02-03 18:37:19@hfunatsu ただ、日本のPVはドイツ以上に年平均安定しているので、5%まではそのままぶち込んでも、極端なスポット市場の機能不全には陥らない=透明性が高い調達価格になるかと思います。こういうのは、程度の話ではないかと。
2013-02-03 18:39:31@hfunatsu じゃあ、それを超えてきたらどうするのがベストかという回答を、ドイツはまだ持ちあわせていません。ともかく今の政府のエネルギー戦略は継ぎ接ぎだらけで陳腐化している面が多々あるので、今年の秋に総選挙が終わり、新政権で各種の研究所に様々なシナリオを発注し、…
2013-02-03 18:42:02@hfunatsu 来年夏ごろに、再度辻褄を合わせた形のエネルギー戦略(ロードマップ)が出てこないと、この問題も先には進まないように感じます。
2013-02-03 18:42:48ドイツでの買い取り価格について、日本語でのデータ紹介(村上敦さん) http://t.co/VetaDEKC
2013-02-04 08:02:53日本人的な感覚からは、もっと先々から対応しとけば良いんじゃ、と感じてました。ドイツ人的は、どうなんでしょうね。 QT @murakamiatsushi: @hfunatsu 合わせて10%±1%ぐらいの範囲を超えるまでには、何かの代替案を順次導入してゆくべきだったのかな
2013-02-04 09:28:31ドイツのFITの改定案 Vorschlag zur Einführung einer Strompreis-Sicherung im EEG http://t.co/lweyFULE
2013-02-06 14:33:54