甲野善紀「体罰・殴る」ことについて

ロシア武術システマのインストラクター北川貴英からの引用を紹介しています。
6
甲野善紀 @shouseikan

日経ビジネスオンラインの記事の下書きを何人かに送って意見を聞いたが、そのうちの一つ、システマの指導者、北川貴英氏からの返信が大変興味深かったので、一部引用させてもらうことにする。

2013-02-08 02:12:58
甲野善紀 @shouseikan

まず北川氏は、よく聞く、指導者が「心を鬼にして殴る」という話に対して、私が「それは違うと思う」と発言している事に深く同意されてから、システマから見た殴るという行為を述べられている。

2013-02-08 02:13:42
甲野善紀 @shouseikan

システマでは打撃によって打つ側の感情が相手に伝わるとされています。リラックスさせるように打てばそうなり、逆に苛立ちとともに打てば相手に苛立ちが伝わり、その苛立ちによってやり返される危険があると考えます。

2013-02-08 02:16:18
甲野善紀 @shouseikan

だから正しいストライクを打たれると、インストラクターの身体の状態が移り、とても気分が良くなったりするのです。ですからシステマでは生徒を怪我させたり、ダメージを与えて喜んだりしているうちはまだまだ未熟と見なされます。

2013-02-08 02:16:51
甲野善紀 @shouseikan

そうした体験に基づいて考えると、自ずと生徒を自殺に追いやった教師が、どのような気持ちを持って生徒を殴ったのかが推察できます。それはもちろん「殺意」というべき感情です。

2013-02-08 02:17:19
甲野善紀 @shouseikan

そして柔道界においても、指導者が敵意をもって殴っていたからこそ、今度は自分が敵意を向けられる側になってしまったのです。

2013-02-08 02:17:45
甲野善紀 @shouseikan

これらについてもう一つ思うのが、体罰を論じる人が「殴る」ということについてあまりにも無知であるということです。

2013-02-08 02:19:13
甲野善紀 @shouseikan

本当に人格が優れている人が使えば、例え体罰であろうと啄の一撃となることでしょう。私自身、ミカエルにムチや拳で散々にぶん殴られたことから、非常に多くのことを学びました。

2013-02-08 02:22:57
甲野善紀 @shouseikan

少なくともある程度上手に殴ることができる人なら、精神的、肉体的に壊れてしまうほど追い込むことはないでしょう。つまり体罰によって悪しき結果がでてしまうのは、決して偶然ではなく殴る側に指導者としての力量が足りなかったということです。

2013-02-08 02:23:40
甲野善紀 @shouseikan

拳も刃物も、使う人間の力量と人格によって大きく異なる結果をもたらします。そのマイナス面を封じるには、少なくとも扱いに精通する必要があります。

2013-02-08 02:24:04
甲野善紀 @shouseikan

だからどうしても体罰が必要と思う指導者は、研究会でも作ってお互いに殴り合い、殴り方の研鑽を積むところから始めるべきでしょう。もしそこまでやろうという気骨ある体罰派の教師がいたら、私は喜んでシステマの技術をシェアするつもりです。(引用終り)

2013-02-08 02:25:26
甲野善紀 @shouseikan

システマに御関心のある方は、システマの日本での窓口であり、リーダーである 北川氏のTwitter @systemaTYOを、これからフォローするので、御覧になってください。

2013-02-08 02:33:27