物語の嘘とほんものの生―なぜARIAをリアルに感じるのか―

ARIAはいい作品ですよ。みんな読もうぜ!
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海燕 @kaien

久々更新! 「ニュートンの運動の第三法則を漫画に適用してみた。」http://d.hatena.ne.jp/kaien/20100827/p3 10 秒以下前に webから

2010-08-27 21:13:08
てれびん @terebinn

サムオレの更新読了。暗い話が少ないという事について、ARIAは「仲良し空間」ではあるのだけれど、いさかいが「ない」世界を描いているわけではないというのがポイントにあるのではないかと思う。過去の火星を描いたり、地球ではせわしない人生が送られている事が描かれているから。

2010-08-27 21:21:38
てれびん @terebinn

ここで挙げられるのが、ヒロインの水無灯里が火星を評して言う言葉「この星は奇跡でできているんだよ」というセリフ。火星という星自体が「奇跡の起こる場」として設定されていて、それは理由がなく起こるものではなく、過去の出来事の果てにたどりついた未来であるため反発が少ないのではないかと。

2010-08-27 21:26:45
海燕 @kaien

『ARIA』の「嘘ヴェネツィア」ってエロゲの「嘘田舎」と一脈通じるものがあるかも。

2010-08-27 21:28:42
てれびん @terebinn

反作用(仮にあるとして)の根本とは「ツッコミ」にあるのではないか。理由のわからない(ご都合主義の)嘘に対して「こんなのあるわけないよ~」という反発が反作用を生み出す。そうであるならば、理由をもってたどり着いた嘘には反発が少なくなるのは、説明できる、かな。

2010-08-27 21:31:22
海燕 @kaien

@terebinn その「理由」というのは設定的リアリティの問題じゃないわけですよね。その幸福な空間が、悲惨な現実のなかの陽だまりのような一瞬の奇跡であることが認識されているかどうか、という点が重要だと思う。

2010-08-27 21:34:11
てれびん @terebinn

@kaien そうですね。読者が「この場は、偶然生まれた奇跡の場であるのだ」という認識を持てるならば、ツッコミの入る余地は少なくなる。一瞬の奇跡というのは、裏を返すと「これは永遠に続かない」ことを前提にもっている。その点がやはり重要な差であるのかな。

2010-08-27 21:37:48
渡辺零 @ReiWatanabe144

@kaien 『ARIA』はウンディーネ社会を幾重ものエピソードを通じて、苛烈な競争社会として繰り返し描いていた、というのを注釈的に。

2010-08-27 21:34:27
海燕 @kaien

@watanabe052 そういえば、いじめとか嫉妬の描写ありましたね。ここらへんが反作用を弱めているのか。

2010-08-27 21:35:38
てれびん @terebinn

@kaien 同じような話に、「理想の王国」というのがあげられると思う。ラインハルトの築く王国は「すばらしい」のだけれど「永遠に続かない」ことは保障されている。もしこれが「永遠に続く」としていれば、読者のツッコミが入ってしまう。

2010-08-27 21:40:07
渡辺零 @ReiWatanabe144

【定期POST】『ARIA』って作品の雰囲気を決定付けているのは、「故郷の地球」と「入植先である火星」の故郷/入植地、という位相関係が決定的に逆転しているところで、その上で「作り物の楽園」で体験する生が「まぎれもない本物である」というフレームワークこそが物語を読み解く鍵じゃないか

2010-08-27 21:42:43
てれびん @terebinn

@watanabe052 そうですね。その辺は気になります。「作り物の楽園」での生が「まぎれもない本物である」と感じさせる要素はなんであるのか。二極構造で、「地球での生」は「偽物」という形に持って行き、安易に「ほんものの生」という保証をしているわけではないと思う。

2010-08-27 21:49:00
渡辺零 @ReiWatanabe144

【再掲】天野こずえ『ARIA』総論へのIntroduction―――「進歩/長期的持続」という対立概念の両立とその奇跡 http://d.hatena.ne.jp/k_watanabe/20090331/p3 何かのヒントにはなるでしょうと。

2010-08-27 21:48:27
渡辺零 @ReiWatanabe144

@terebinn 地球での生を「偽者」と言い切るのではなく、「どこかよそよそしい進歩主義」のようなものだと、作中ではエピソードを通じて描かれていましたね。逆に火星は持続のなかに生を見出すライフスタイルを選んだ、という。二極構造ではなく、衰退する人類の「選択」の問題だと個人的には

2010-08-27 21:53:17
てれびん @terebinn

@watanabe052 なるほど。車輪の両軸の関係だと捉えるのが妥当なのかな。社会(といいきっていいのか?)は「進歩的な発展」と「長期的持続」という矛盾をはらんでいるものなのに、この作品は両者が一極ずつを担っている。進歩的な地球の反作用としての火星があるので、バランスがとれる。

2010-08-27 22:00:09
てれびん @terebinn

ここでちょっと気になるのは、読者であるわたしたちは「地球の側」にあるのかどうかですね。読み手もまた片方の側に傾きかけていて、ARIAという作品があらわす「ほんものの生」の説得力に貢献しているのかどうか。もし「長期的持続」の中にある人間がみると、反作用が生まれうるのかどうか・・・

2010-08-27 22:05:04
てれびん @terebinn

なぜ、これが気になるのかというと、「いまの時代」だからこそリアリティーを感じるものなのかどうかを判断しずらい気がしたから

2010-08-27 22:07:12
渡辺零 @ReiWatanabe144

@terebinn そのバランスがあの世界の人類の価値観や内在論理を決定づけていると思うので、僕は別にあの世界観や不自然なまでに清らかなwストーリーについて嘘くさいとか胡散臭いとは思わないんですよね。第一、あれは2300年の人類の話なわけですよw

2010-08-27 22:06:53
渡辺零 @ReiWatanabe144

『ARIA』のノベライズ第二弾(三つ目の短編が超オススメ)と伊藤計劃の『ハーモニー』を同時に読んでしまいましてね……。なんか妙に納得しちゃったんですよ。何か。

2010-08-27 22:08:31
てれびん @terebinn

@watanabe052 そうですね。わたしも嘘くさいという印象は受けなかったです。ちょっと理由は違うけど、それはやはり「未来」だからですね。私たちの「現代」の分岐の果てにあの世界が奇跡的に存在することがわかるので

2010-08-27 22:11:25
渡辺零 @ReiWatanabe144

@terebinn ベタな読み方をする読者ならば見え・感じるのは火星側の生「だけ」ですよね。むしろ、地球の側がベタな層では「他者」として描かれている節も。そこで、アニメ版の、地球出身のオリキャラを重要な役回りとして登場させるという手法は、実に批評的な選択だったんじゃないかと。

2010-08-27 22:13:23
てれびん @terebinn

@watanabe052 そうですね。作品において、地球の存在火星に比べて描かれる頻度が少なくてというのは、仄めかしといってもいいと思います。この点から「地球の存在を無視」する人がいて出かねないと思うんです。そのような人たちもリアリズムを感じるならばそれは「自己」を対照にあるから

2010-08-27 22:18:17
てれびん @terebinn

@watanabe052 読み手もARIAの世界の一極を担っているのかどうかが気になったのでした

2010-08-27 22:19:07
渡辺零 @ReiWatanabe144

@terebinn 「「現代」の分岐の果て」←これが言いたかった!w

2010-08-27 22:16:02
Togetter(トゥギャッター) @togetter_jp

.@monyako さんの「ARIAのリアリティと嘘くさい街」が200PVに達しました。でもまだまだ!もっと頑張れよぅ! http://togetter.com/li/45202

2010-08-27 22:24:02