丸山天寿先生の「海原雄山の放つ傲慢で素敵なセリフ」

「雄山の言動が酷い回ほど面白かった」
3
丸山天寿 @tenjumaruyama

さて日曜日のお遊び。世に長寿漫画は多い。現在巻数の多いのは「亀有」、そして「ゴルゴ」だろうか。そして料理漫画では「美味しんぼ」。よくネタがあるものだと思うが、登場人物にも魅力がある。そこで今回のお題は「海原雄山の放つ傲慢で素敵なセリフ」。全ての叱責、異論、追加を認めます→

2013-02-10 07:49:09
丸山天寿 @tenjumaruyama

「食べ物の味もわからん豚や猿を私と一緒の席に着かせるのか」-「幻の魚」より。料亭の新築披露宴に招かれた雄山。その席に士郎がいるのを見て言う。そこには士郎以外の人も大勢いるのに。空気を全く読んでいないのが素敵。こんなセリフを吐く本人も凄いが、怒らない出席者はもっと偉いと思う→

2013-02-10 07:50:44
丸山天寿 @tenjumaruyama

「よし、極辛カレーで顔を洗って性根をすえてかかって来い」-「カレー勝負」より。昔は「味噌汁で顔を洗って…」という罵倒語があったが、それをはるかに上回るセリフ。間違いなく目は覚めるかもしれないが、「洗う=きれいになる」に値するかどうかは不明。雄山以外の人間にはとても言えない→

2013-02-10 07:52:23
丸山天寿 @tenjumaruyama

「まったくフランス人というのは能がないな。何にでもバターと生クリームを使ったソースをかけなきゃ気がすまんのだからな」-パリのレストランが東京に出した開店パーティで。雄山はフランス人が嫌い。他でも何度もけなしている。国際問題になるレベルだが、仏本国には聞こえていないのを祈る→

2013-02-10 07:55:41
丸山天寿 @tenjumaruyama

「味覚音痴のアメリカ人の食べるあの忌まわしいハンバーガーを」-「ハンバーガーの要素」より。雄山はフランス人もアメリカ人も嫌いなようだ。彼らの全てが味覚音痴とは限らないし、美味い料理もあるのだが、何もかもひとまとめにして断言する態度は凄い。ほんの少しだが気持が分らぬ事もない→

2013-02-10 07:58:53
丸山天寿 @tenjumaruyama

「社主というから少しはましなものを食べているかと思えば、こんな料亭のクズ料理を有難がっているとは」-「ダシの秘密」より。せっかく食事に招待して貰いながら、感謝もせずに出て来る料理の全てにケチをつける雄山。確かに見かけ倒しの料理も存在する。時に雄山が羨ましいと思うこともある→

2013-02-10 08:00:05
丸山天寿 @tenjumaruyama

「士郎は私が誤って作りだした失敗作です。先生も失敗作は地面に叩きつけて割るじゃありませんか」-「エイと鮫」より。陶芸家の唐山先生に「相手を認めたらどうだ」と諭された時の返事。これは凄い。言いたい人は他にたくさんいるのではないか。私の親父が生きていたら拍手をしたに違いない。→

2013-02-10 08:02:35
丸山天寿 @tenjumaruyama

「なんという混み方だ。必要のない連中が車に乗るからだ。馬鹿どもに車を与えるな」-「椀方試験」より。帰省ラッシュのピークに巻き込まれて怒りの一言。すでに料理の話ではないが、この意見には賛成出来る面もある。日本には車が多すぎ、マナーを知らないドライバーもいる。雄山に密かに一票→

2013-02-10 08:04:44
丸山天寿 @tenjumaruyama

美味しんぼの面白さは、海原雄山の傍若無人で傲慢な言動にあると思う。作者は料理にかこつけて、鬱憤を晴らそうとしていたのではあるまいか。雄山の言動が酷い回ほど面白かった。彼は読者の気持を代弁していたのかも知れない。最近彼は妙に大人しくなったような気がする。傲慢な雄山よ、蘇れ。了

2013-02-10 08:08:38